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失敗しない肉体改造のための筋トレ (BIG3編)

スクワット

ベンチプレス

デッドリフト

筋トレ界の原点にして頂点。

神が人類に授けてくれた最強の筋トレ種目BIG3

みなさんはやっていますか?

もちろん、老若男女年齢を問わずこの記事を読んでいる全ての方がBIG3は当たり前のように週4でやられていると思いますが

ここで改めてこの3つの種目について説明していきたいと思います。

BIG3について

まず簡単になぜBIG3が重要なのかを解説しましょう。

ズバリ!手っ取り早いからでしょう。

誰もが筋トレを始める時は、目的を持って筋ト始めます。

腹筋が割れている、かっこいい体になりたい!

ゴルフの飛距離を伸ばしたい!

将来、寝たきりにならないように今のうちに貯筋しておこう!

などなどです。

(ここだけの話ですが、筋トレ初心者の方が上級者より明確な目標を持って筋トレをしている場合が多いですw

ジムに毎日いるようなとんでもないマッチョ達は意外と目標とかありません。

彼らはベンチプレス100kgとかの初期に立てた目標をとうの昔に達成してしまい、便宜上140kgなどの目標を掲げていますが、基本的には「これ以上筋トレをやって自分は何になりたいのか?」が自分でもわからないまま、ゾンビのようにただバーベルを上げ下げする筋トレBot となっています。

だから、そんなマッチョに「何、目指してるの?」なんて野暮な事は絶対に聞かないようにしましょう。)

さて、少し話が逸れてしまいましたが、、

それらの目標を達成するためには必ず全身を満遍なく鍛える必要性が出てきます。

筋トレ界では全面性の原則なんて言われていますが
腕だけ鍛えるだったり
腹筋だけ鍛えるというのはあまり賢い筋トレとは言えません。

そもそも、ある筋肉を局所的に鍛えたいという目標を持っている人も少ないと思いますし

筋トレの動作を正確かつ安全に行うためには、他の関係なさそうな筋肉も鍛えたい部位と同レベルである必要があります。

下半身の筋肉で土台を固めたり、体幹を安定させたりすることが、きちんとできるようになって初めて鍛えたい部位に効果的に刺激を与えられるようになるのです。

つまり、全身を満遍なく鍛える事は全ての筋肉のボトムアップ作業として不可欠と言えるでしょう。

そしてそのためのBIG3です!

BIG3を行えば全身が鍛えられます。しかも高いレベルで!

ざっくり言うと

スクワットで下半身

ベンチプレスで上半身の表側

デッドリフトで背面側全域

と言った感じです。(さらに懸垂なんかも行えればもう完璧です!)

さらにはこれらの種目は体幹を固めるためお腹に力を入れる(腹圧)をかけなければなりません。

それによって腹筋も鍛えられます。

さあ、たった3種目で全身の筋肉を網羅できるBIG3をやらないなんて選択肢はありませんね!

今すぐにジムに行き、BIG3をやりたい気持ちはわかりますが少し待ってください!

これらのコンパウンド種目は適切なフォームを習得しないと、効果的ではありませんし、何より危険です。

つまり、今すぐダッシュでバーベルに会いに行く前に一度インテリマッチョとなり座学でこのBIG3について学んで欲しいのです。

そして、ちょうど良いことに、こ記事ではBIG3のやり方や注意点について解説していきます。

早る気持ちを抑えて、BIG3について勉強していきましょう!

スクワット

キングオブトレーニング。

紛れもなく最強のトレーニング種目スクワットからまずは説明していきましょう。

しかしスクワットと言ってもいろんな種類があります。

ここではバックスクワット!それもローバーを解説していきたいと思います。

ローバーとはバーベルを担ぐ位置が比較的低いスクワットのことを言います。

その逆はハイバースクワッとです。

しかし、もっと大切な事は根本的にローバーとハイバーではフォームが異なるという事です。

ローバースクワットでは膝関節の角度が比較的大きくなり、その代わり股関節のの角度が小さくなります。

体をより前傾させて膝を前にださないフォームを取るようになると言う事です。

逆にハイバースクワットでは体の前傾は小さく、膝関節の角度が小さくなり、股関節の角度は大きくなります。


このローバースクワットをすることで股関節の伸展動作を主としたヒップドライブという動作に必要な筋肉を効率的に鍛えることができます。

このヒップドライブに動員される、大臀筋、ハムストリング、内転筋群は跳ねる押す、引くといった多くの動作に重要となってくる筋肉でありとあらゆるスポーツで重要となってきます。

