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「旅立つ前に」/「沖縄」

〜旅立つ前に〜
・移住の師匠

私には移住の師匠と呼べる人がいる。
中学時代の先生が沖縄へ移住していて、
私たちを送り出してから沖縄へ旅立った。
沖縄で自分の店を持つという夢を抱きながら
本当に沖縄へ旅立ったのである。

ソバージュに年季の入った前掛けがよく似合う人で
やんちゃな生徒にも真正面から向き合う先生で
年齢を感じさせないくらいパワフルな先生だった。
ホームルームでは経験談や将来のことを語ってくれた。
思春期入った私たちは何を行っているかわからなかったが、今となって沁みる言葉が多い。

そんな先生の夢は沖縄でかもめ食堂を開くことだった。
当時は「ふーん」なんて聞き流していたが、
今となっては理想の一つになっていて勝手に師匠と呼んでいる。

そんな師匠のお店に数年後に
当時のクラスメイトで遊びに行くことになるとは
この時は思わず…。

・好きな街の条件

冒頭に「あなたには住みたい街はありますか?」
という問いを立てた。
住みたいかどうかは置いておいて、
好きな街はあるのではないだろうか。

一般的な住みたい街の条件といえば
「アクセスの良さ」
「スーパーやコンビニが近くにある」
「治安が良い」
様々な要素が挙げられ、
不動産のサイトを確認すると
これらの要素が謳い文句として使われているのを目にする。

確かにこれらは住む上でとても大事な要素であることに間違いない。
しかし、自分が将来どこかへ移住する際には必ずしも利便性がいいとは限らず
むしろ不便な方が良い場合もある。
(都内は利便性に優れている反面、満員電車などの通勤ラッシュが起きて正直オーバートラフィックだと思う)

色々なところに行った際に
最終行き着いたのは
・自然と都市のバランスがいい
・人が温かい
この2つだ。

職業柄入ったお店の感じがいいのは気にしてしまうのだが
自然と都市のバランスについては普段からコンクリートジャングルに囲まれているせいで
程よく自然を感じられると心が穏やかになる。


〜沖縄〜
・恩師を訪れて

先述した移住の師匠は恩師であり
人生の師匠でもある。
もちろん生き様のかっこよさもあるが
何よりエネルギッシュ。
活発な中学生を相手にフルパワーで向かってきてくれた貴重な先生だ。
そんな先生がいる沖縄には大学生時代に毎年訪れていた。

最初は綺麗なビーチや開放的な天候にテンションが上がっていて
お決まりの観光スポットではしゃいでいた。
何回か回数を重ねると観光スポットも行き尽くしてきて目当てが変わってきた。
それは師匠を目当てに行くことになっていた。
朝方までお店をやってからでも日中の自分の散策に付き合ってくれて
地元の人がいくところに案内してくれる。
卒業してからも変わらぬ関係性でいてくれる師匠の温かさは
沖縄の気候とは違う温もりで、その温もりを求めていくようになった。
ある時から自分にとっての沖縄は南国的な温かさではなく、
実家に帰るような安心した温かさに変わっていった。

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