大自然で思い切り深呼吸。
桜の季節。
春になると母を思い出す。
毎年春には母の故郷長崎へ二人で帰省し、桜を見に行っていた。
日本桜百景にも選ばれる程の多種多様な桜が見られる場所がある。
そこは母の実家があった場所の目の前だったらしく、同時にお墓参りに行ったり、寂れてしまった商店街を歩いていると、母が子供の頃の話を沢山してくれた。
小学校も家から目と鼻の先にあり、横断歩道の向こう側で、飼っていた犬がいつも下校する母を待っていてくれたそうだ。
理由は母が給食に出るパンを残して持って帰るから、それが目当てだったらしい(笑)
そんな些細な思い出を沢山話してくれた母はもういない。
だけど、そんな母の故郷の町はとても穏やかな時間が流れ、のんびりと出来る場所であった。
お城の城壁だけが残る場所があって、その上には神社があり、桜の大木がある。
それを見に行くのがとても楽しみだった。
そして、湾の反対側に住む母の母方の親戚も来てくれたりして、とても楽しい思い出が沢山出来た。
母は最後まで「田舎に帰りたい」と言っていたが、叶わなかった。
このコロナの事態が少しでも落ち着いたら、桜咲く春に、母のお骨を持って長崎に帰りたい。
今直ぐにでも帰りたいけれど、父は飛行機が苦手(母と二人の時は飛行機で帰省していた)で、フェリー移動になるが、それでも父も長年長崎に行っていなかったので、どうにかして行きたいと言う。
父が元気な内に母を連れて長崎に帰れるように、父が腹を括って飛行機に乗れますように。
そうすればこの状況でもきっと帰れるから。
って事は父次第、って事だ。
長崎は感染者数が一桁なので、こちらから行くのは憚られるが、どうしても春に母を連れて行ってあげたい。こんな形で帰る事になるとは思いもよらなかったけれども、母を可愛がってくれた大叔母は少し痴呆が入ってきているらしいし、年齢的にも心配なお年頃なので行くのが良いのか悩むが、感染対策を徹底して行けば大丈夫だと思う。
出来れば父と二人でPCR検査をしてから行ければなぁ、と考えている。
それをするにはお金が無いんですけどね…。
とにかく今バイトの試験と面接待ちと、書類送付で3つぐらいエントリーしているので、どれか引っかかれば良いなぁと。
せめて仕事が出来るようになれば安心して帰れるのに…。
私も、ずっと家に籠もりきりなので、穏やかな時間の流れる町で、静かにのんびりと桜を眺めたい。
“#この春やりたいこと”
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