フォルケホイスコーレ
「ダイアローグ」が壁を乗り越える力に
フォルケホイスコーレ
デンマークにはフォルケホイスコーレという「北欧独自の成人教育機関」が
70校ほどある。
今ではそれぞれの学校が何かしらの特色を持っていて、私が入学したのはエグモントホイスコーレという障がい福祉に特化した学校だ。
他の学校では、スポーツやアート、デザイン、シニア、スピリチュアリティ、伝統など様々な選択肢がある。
共通したコンセプト
全てのフォルケホイスコーレに共通しているコンセプトは、原則として
17歳半以上であれば、国籍・人種・宗教を問わず誰でも入学できること
試験や成績などの評価が一切ないこと
民主主義を育む場であること
知の欲求を満たす場であること
全寮制で、先生も含め皆が共に生活すること
授業の内容は学校によって様々である。
エグモントホイスコーレ
エグモントホイスコーレは、障がいを持っている学生と持っていない学生が共同生活をし、共生とは何かを学ぶ学校である。
授業に関して驚くのは、アウトドアやものづくり、スポーツ、アート等、障がいについて学ぶわけではない。とにかく座学がなく、実践的である。例えば電動車いすで手や身体が思うように動かない人と、どうやったらイカダを作って海でレースができるのかなど、とにかくなんでもやってみる。
どんどん失敗して、改良を重ねる。そして皆でチャレンジすれば、乗り越えられることを知っていて、障がいの壁なんかあってないようなもの、皆クリエイティブに満ち溢れている。
ダイアローグ
それを可能にしているのはダイアローグ(対話)だと思う。
デンマークで杖を作る職人に言われたことがある。
「ダイアローグができる場所を作るということ。それ自体が、フォルケホイスコーレそのものではないか」
尚工藝/風と地と木 合同会社 代表・宮田尚幸
シルバー新報 2021年(令和3年) 4月9日(金曜日)発刊号より
なにかのヒントになっていたら幸いです。