子供たちをよろしく

2020鑑賞感想032 子どもたちをよろしく

ジャンル:映画
作品名:『子どもたちをよろしく』
監督・脚本:隅田 靖
キャスト:鎌滝えり 杉田雷麟 椿三期 川瀬陽太 村上淳 有森也実 金丸竜也 大宮千莉 武田勝斗 斉藤陽一郎 山田キヌヲ ぎぃ子 速水今日子 林家たこ蔵 外波山文明 他
場所:渋谷ユーロスペース
鑑賞日:2020/02/29(土) 12:15-
あらすじ
東京にほど近い北関東のとある街。デリヘルで働く優樹菜(鎌滝えり)は、実の母親・妙子(有森也実)と義父・辰郎(村上淳)そして、辰郎の連れ子・稔(杉田雷麟)の四人家族。辰郎は酒に酔うと、妙子と稔には暴力、血の繋がらない優樹菜には性暴力を繰り返した。母の妙子は、まったくなす術なく、見てみぬふり。義弟の稔は、父と母に不満を感じながら優樹菜に淡い想いを抱いていた。優樹菜が働くデリヘル「ラブラブ48」で運転手をする貞夫(川瀬陽太)は、妻に逃げられ重度のギャンブル依存症。一人息子・洋一(椿三期)をほったらかし帰宅するのはいつも深夜。洋一は暗く狭い部屋の中、帰ることのない母を待ち続けていた。稔と洋一は、同じ学校に通う中学二年生。もとは仲の良い二人だったが、洋一は稔たちのグループからいじめの標的にされていた。ある日、稔は家の中で、デリヘルの名刺を拾う。姉の仕事に疑問を抱いた稔は、自分も洋一と同じ、いじめられる側になってしまうのではないかと、一人怯えるようになる。
稔と洋一、そして優樹菜。家族ナシ。友だちナシ。家ナシ。
居場所をなくした彼らがとった行動とは――

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感想

あっちゃいけないことなんだけど、実際に起きている話。物語だけど、物語じゃなくて、でも物語だった。

出てきた大人が全員クズだった。し。でも子どもたちも子どもたちで歪んでいた。少し大げさに書いているようにも思えたけどこれ、実際にあるんだぞっていうのを強調するためにあえてやっていると考えると納得がいった。

感想が難しい映画だった。なんか、簡単に語っちゃいけない映画な気がした。でも語らなきゃいけない映画だったし、観るべき映画だと思った。

登場していた大人と子供。僕はその間の年齢だったからか、どっちの気持ちもわかった。気がした。

いじめって…いじめって…。

もう1回観よう。これはもう1回観るべきだ。最後の終わり方を観て、僕はそう思った。

救われなかった物語。救えなかった物語。舞台挨拶で「みんなが画面の中にいたらどうするだろうと思うとそれでハッピーエンド」と言っていた。これ、救っていいのだろうか。救わなきゃいけないと思うが、救えるのか。僕は巣食われた。掬ってほしいと思えたけど。こうやって書くことによって、掬うことはできたが。ダメだ、ただの言葉遊びになってしまっている。そんな遊びを入れちゃいけない作品だ、これは。

一言で言うと、しんどかった。いや、悪い意味じゃなくて。でも現実に起こってるんだよなあ。ちゃんとフィクションに起こせている部分が見当たるから、少しは救いようあった気もするけども。目を背けちゃいけないことなんだろうなあ。

タイトルの「子供たちをよろしく」の意味が結局分からなかった。読解力不足?

役者の演技の話にしよう。(内容にも踏み込むけど)

推しの1人の杉田雷麟くん。やはり彼の演技素晴らしかった。
久々に彼を大画面で観て分かったことは、彼「も」目の演技が素晴らしいということ。

雷麟くん演じる稔と陽一はある種対称だけど、でも紙一重な存在であるといったキャラだった。その危うい感じの芝居がとても自然に表現できており、素晴らしかった。陽一を演じた椿三期くんも、この作品が初の映画出演だそうで。そうとは見えないくらいにうまかった。そして椿三期くん、横顔が素晴らしい。

少しネタバレなのだが、二人が叫ぶシーンがある。ここも対称な理由なのだが、結局は同じ意味であって、その感情からの叫びは魅力がたっぷりだった。最後の稔が、最後の稔の感情がわからなかった…。あれはどういう感情で言っていたんだ…?それも含めて改めて観たいと思った。

パンフレットがあったので、買った。(雷麟くんのサインがもらえるかもしれないと思ったのもある)

後ろに、シナリオが掲載されていた。上記で書いた部分を改めて観たのだが、それでもまだ分からなかった。

友人が芝居をやる時に「救われない物語を、救ってください」という前説をするのだが、この作品にもこの言葉を使いたくなってみたなあ。

舞台挨拶の話。

舞台挨拶の雷麟くんがほぼ目の前でテンションあがった。可愛かったし、カッコよかった。

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終わったあとにご挨拶をしたのとサインをもらった。サインが変わっていたので「変わりました?」と聞くと『教誨師』でもらった時とは変わったらしく、苗字がついたようで。あの時のサインはレアらしいです笑

引き続き杉田雷麟くんを応援したいと思います。

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