他のスクワットであるハイバースクワットやフロントスクワットでもこれらの筋群は鍛えられますが、ヒップドライブを最も鍛えられるスクワットはローバースクワットであり、多くの人にとって最重量を扱えるスクワットもローバーでしょう。(中にはハイバーで伸張反射を上手く使い、ローバー以上の高重量を扱う怪物もいますが、多分この記事を読んでいる多くの方はローバーのが重量を上げられます。)

さてこのローバースクワットですが何もバーベルを低く事が目的ではなく

ヒップドライブを適切に使い高重量を扱うためには、バーベルを低く担がざるを得ないというのがポイントです。

スクワットの基本

上記の画像にもある通り、ローバーとハイバーの一番の違いは膝関節と股関節の角度、つまりフォームです。

そして、バーベルをを担ぐ位置は、それぞれのフォームでバランスが取りやすい位置にバーベルを担いでいるに過ぎないのです。

このバランスが取りやすい位置というのがミッドフット(足の真ん中)の真上なのです。

上の棒人間の図でもわかるように、ミッドフットの真上にローバースクワットのフォームでバーベルを担ぐとバーベルは下の方に担がざるを得なくなります。

もし、ローバースクワットのフォームでバーベルを高い位置に担ぐと

このように青のシャフトがミッドフットの真上からずれてしまいます。

そうなってくるとモーメントアームが大きくなり矢印の方向に余分な力が働いてしまいます。

このモーメントアームとは簡単に言えば支点(スクワットであればミッドフット)とバーベル間における、水平方向の位置のズレのことを言います。

まあ図の通りです。力学においてこのモーメントアームが大きくなればなるほど支えるために大きな力が必要となります。

上記の図の通りなのですが、物干し竿のようなものを地面に立てて支える時を例にして考えてみると、

物干し竿が垂直になっていれば手を添える程度の弱い力で支えることが可能でしょう。

しかし、物干し竿が地面に対して傾き始めると強く力をかけて支える必要が出てくるでしょう。

そしてその傾きが大きければ大きいほど支える力も必要となってくるはずです。

つまりスクワットにおいてミッドフットの上に対してバーベルがずれている時は必ず余分な力が働いているということになります。

これでは効率的とは言えませんし、最悪の場合、大きな怪我や転倒にもつながります。

全てのバーベル種目では、このモーメントアームを小さくすることが重要となってきます。

そのため、スクワットのバーを担ぐ位置は最初に決めるものではなく、

スクワットの種類とフォーム、自分の骨格的特徴などを踏まえた上で、バーベルが常にミッドフットの真上にくる位置にバーベルを担ぐということが重要です、

それゆえ人によって細かく位置の調整も必要となってきます。

とは言っても多くの人は同じような位置に落ち着きます。

ローバースクワットなら肩甲骨の肩甲棘(肩甲骨のほぼ一番上にあるでっぱり)
の下にシャフトがくるように担ぐことになると思います。

また、バーベルの軌道はこのアプリで確認できます。

さて、そしたらもう少し具体的にスクワットについて説明していきましょう。

スタンス・フォーム・グリップ

まずはスタンスからです。

踵を肩幅に開いて、足を30°くらい開いて下さい。

多くの人にとって、これがスクワットのスタンスの目安となるでしょう。

もちろん人によって細かい調整は必要です。

そしてそのスタンスを取ったら、手のひらを体の前で合わせ

腰を沈め、両肘を膝の内側にくっつけ、肘で膝を外側に 押し出すようにして下さい。

おっと、ここでご本人登場ですねww

あんまり、マッチョじゃないという事実には触れないで下さいw

着痩せするタイプなんです!!!

