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観光と教育

観光とはなんでしょうか?
これは「正直観光案内(宮田珠己著・幻冬社)」の書き出しの一文です。
さて、観光とは何か?自分なりに考えてみました。
・・・・・・非日常を楽しむこと?新しい発見をすること?伝統文化に触れること?
・・・・・・面白くないですね。
宮田さんはこの書籍の中で以下のように語っています。

【観光の真髄は、すごいもの、奇妙なものを見ることだと私は考えています。日々の生活ではお目にかかれないすごいものを見にいくこと。それによって今までの自分の価値観に揺さぶりをかけ、わずかでも自分に生まれ変わって帰ってくるわけです。

正直観光案内, 宮田珠己著, 幻冬社

なるほど、と腑に落ちた表現でした。
この書き出しに惹かれ読み進めていくと、観光を楽しむことと人を育てることにはとある共通点があるように感じました。
それは、「その人(土地)の良さを見つけること」です。
例えば、私が過ごす埼玉県。
多くの時間を埼玉で過ごしていますが・・・・・・、埼玉の観光地って?と思っていました。確かに、秩父や川越など観光地として思い浮かぶ土地はあります。しかし、そういった場は関東近郊の人たちの話でした。関東以外の人たちに話しても「どこそこ?」と言われてしまう始末。
なぜ、そう思われてしまうのか?
それは埼玉が関東平野にあるからであると書いてありました。
他の地域と比べて山が少なく、間近に山の見えない空虚さ味気なさがあるようです。山がないので、風景に変化が生まれず峡谷がないので滝できない。できてせいぜい湿地か沼である。
確かに言われて見ればその通り。
では埼玉の魅力は何か?
例えば、首都圏外郭放水路などがこの本では挙げられていました。
地下に作られて巨大な洪水調整池です。広い空間に太いコンクリートの柱が林立する光景が地下神殿と称されており、関東屈指の見どころとして注目度が急上昇しています。
他にも熊谷にある国宝・妻沼山歓喜院聖天堂の緻密な彫刻であったり、日本でも数少ない鉄道博物館などがあります。
関東平野というハンディがあっても、大きい穴を掘ったり、緻密な彫刻が国宝に指定してもらっていたりと、探せば素敵なところが見つけられるものです。
これは人でも同じことですよね。
どんな子どもにもその子の良さが必ずある。
その良さを見つけることが教師の役割である。
この本を読んでそんなことを感じた次第です。

(今日の一枚)

ジャーマンカモミールとネモフィラ

昭和記念公園で撮影したジャーマンカモミールとネモフィラ。
どちらも私の好きな花です。

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