見出し画像

「なぜ」は、相手の心を動かす強いバネを持った言葉とロジックを生みだす

夢を話すとき、自分の心にある「なぜその夢なのか」という背景を常に強く意識しておくことは本当に大事です。
なぜなら、それは夢を語るための大きな力になるからです。
誰にでも、自分のやりたいことの背景には自分の事情があります。だから、その夢を思い描き、実現したいと思っているのです。

なぜその夢なのかという背景をいつも意識しているほど、自分の夢を自信を持って話すことができます。
「こういう状況が実現するといいと思っています」と人に話すときは、その裏に「私は何がやりたいのか」「なぜそれをやりたいのか」ということが隠されています。
そこと、しっかり結びついた話ができれば、やる気と必死さがストレートに伝わり、聞いてくれる相手は迫力を感じます。

プレゼンをしていると、相手が、身を乗り出してくる瞬間があります。突然、目を輝かす瞬間があります。
相手の興味が高まってくれば、「あなたはなぜ、それがやりたいんですか?」と聞かずにいられないときがかならずやってきます。
自分の背景は、いつかどこかで語られなくてはいけません。
しかし、話しはじめるべき、いちばん効果的な瞬間というのがあるのです。
そのときを逃さず、「(なぜかといいますと)じつは、・・・」と自分が持っている背景を話しはじめるのが、もっとも効果的に伝わる方法です。

事前に組み立てたプレゼンの構成とは違ってしまっても、できるだけ相手が聞きたいときに聞きたいことを話してあげた方が効き目があります。
グッド・コミュニケーションとはそういうものです。
相手が「なぜそれをやりたいのか」を聴きたくなる瞬間は、突然やってきます。
背景について、いつでも熱く魅力的でしかもロジカルに話してやろうと自分の意識をはじめから高めておくことは、その瞬間にパッと動けるようにするための基本です。

「なぜ」は自分を表現するとき、企画をプレゼンするとき、強いバネを持った言葉とロジックをつくりだします。
「なぜ」がしっかりしていれば、まず自分自身が自信を持って堂々と熱く迫力を持って相手に話すことができます。
相手も、背景にある、思いや事情が、物語とともに見えてくるとき、無理なく自然に納得できます。
ときには、直観的にこれだと確信でき、「理由なんかありません。私の目を見てください」という場面もあると思います。
じっさい、それで心が伝わり、相手が納得してくれることはあります。
強い信念を持った人は、それだけで説得力があります。
言葉やロジックになるまえに、自分の直観が自分の内面に変化を起こさせ、意識を高揚させ行動に駆り立て、それが相手のこころに響くから、論理的に飛躍していても直観と直観で通じてしまうのです。

しかし、言葉になっていなくても直観が働いた理由はかならずあります。
そのときは整理できなくとも、時間がたてば「ああ、そういうことか」とわかるときがきます。

直観の裏にあった「なぜ」をロジカルに表現できるようになれば、かならず説得力のあるプレゼンができるようになります。
それは、直観だけでは信じられないという相手に、信じられる理由を提供することになり、いっぽう、すでに直観と直観で響きあえた相手には、相手が「何となくそうではないかと感じていたが、その理由は説明できなかったこと」を論理的に整理して見せ、すっきりと納得させてあげることに結びつくからです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?