(まあ、脱いでもそんななんですけどね。ここだけの話)

そして話を戻すと、多くの人にとってこれがスクワットのしゃがみ切った状態となります。

横から見ると、この体勢を取ることで背中も真っ直ぐ伸び

大腿部が平行より傾き、股関節が膝関節より下にくるフルスクワットとなることが確認できると思います。

しかし、あくまで目安なので自分でしゃがみやすいスタンスを探すのがベストだと思います。

しゃがみやすいというのはつま先、踵が浮いてこないだったり、インピンジメントが起こらないということです。

インピンジメントとは骨と骨がぶつかりそれ以上曲がらなくなる状態です。

フルスワットで深くしゃがめない原因は多くの場合、膝が閉じてしまっていてインピンジメントを起こしてしまっているからです。

膝をどの程度開けばインピンジメントも無く、深くしゃがみやすいかを細かく調整しスタンスを決めるようにしましょう。

この際、膝と同じ方向につま先が向くようににスタンスを決めるということです。

そしてスタンスが決まったら、次はバーベルの担ぎ方です。

担ぐ位置は前述した通り、自分のフルスクワットのフォームから決めれば良いでしょう。

そしてバーベルの具体的な担ぎ方なのですが、

担ぐ高さが決まったら、手幅は柔軟性の許す範囲でなるべく狭く持てば良いと思います。

バーベルの持ち方にはサムアラウンドサムレスの2つのパターンがあります。

親指を巻き込むのがサムアラウンドで

親指を巻き込まないのがサムレスとなります。

バーベルトレーニングではバーベルを落とす可能性が高くなるサムレスグリップはほどんど用いません。

しかしスクワットの場合はサムレスグリップでも大丈夫です。

むしろ、サムレスグリップの方が手首を立てやすく、手首を痛めにくく良いとも言えます。

しかし、だからといってスクワットでサムアラウンドはダメかというとそうでもない気がします。

強いパワーリフターの中にはサムアラウンドの方がバーベルを握り込む力を入れやすいと言う方もいます。

正直、グリップに関してはどっちが良いとかない気がしてます。

人によるって感じです。

あとはリストラップは使うようにしましょう。

スクワット、特にローバースクワットは実は手首を痛めやすいです。

リストラップはなるべくするのがベターと言えるでしょう。

初心者なら、シークが割と定番で良いと思います。

ベンチプレスでも使えますし、持っておいて損はないでしょう。

そしてこのスリングショットのギャングスタラップはマジでおすすめです。

少し値は張りますが、その価値は十分にあります。

スクワットのラックアップ

次にスクワットのラックアップですが

このラックアップが実は怪我のしやすいポイントでもあります。

注意して安全に行うようにしましょう。

まずはバーベルをセットする高さですが

ズバリ、低めに設定してください。

確かに、高めの方がラックアップに使う力は小さくできます。

しかし、スクワットをしていると無意識のうちにシャフトの位置が下がってきたりします。(特にローバースクワットでは)

