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自分にわからない力が働いている、と感じたときに取るべき行動

プレゼンで敗退してしまったときに、いつでもすぐに「そうですか、わかりました」と引き下がる必要はありません。何も確認しようとしない姿勢が、かえって相手の不信を買う可能性もあります。
しかし、ほんとうの理由がどうしてもわからず納得しきれなくても、無理せず引き下がるべきときがあります。

客観的に見て、相手が採用してくれておかしくないプレゼンが通らない理由は幾つかあります。
相手が内容をイメージできない。予算が合わない。こちらと相性が悪い。競合がこちらよりいい条件を提示している。
こういった理由なら、決定できない理由を聞き出せれば対策が立てられる可能性は十分にありますし、事前に確認できればプレゼンは違ったものになるはずです。
しかし、なかなかプレゼンまでには表に見えてこない事情が、相手の側にある場合もあります。ときには、プレゼンにゴーサインを出したくても、その後、企画を進めてはいけない内部的な理由を抱えている場合もあります。

企画が通ればプロジェクトメンバーを集めなくてはいけないが、メンバーを集められない事情があり、いまそれを外部に漏らすわけにはいかない。
事務局サイドは積極的だが、現場の抵抗が強く、プロジェクトをスタートしてから挫折することは絶対に避けたいとトップが臆病になっているが、それを悟られたくはない。
じつは、肝心の担当者は現在、真剣に転職活動中。
資金繰りが悪化しており銀行の融資が受けられるかどうかの瀬戸際になっている。
プロジェクトリーダーをすべき重要メンバーが、向こう三ヶ月は家庭の事情でどうしても水曜から金曜は残業できない。

企業を相手にプレゼンする場合は、なかなかこういう事情を話してくれないことも多く、無理やり事情を聞き出そうとすると、人間関係がおかしくなるということもありえます。
企業に限らず、誰にでも、いまは言えない事情というのがあるものです。相手の言いたくないことを聞き出すには、それまでにつくってきた信頼関係がものをいいます。
信頼関係が十分でないうちは、おかしいと思ったときに、無理に聞き出そうと粘ること自体が信頼関係を壊す理由にもなります。
何かあるなと感じても、それを知ることでお互いが幸せにならないことは少なくないのです。

自分にはわからない大きな力が働いていることがわかったとき、頭を切り替えて次に賭けるような大事なネタが自分にあるとき、相性の悪さやタイミングの悪さを直感したとき。
こういうときは、「いったん保留」という感覚でもいいから、割り切って引き下がることです。

うまくいかないのは自分のせいではない。相手も悪気があってのことではない。いまは別のことに向かって進むことが最も素晴らしい未来につながることなのだという神の意向が働いているのだ。

論理的に説明できなくとも、何か、自分でコントロールできない大きな流れにあえて逆らわないでおこうと考えることは悪いことではありません。
そうすることで、ほんとうに次がひらけてくるのです。
それは、頭と気持ちを切り替え、早く次のことに向かって自分のエネルギーを集中させ、楽観的になり、長い目で成功を信じて新しい一歩を踏み出せるからにほかなりません。


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