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【NOVEL】

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短編小説を掲載しています。主にミステリー小説になります。
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#ミステリー小説部門

【NOVEL】ある男の人生 第1話

 それは、大国に独善的な男が大統領になった頃の話である。人種差別的観念は、主張するに分か…

Naohiko
2週間前
41

【NOVEL】ある男の人生 第2話

 男は善良な気質だったが、役職が変わり、部下を従えるようになってくると、徐々に態度も変化…

Naohiko
2週間前
13

【NOVEL】ある男の人生 第3話

 後日、男は友人のもとへ車をとばした。道中、彼は友人の言った台詞を思い出しながら、自分ら…

Naohiko
2週間前
8

【NOVEL】ある男の人生 第4話

 男は生活を一変すべく、郊外に新居を構え、身の丈に合った生き方を目指した。会社での高圧的…

Naohiko
2週間前
5

【NOVEL】ある男の人生 第5話

 フランスのある劇作家は「理屈をこねると理性を追放する」と言った。男が、こんなにも誇って…

Naohiko
2週間前
6

【NOVEL】ある男の人生 第6話

 ある日のことである。男の家に例の旧友から結婚式の招待状が届いた。男は彼を懐かしく思い、…

Naohiko
2週間前
5

【NOVEL】ある男の人生 第7話

 男が抱える問題は、人間が幸福になるような生活様式に意味があった。このような生活に終始しているうちに、彼の生活の今後をほとんど変えるほどの事件が惹き起った。  平日のことである。男は、普段と変わらぬ朝を迎え、出社した。ところが、会議をしていた最中、胸に強い痛みを感じたのである。経験したことの無い感覚だったが、忍耐強い性格だったので、少し横になれば楽になると思っていた。が、その痛みはやがて背中に渡り、遂には呼吸することも危うくなっていった。側にいた同僚は、彼の異変に気付き、車で

【NOVEL】ある男の人生 第8話

 男を困惑させるものは、それだけではなかった。仕事に復帰すると、会社の雰囲気が一変してい…

Naohiko
2週間前
3

【NOVEL】ある男の人生 第9話

 男が駅で待ち合わせしていると、小さな子供が駆け込んできて「おじさん」と言って身を寄せた…

Naohiko
2週間前
5

【NOVEL】ある男の人生 第10話(最終話)

 男は、自社の軌道を操るまでの役職に成り得た存在だったが、自ら拒否した。他薦において男の…

Naohiko
2週間前
8

【NOVEL】体躯の日 第12話(最終話)

 玄関の扉をノックする音が聞こえて来た。当初、俺はこの朝のドタバタが終わるものだと、てっ…

Naohiko
1か月前
41

【NOVEL】体躯の日 第11話

 うん、少し遊び過ぎたな。面接の時間もいよいよ迫ってきているはずだ。なに、これから起こる…

Naohiko
1か月前
15

【NOVEL】体躯の日 第10話

 心外な疑いを掛けられて気に入らないのか、身体は低い声で俺に聞き返した。これこそが、考え…

Naohiko
1か月前
5

【NOVEL】体躯の日 第9話

 あれこれを踏まえて欲しいと、俺は奴に言い開くのである。奴は、うんうんと聞いているのだったが、肘掛に腕をだらしなく乗せると、右手の人差し指を意味も無くとんとんとさせ調子を取り始めた。腕時計のガラスと裏蓋をさすり始める。手元の落ち着きが無くなるのは、飽き飽きしている証拠である。日頃、物事が思うようにならないでいると、このように目に映ってしまう不快な仕草は、俺が客観とも呼べる目を徐々に持ち始めているからであろう。そうだ、こいつは俺なのだ。自己中心性の高い人間なのだ。自分のタイムス