そして、そのままの状態でラックにバーベルを戻そうとしてもラックが高いとバーベルが届かなくなる可能性が出てくるのです。

もう、絶望ですよね。

そのままセーフティーに潰れるしか選択肢がなくなってしまうのです。

そうならない為にもラックは少し低い目に設定しておくべきでしょう。

そしてラックアップのやり方ですが、

ミッドフットがシャフトの真下にくる位置に立ち持ち上げるだけです。

そして後ろに2歩下がりながら自分のスタンスをとるのですが、この際に膝と股関節にほんの少しだけゆとり(1°くらい曲げておく意識)を持っておきましょう。

完全に関節が伸び切った状態でバランスを崩すと大怪我につながります。

少しだけ関節にゆとりを持しておいてバランスの微調整ができるようにしておくと良いと思います。

スクワットの意識

さて、スタンスを決め、バーベルを担いだのなら後のやる事は簡単です。

視線は1.2〜1.5m先を見るようにして

しゃがんで、立ち上がる

それだけです。

スクワットのポイントは私の中では4つだけです。

背中はまっすぐ
シャフトは常にミッドフットの真上
太ももとつま先が同じ向きを向いている
深くしゃがめている

まず背中をまっすぐにするため腹圧を高めて体感を固定します。

この腹圧の高め方なのですが、「ホ」の口で息を吸いお腹に空気を入れて下さい。

あとは息を止めてお腹に力を入れるようにすれば腹圧が高まり体感が固定されます。

そしてスクワット中が基本的に息を止めておいて良いしょう。

しゃがむと同時に水に潜るような感覚です。

またパワーベルトを着用すると腹圧が高めやすくなります。

パワーベルトは最初からガチなもの使うのを僕はお勧めします。

有名どころではSBDですね断トツで

ちなみに僕はインザーのベルトを着用しています。

理由は簡単、デザインが好きだからです。

しかし、特にこだわりがないのなら、SBDが無難でしょう。

さて腹圧を高めたら、あとは深くしゃがむだけです。

そしてしゃがみきったらヒップドライブを使って立ち上がります。

その際に天井からぶら下がっている鎖がお尻と繋がっていて。尻が真上に引っ張られているような感覚を持つとうまく立ち上がれます。

この際に股関節と膝が連動して同時に伸びていくことが重要です。

膝だけ先に伸びていき、後から股関節が伸びていくグッドモーニングにならないように注意しましょう。

そして多くの場合、膝は内側に閉じようとしてくるため、外側に開くことを意識的に行った方が良いかもしれません。

以上でスクワットの解説は終わりにしたいと思います。

ベンチプレス

次にベンチプレスです。

ジムで一番人気種目No. 1と言っても過言ではないでしょう。

まあ、筋肉といえば胸筋みたいなとこともありますしね。

みんな、おっぱいが大好きという事です。

さて、そんな大胸筋を鍛えられるベンチプレスはカッコ良い身体

特に上半身を鍛える最重要種目とも言えるでしょう。

動員する筋肉は大胸筋、三角筋、上腕三頭筋がメインとなりますが

他にも大腿四頭筋や広背筋、ローテーターカフと言われる、肩関節の細かい筋肉まで本当に多くの筋肉を使うのがバーベルを扱うコンパウンド種目であるベンチプレスです。

そりゃーみんな、こぞってやりますよね

しかし、このベンチプレス

実は非常に難しい種目です。

多くの人がやるからこそ。今一度基本を確認しておきましょう。

ベンチプレスの基本

まず第一にベンチプレスは当たり前ですがベンチに寝て行う動作です。

つまりベンチプレスでは背中が体を支える支点となり得ます。

そう言っても寝心地の良いマットレスのように背中で体重を分散させるわけではなく、むしろその逆で背中の中でも肩甲骨に重心が掛かるようにブリッチを組んで行います。

このブチッチに関してはベンチプレスの中でもトップクラスに大切なので、後ほど詳しく解説します。

そして、一番の重心となるバーベルの真下に支点である肩甲骨が来るようにするのがスタートポジションの基本です。

そして、バーベルを下げていくのですが、ベンチプレスでは真下にバーベルを下げる事はできません。

これは骨格的な問題なのでどうしようもありません。

試しに腕を90度開いて(水平外転)させた状態で肘を真後ろに引こうとしてみて下さい。とてもバーベルが身体に付く位置まで腕を引けないことがわかると思います。

そのため腕の開く角度を75°くらいにする必要があります。

そして胸を張れば十分な位置までバーベルが下がるはずです。

こうすると、自動的に乳首からみぞおちの間くらいにバーベルをつけることになります。

つまりボトムポジションで肩甲骨の支点ととバーベルとでモーメントアームが生まれてしまうのです。

