それはきっと、ヌクマムの香り
タンソンニャット空港に降りると、小学生の頃の給食の匂いがした。2023年、仕事の業務のためにベトナム、ホーチミンを行ったり来たりしている。
IT大国、ベトナム
東南アジア。路上に座っている人達はみんなスマホを見ている。ほんっとうにスマホをずっと見ている。むしろスマホが出てくる前までは何を見ていたのだろうかっていうくらいにスマホを見ている。
国総出でITに力を入れているベトナム。街中の小さな食堂でもfree wifiの表示が必ずある。戦後の日本が工業技術に力を入れたように、ベトナムはITの開発で世界市場で存在感を出そうとしているのだ。
私はデザイナーとしてベトナムのエンジニアと仕事をするために訪越したのだが、1デザイナー vs 20エンジニア、結構過酷になるだろうなと覚悟はある程度はしてきてはいた。
で、案の定まぁまぁな塩梅にはなってきているのではあるが、ここは2023年7月、現在進行中であるので詳しくは割愛。
コミュニケーションは先方が日本語が達者ということもあり(超エリートなのだ)、慣れると日本人と話しているのと変わらない感覚である。
「変わらない感覚」とは、何か。
この真意、たとえば一つの出来事に対して日本人とほぼ同じリアクションをするところが「変わらないな」という感想を持った。たとえばジョークに対しての笑い方というか捉え方なんかが同じ感覚なのである。
でもこれってベトナムの国民性のなのか、SNSで世界中の垣根が曖昧になってきたせいなのかはまだよくわからない。
アドバンテージは、もう無い
いやらしい話し、日本の方が優位みたいな感覚ははっきり言ってもう無い。それはもう訪越前から感じていて、わかっていた。今までの歴史からどうしてもそのような視点はあるのだが、アドバンテージはもう無いどころか、ITという分野での常識では日本は追い越されている。ベトナム人が日本に来ると「街中にwifiが無い」と激しく不便に思うと聞いた。統計的にもアプリの操作などに抵抗感が少ないようである。
そして経済面、カルチャー面は韓国の追随が激しく、K-POPの人気はアジアのスタンダードである(いやもう世界か)。
日本人街とされたレタントンというエリアも、現地の若い人にとっては今や「日韓のエリア」とされていたり、市場ではアニョハセヨと挨拶されたりする。
ただ、他のアジア圏に比べてビジネスパートナーとしての信頼感はまだ強いとのこと。この価値がいったいいつまで続くのか、それは現役世代の私たちにかかっているのだなと思った。