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医師起業日記_vol.10_30代で訪れるキャリアの悩み"Mid-life Crisis"とは

"頑張り屋さん"だからこその悩み

「あれ、自分の人生ってこれでいいんだっけか」
「なんかこのままキャリア積んでもそんなに嬉しくないかも」
「別にバリバリ不満ってわけでもないんだけど…」

こんな悩みがふと頭をよぎることは誰しもあるだろう。ただ、この悩みが放置しがたい葛藤として訪れるのが30代半ば-40代ごろとされている

もちろん、20代で訪れる人も少ないながらにいる。生きとし生ける者全員に訪れるかというとそうでもなく、どちらかというと頑張り屋さんならではの現象だ

この現象は、決してネガティブなものではなく、自分の人生をより豊かにするための試練であり、根本的な自己変革のきっかけである。

ここで今までと違う思考・行動パターンに切り替えて、今までなら取らなかったであろう選択をとれるかどうかが、その後の人生の成長・幸福を大きく左右する。


なんで20代後半の若造である自分がこのテーマについて書くのか。

実は、自分がまさにそれを一年前に経験したからだ。自分でいうのも恐れ多い話だが、頑張り屋さんの度がすぎて、ミッドライフ・クライシスが早く訪れた感じだ。

ただ、何もぼくだけではない。普段支援させていただいている医師・歯科医師の方も、おおよそミッドライフ・クライシスの状態でご相談に来られている場合が多い。

今回はそのミッドライフ・クライシスの原因や解決方法について書いていこうと思う。


ミッドライフ・クライシスはなぜ生じるのか

生きていれば悩みは尽きないもの。しかし、このミッドライフ・クライシスというのは、割と発生までの流れに共通項がある。

<学生-20代>
"家族・友人・社会にとって望ましい自分像"を追って頑張る。
このフェーズではその自覚はなく、むしろ
「自分の成長のため」と脇目もふらず頑張っていることも多い。
 ↓
30歳前後>
家族・友人・社会から見た自分像は申し分ない。
しかし、うっすら物足りなさ・不足感がでてくる。
ただ、漠然と悩むが、本格的な対処はしない。
 ↓
30代中盤>
その"違和感"が無視できないところまで大きくなる。
この辺りで、今までそこまで見つめてこなかった
"自分の内面・本音"を本格的に見つめ始める。

個々人で多少の差はあれど、おおよそこんな感じだ。

これは主観的な印象だが、医師・歯科医師はこの各フェーズが、一般社会人よりも早め早めで生じてくる。

なんでこんな現象が発生するのだろうか。
これは人間のメンタルモデルの発達理論から見るとわかりやすい。

①人生の第一段階:適合期
・自己以外に認められることで世界に受け入れられようとする

・他者に認められることで「価値不安を解消したい」
・誰かに愛されることで「存在不安を解消したい」

 ↓ その欲求が十分に満たされる

②人生の第二段階:直面期
・同じ動機でがんばっても、望む幸福感・充実感が得られないことに気づく

・これまでの他者の評価や愛情では満たされなくなる
・家族、恋人との間にわずかな不協和が現れる など

↓こうした"不本意な現実"に気づき、自己変化を迫られる

③人生の第三段階:自己統合期
・これまでの「認められたい」中心のとらえ方が変容し始める



④人生の第四段階:体現期
・新しいとらえ方を以て、自分のホンネに沿った行動が中心になり始める



⑤人生の第五段階:自己表現期
・周りにも影響を及ぼし、心から望む世界観がどんどん広がっていく

全人共通して、「人に認められたい」が一定以上きちんと満たされると、「認められたい以外のホンネってなんだっけ」という状態になる

承認欲求は一度がっつり満ちる経験がないと、なかなか追うのをやめられないもの。ミッドライフ・クライシスは、それを満たした人に訪れる転機なのである。

頑張り屋さんに訪れるという点も、ここを考えれば納得だ。


人生の序盤は、自分以外の対象から認めてもらいやすく、またそれに向かって頑張れる体力・気力があるという状況も関係していそうだ。

努力する若者に「その努力、本当にやりたくてやってる?」と聞いても、「たしかに!自分は承認欲求に振り回されている…自分を見直そう!」とはなかなかならない。

それに、社会や先輩から見ても、彼らにそんなことを問うメリットもない。大前提、人間は他人にそれほど興味がない。

仮に興味があっても、いちいち自問している後輩よりも、どんどん動いてくれる後輩の方がありがたいし、かわいい。


頑張り屋さんだと、何かしら結果を出すのも早いので、その飽和経験が比較的若いうちに訪れる。医師・歯科医師のミッドライフ・クライシスが少し早いのはそれが理由だろう。

では、ミッドライフ・クライシスに対して、我々はどう立ち向かえばいいのだろうか。


ミッドライフ・クライシスにどう立ち向かうか

まずは人生のたな卸しから始めよう。

これまでの人生における"事実"と"感情"を掘り返していくと、自分が無意識レベルで求めているコトがはっきりと見えてくるからだ。

誰に止められてもやってしまっているコト
何のメリットもなくてもほぼクセでやっているコト
本当は昔からやりたかったけど、後回しにしてきた"大きな挑戦"

そんな、無意識が・本能が求めるコトたちが誰しもある。これらが今後の人生の歩み方を決定するキーになる。

ここは主観だけでやろうとすると、あまりスッキリする答えが見つからないことが多いので、誰かの手を借りたいところだ。

弊社の公式ラインでは、たな卸しに使用するワークを全公開しているので、よければぜひ使っていただければ嬉しい。

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自分が本当に無意識レベルで求めていた行動や欲求が見えてくると、いよいよそこに沿った行動をどんどん増やしていくフェーズだ。

ここで「新しい趣味を始める」「ちょっと違ったことをかじる」という、ほとんどこれまでとあまり違わない行動パターンになってしまうようなら、

おそらくたな卸し段階でホンネを見誤っているので、しっかりと立ち返る時間を設けたい。

心の底からのホンネって、もっとクリエイティブで、もっと自由なものだからだ。


注意点

ミッドライフ・クライシスと本人が思っていても、実はまだ「認められたい」が満たされきっていないパターンも往々にしてある

この場合は、無意識のホンネを探ってもなかなか行動変容ができない。本能が「認められたい」「成長しなきゃ」と訴えてしまい、行動が元に戻りやすいためだ。

特に以下の場合は要注意。
幼少期〜小学校の記憶があまりない
自己啓発努力は色々ためしてきているが、あまり根本的変化を感じない

この場合は「認められたい」に従って引き続き頑張り続けるのではなく、「認められたい」がいつまでたっても治らない原因になる、幼少期の小さなキズにアプローチすることが必要だ。

それに関してはまた別のnoteでも記載していこうと思う。


と、そぞろに書いてみたが、本当にこのミッドライフ・クライシスはエリート層が直面するメジャーなステージチェンジなので、

仮に「自分はそういうのないからいいや」と放り出さず、頭の片隅には置いておきたいところ。


少しでも参考になっていれば嬉しい。


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