しかし、こればかりは骨格的な問題なので仕方がありません。

それよりもここで大切なのは前腕が垂直になっている事です。

ベンチプレスでは肘を支点としたモーメントアームが0になるポジションが正しいボトムとなるのです。

そして、また元の位置まで押し上げます。

これがベンチプレスの基本です。

ここからは、初めからもう少し詳しく説明していきましょう。

手幅と姿勢

さてベンチプレスの手幅ですが、基本的にはボトムで前腕が垂直になる手幅でやるのが良いでしょう。

なんか、あんま上手く描けなくてすみませんw

しかし、強いパワーリフターの中には手幅を最大限(具体的にはパワーリフティングのルールの範囲で)に広げる選手が多いです。

これはバーベルを動かす範囲を少しでも小さくする戦略なのですが、個人的には初心者の場合はオーソドックスな手幅でトレーニングを行うのが良いと思います。

そして姿勢なのですが、重要なのは肩甲骨です。

一言で言います。

肩甲骨は下制させてください。

よく、肩甲骨を寄せるというアドバイスもありますが、基本的には寄せる意識はあまり持たなくて良いと思います。

あえて言うなら、バーベルの重さで自然に寄る、

そのくらいのイメージで大丈夫です。

しかし、バーベルを持ち上げる際に肩を前に押し出すような動きは肩関節の怪我に繋がる可能性があるので、肩が前に出てしまうようなら寄せることを強く意識しましょう。

しかし、下制は誰もが意識的に行うべきでしょう。

下制とは下に下げる事です。

肩甲骨の下制は広背筋によって行われます。

この下制を意識的に行うことによってブリッチが安定し、肩のインピンジメントを起こすこともなく、肩を痛めるのを予防できます。

ブリッチ

そして、このブリッチですが、胸を前に押し出すように具体的には胸と顎がつくぐらいの意識で、背骨の上の方を折り曲げるようにブリッチを組無のが良いと思います。

このブリッチが高くなればなるほど、ベンチプレスの重量は大きくなります。

それは単純に筋肉の構造上体の斜め下にバーベルを押し出す方が強い力を発揮できるということと、高いブリッチを組むことでバーベルの動かす範囲が小さくなる事という2つの理由があります。

しかし、お尻を上げてブリッチを高くするのは基本的にNGです。

これは筋トレ界では「けつあげ」と呼ばれ重罪です。

ジムで見つかれば、下手したら懲役が付きます。

多くのトレーニーにとってはけつあげをしてしまうと、狙いたい筋肉への負荷が逃げてしまい大胸筋を鍛える為に効果的なベンチプレスでなくなってしまします。

そもそも、パワーリフティングのルールでもお尻はベンチについていなくては失格となります。

つまりけつあげベンチはベンチプレスですらないのです。

しかし、けつあげベンチプレスにも有効が面があります。

それはレッグドライブ(レッグドライブとは簡単に言うと脚の力を使うことです。)の感覚を掴む練習にはなるという事です。

しかし、多くの初心者にとって、けつあげベンチは必要ないので捕まりたくなかったらしないでください。

ですがけつを付けている範囲では目一杯高くブリッチを組めば良いと僕は考えます。

そもそも、ほどんどの初心者は目一杯ブリッチを組んでもそんなに高くなりません。
やってみればわかると思いますが、背中の間にピンポン球が一個入るくらいしかブリッチってくめないと思います。

そもそもブリッチを組む理由はブリッチを組んだほうが肩甲骨を下制しやすいからと、モーメントアームを小さくできるからです。

やってみればわかると思いますが肩甲骨を下に下げようとすると自然に胸を張り、ブリッチを組む形になりませんか?

逆に背中をベタ付けして肩甲骨を下制させようとしても上手く力がかからないのがわかると思います。

上のイラストはブリッチを組まないベンチプレスのイラストですが肩甲骨の下制も難しく、モーメントアームも大きくなりやすいです。

しかし、ブリッチを組む事で

上記の画像のようにモーメントアームは短くなり、肩甲骨も適切に下制できるようになります。

こうすることで怪我の予防にもなるのです。

しかし。上記のイラストからもわかるようにブリッチを組むとバーベルの可動域が小さくなり負荷が弱くなる問題は確かにあります。

しかし、この問題は個人的には中級者になってからベンチプレスのバリエーション種目で解決すれば良いと思っています。

ですので初心者のうちは

ケツを付けているベンチプレスで重量を追い求める

これに尽きると思います。

ラックアップ

ベンチプレスのラックアップですが、ベンチ台なのかパワーラックなのかといった器具にもよりますが、自分の目から顎の間の真上くらいにシャフトが来る位置からラックアップします。

一般的には目線の真上にシャフトが来る位置と言いますが、基本的にはベンチプレスをしていてバーベルがラックに当たらない位置であれば大丈夫です。


ここで、ただバーベルを上げても良いのですが、そうしてしまうと斜め上にバーベルを持ち上げなければならず、ここで肩を痛めてしまう事があります。

よって僕としてはラックアップの際だけはケツを上げて行う事を推奨します。

このようにケツを上げてラックアップをし、トップポジションに移動させると同時にケツをベンチにつけるやり方をすれば比較的楽に肩に余分な力をかけずにラックアップできます。

ベンチプレスの意識

さて、ラックアップをしてトップポジションにバーベルが来たら後はみぞおちくらいにバーベルをおろしていきます。

その際に前述した通り、人間の骨格上肩関節を90°外転させた状態でバーベルをおろすのは難しいです。

腕の開きが左右でばらついてしまうとバーベルも安定しないので左右対称になるように調整しましょう。

そしてそのことによって発生してしまうモーメントアームは仕方のないことなので前腕だけは垂直から傾かないようにしましょう。

また、脚の使い方もベンチプレスでは重要になってきます。

ブリッチを支えるためには肩甲骨とベンチの摩擦力と脚から伝える2つの力が重要となってきます。

そのため足をしっかり地面につけ踏ん張り、その力を体幹部まで伝える必要があります。

そのためには横から見た時に上記のように膝が90°になる事が好ましいです。

これは丁度、石橋を支える仕組みとも似ています。

そして足幅は初心者のうちはハの字で広めにとりましょう。

こうすることで左右のバランスがとりやすく初心者は安全にトレーニングがしやすくなります。

しかし、強いパワーリフターはベンチを太ももで挟むくらい足幅を狭める人もいます。

これは足幅が狭い方がレッグドライブを使いやすいからです。

そして呼吸ですが、ベンチプレスの腹圧は個人的には胸に空気を入れるように意識をすると良いと思っています。

胸に空気をパンパンに入れ、膨らんだ胸でシャフトを迎えるようにブリッチを組むと力も入りやすいです。

そして胸でバーベルに触れたらバーベルを押し上げるようにしましょう。

この際にバーベルを胸でバウンドさせてはいけません。

パワーリフティングのルールはバーベルはボトムで止めなければなりませんが
趣味でやっている分にはバーベルは胸に「チョンッ」とつける程度で、伸張反射を使って構わないと個人的には思います。

そしてバーベルを上げるのですが、少し斜め上にあげる意識です。

これは単純にトップからボトムには斜め下に下げたのでボトムからトップには斜め上にあげるというだけです。

この際にバーベルを頭の方に傾けすぎるとマジで危険なので、そんなの強く斜め上の意識をなくても良いです。

普通に上げたら普通に斜め上の軌道になると思います。

そしてラックにバーベルを戻すときなのですが初心者は特に注意して下さい。

バーベルをラックに置くのではなく、パワーラックにシャフトをぶつけて下さい。

初心者はゆっくりバーベルを置くように戻す人がいますが、安全のためにもラックの柱に肘を伸ばしたままバーベルをぶつけてしまって構いません。

もちろん強くぶつけ過ぎるのもバウンドして危険ですが、この肘を伸ばしたままバーベルを柱にぶつけてしまうのは覚えておきましょう

後は肘を曲げ、ラックに戻すだけです。

またトレーニングギアですがベンチプレスではあるならリストラップは使うようにしましょう。

手首は比較的痛めやすいので初心者のうちからリストラップはつけておくのが良いと思います。

デッドリフト

最後にデッドリフトですが、このデッドリフトは最も高重量を挙げられる種目となります。

実にシンプル

床に置いたバーベルを持ち上げる!ただそれだけの種目なのです。

そしてデッドとあるように死ぬほどきついです。

そして、やり方を間違えると腰も死にます。

デッドリフトにはナロースタンスとワイドスタンス(スモーデッドリフト)の2つのやり方があります。

基本的にはワイドスタンスの方が高重量と扱う事ができます。

しかし、ワイドスタンスよりナロースタンスの方が背中の筋肉に効果的と考え、この記事ではナロースタンスデッドリフトを説明したいと思います。

デッドリフトの基本 

まずはデッドリフトがなぜ死ぬほどきついのかを説明しましょう。

もちろん高重力を扱えることと、動員する筋肉が多いこともその理由の一つです。

しかし、デッドリフトには他のBIG3のスクワットとベンチプレスと根本的に違う部分があります。

それはデッドストップの状態から始めることです。

デッドストップとはバーベルが完全に止まっていて安定している状態のことです。

デッドリフトでは床に静止しているバーベルを直接持ち上げるのでデッドストップの状態からいきなりMAXの力をバーベルに伝えなければなりません。

よって筋肉はいきなり最大出力で収縮する事が求められ、そのためデッドリフトはキツイのです。

逆にスクワットやベンチプレスはエキセントリック(伸張性収縮)からコンセントリック(短縮性収縮)に転じる際の伸張反射を用いる事ができる種目です。

しかしデッドリフトではそれができません。

その点がデッドリフトの大きな特徴でもあり、めちゃくちゃ効く理由でもあります。

ですので、デッドリフトを複数Repやる際には一回一回しっかりバーベルを地面に置いてデッドストップ状態にして行いましょう。

またデッドリフトでもスクワットやベンチプレスと同様にモーメントアームを小さくする事が求められます。

デッドリフトのモーメントアームはスクワットと同様です

とにかく垂直にバーベルを上げてください。

ここらは関節の位置がわかりやすいように棒人間を使って説明していきます。

緑の点が関節で青の点がシャフトです。

丁度ミッドフットの真上にシャフトが来るような位置にたちバーベルを持ちます。

そして上げてくのですが、最初は膝をメインで上げていきます。

所謂、ファーストプルです。

そして膝のまでバーベルが上がったら、

一気に上まで上げ切ります。(セカンドプル

このように体を使えば常にシャフトがミッドフットの真上になるような軌道でバーベルを持ち上げる事が可能です。

スタンス

デッドリフトではスタートポジションがめちゃくちゃ重要です。

あげ始めたらデッドリフトで微調整はききません。

ですので最初から力をフルに使え、かつ怪我のリスクを抑えたポジションを取ることが重要です。

しかしスタンスについてはそんなに難しくありません。

基本的には垂直跳びがしやすいスタンスをとれば良いでしょう。

何回かジャンプをしてみてやりやすいスタンスでOKです。

まあ、もう少し具体的に言うなら20〜30cm踵を離して足は10°〜30°開くといった感じです。

そしてグリップですがこれもそんな難しくありません。

肩からまっすぐ腕が落ちてくる位置で握れば良いです。

バーベルを上げ切ったハングポシジョンで両手が太ももの外側にあればOKです。

そしてグリップですがデッドリフトではグリップアウトしないようにオルタネイトグリップフックグリップを使うのが基本です。

オルタネイトグリップとは左右の手で順手と逆手を変える握り方です。

フックグリップは親指も一緒に握り込むサムアラウンドグリップの順手のことを言います。

これらのグリップは両手を順手に握るよりはるかに高重量をグリップアウトせずに持つことができます。

しかし、普段のトレーニングではリストストラップパワーグリップを使って両方順手で行えば良いと個人的には思います。

オルタネイトグリップだとどうしても左右差が生まれてしまい、故障の原因にもなり得ます。

またフックグリップは普段デッドリフトではやらないから、わからないんですが、親指千切れそうになりますw

やはり普段のトレーニングではトレーニングギアを使いグリップアウトしないようにするのが無難でしょう。

後は最初の1セットだけノーギアで行い、2セット目以降はギアを使うとかでもOKです。

リストラップは何が良いのかあんまり分かりませんがw(すみません、使ってないもので、、、)

ゴールドジムのパワーグリッププロが汎用性の高くて無難です。

トレーニング初心者に最も勧めたいギアの一つがこのパワーグリップなので、少し高いですが5年以上は使えると思いますし(実際使っています)購入して損はありません。

スタートポジション

デッドリフトではこのスタートポジションが非常に重要となってきます。

脛、太もも、背骨の長さのバランスによって人によって微調整が必要となるからです。

しかし、多くの場合

膝と頭の間の高さに股関節が来る

これくらいの姿勢に落ち着くでしょう。

また、もちろんシャフトはミッドフットの真上にくるような位置からのスタートです。

ここで、今までのモーメントアームの話から、感の良い人はこんな疑問が出てくるのではないでしょうか?

肩関節はミッドフットの真上になくて良いのか?

という疑問です。

結論から言うと大丈夫です。

これは広背筋の構造に起因する問題です。

デッドリフトでは背中をまっすぐに保つため脊柱起立筋と広背筋を緊張させておかなければなりません。

そしてこの広背筋は上腕とにもつながっています。

そしてこの広背筋は上記の図のような腕の角度で90°に近くなり、最も効率的に広背筋の収縮の力を伝える事が可能となります。

簡単に言うと一番背中に力が入る腕の角度という事です。

特にデッドリフトを始める際に両腕を外側に回す(回外)し肘を絞ることで広背筋に力が入れやすくなり背中をまっすぐに固定しやすくなります。

この背中を固める感覚は怪我の予防にも重量アップにも重要となってきますので練習しておきましょう。

ファーストプルとセカンドプル

さてデッドリフトではバーベルを上げるのに2段階のステップがあります。

デッドストップから膝までのファーストプルと

膝からハングポシションまでのセカンドプルです。

ここでファーストプルでは背中をガッチリ固定し

膝を伸ばす膝関節の伸展がメインとなってきます。

そして上半身の前傾角度はあまり大きく変化していない事からわかるように、状態を固定し脚で地面を押すようにするのがファーストプルとなります。

デッドリフトのスターとポジションでは膝はシャフトより前に出ることになります。

その状態で股関節を伸展させようとすると脛にシャフトが当たってしまい、それを避けようとバーベルを迂回させてしまうとモーメントアームが発生し前にバランスが崩れてしまいます。

それを避けるためにファーストプルでは膝の高さまで膝間接主導の動きとなります。

まさにレッグプレスの感覚です。

ファーストプルでは脚で床を押しましょう。

セカンドプルでは股関節を進展させることによりバーベルをハングポジションまで持っていきます。

正直セカンドプルでは意識することはありませんw

あえて言うなら、最後まで背中の緊張はとかないことくらいでしょう。

限界を出し切り最後まで上げ切りましょう。

デッドリフトの意識


さてデッドリフトの意識ですが、とにかく背中を曲げない事と逆に逸らせ過ぎないことです。

しかし後者よりは曲がってしないことを多くの人は意識するべきです。

スタートポジションで広背筋を使って腕の回外と肩甲骨の下制を、意識的に行うことによって背中が上手にロックできます。

なんというか肩甲骨を下に引きつけ広背筋のポケットにすっぽり収まるような感覚です。

そうやって広背筋を脊柱起立筋に力を入れ背中を固める練習をしっかりしましょう。

そしてファーストプルを始める前に大きく息を吸い込み腹圧をかけましょう。

これはスクワットと同様です。

パワーベルトも、もちろんつけるべきです。

またファーストプルではしっかり脚で地面を押すレッグプレスのような感覚を身に付けましょう。

そしてセカンドプルではしっかり最後の肩甲骨が後ろに寄せて。胸を張るポジションまで上げ切りましょう。

そして上げきった後なのですが、基本的には勢いよく落とすドロップが好ましいです。

しかし、これはジムによっては禁止されていたりします。

その場合はゆっくり降ろしても良いのですが、そっちの方が怪我はしやすいです。

百均のマットなどを持参してプレートの下に敷くなどして、ドロップするのがやはり好ましいでしょう。

そして降ろした後なのですが基本的にはバウンドさせてすぐ上げないで、完全なデッドストップ状態にしましょう。

次をすぐ上げると伸張反射を使い比較的楽に上げられてしまいます。

デッドリフトの場合は1回1回デッドストップ状態にして1Rep,1Repを丁寧に行うようにしましょう。

終わりに

これでBIG3の解説は終わりとしたいと思います。

今の時代は動画コンテンツでわかりやすい筋トレ解説がたくさんあります。

しかし僕自身、最もためになったのは筋トレ知識は本で得たものでした。

このnoteが皆さんにとっての、そんな為になるものとなっていれば幸いです。

最後にもっと深く勉強したい方のためのオススメの本をのせておきます。



















































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