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「使ってみたかったSaaS」とともに0からBtoBセールス/マーケティングスキームをようやく構築できた話

クックパッドの企業向けマーケティング支援事業(食品メーカーさん中心に広告とかデータサービスを提供するやつ)の営業企画とかマーケティングを主に担当しています。
所属している「マーケティング推進部」が今年出来たばかりなので、ごくごく少数の組織で運営しています。世間の印象としてベンチャー感が薄れてきてるかもしれぬ弊社ですが、スタートアップみたいなスピード感と裁量権の下、お仕事させていただいています。

今日から10月で良い区切りなので、今までにできたことをまとめておこうかなと思った次第です。

●やってきたこと

ざっくりやってきたことを時系列別にまとめています。

2019年1年 営業として入社
2019年5月 「セールスの仕組みを整えたい、あとマーケ組織を作りたい」と突然当時の本部長に言い出す
2019年5月末 営業と平行してMA(Pardot)運用開始/オフラインセミナー企画集客
2019年6月 独自メルマガ運用開始 
2019年11月  オウンドメディア制作開始
2020年2月 「マーケティング推進部」ができて専任に
2020年2月   オウンドメディア「FoodClip」ローンチ 
2020年3月 「FORCAS」導入・クライアントリストの精緻化
      営業の行動管理/評価を完全にSalesforce上で行うようになる
2020年4月 オンラインセミナー導入
2020年7月 インサイドセールス試験運用
2020年10月  プロダクトWebページリニューアル
         インサイドセールス本格運用

今こんな感じで仕組み化が一旦完了出来ています。

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●やるべきだと思った理由

語りすぎるのもアレなので、昨年「やったほうがいい」と思った理由をざっくり箇条書きします。内部要因と外部要因の両面があるかなと思います。

【内部要因】
・顧客情報やアプローチ履歴が担当者の手元以外に残っていない
・アタック先が精査しきれていない
・営業リソースが限られている
・営業業務フローの多くが属人化せざるを得ないスタイル
・商談化できているCLの絶対数が少ない
・共有されている事例や顧客向けのコンテンツが少ない
・Webでの顧客接点が少ない

【社外】
・競合メディア/プロダクトの台頭
・それに対して、自社プロダクトの強みや正しい認識が顧客に伝わりきっていない
・全体的に「デジタルシフト」前夜の業界を相手にしており、個社ごとの方針転換のタイミングを逃さないようにしたい
・業界自体に我々のプロダクトであるデジタル広告/データ活用についてノウハウが溜まっておらず、啓蒙する必要がある

ざっくりですね。
もう少し細かいことは以前下記に書いてたりします。
オウンドメディア「FoodClip」はわりと順調に伸びてます。何本か書いてたりするんでよかったら読んでくださいませ。

●「使ってみたかったヤツ」を入れてみる

仕組みを作っていくに際して、日々の頑張りにプラスして、様々なツールにお世話になっております。

前職がBtoBITを扱うWebメディアの広告営業で、IT企業の商材のプロモーションやリード獲得をお手伝いしていたので、いろいろなセールス支援系のツールについては情報が入ってきていて、自社マーケ担当者になったときに大いにその時の知識や「イケてるな…」と思った印象を頼りに使ったり発注させてもらったりしています。

まずは「Pardot」からで、商談管理をもともとSalesforceでやっていて名刺管理をSansanでやっていたから導入は自然なところだけれど、当時はSansan=SF間の連携もなされていなかったので、まずはそこから、その後Pardotでのメルマガ構築やセミナーランディングページ制作、自社サイト訪問等でのスコアリングができるように整えて来ました。
まずなによりもメールマーケの運用の仕組みを前のめり気味に進めていて、理由としては、課題の一つとして顧客に自社プロダクトを伝えるコンテンツが少ないことがあり、オウンドメディアの立ち上げ含め色んなとこに制作の促進を働きかける前に、発信する仕組みを先にガッツリ立ち上げておくことが大事だと思っていたからです。
スコアリング機能についても「顧客の反応が可視化できますよ!」という営業に興味を持ってもらう材料として初期の頃は重用していました。

Web上での接点として、オウンドメディアとよりプロダクトに近い自社ホームページの2つになりますが、ともにSaaS型のCMSを入れており、オウンドメディア「FoodClip」はイノーバさんの「Cloud CMO」、10月中旬にリニューアルしたホームページについてはベーシックさんの「ferret one」を使わせていただいています。ともに費用と特徴を吟味しつつ、何よりリソースが少ないという課題を解決してもらうためにお願いしています。

イノーバさんの方は当初CMSの利用とSEO記事のライティングも含めたパッケージでお願いしていましたが、我々がオウンドメディアをやる上で作るべきコンテンツと食品という特殊な業界に向けて発信する情報の難しさを感じ、デザイン面の改良に予算を振り分けて対応いただいたり、CMSの機能であるリード管理機能は自社Pardotの方で運用するため使わずにコストを抑えたり、色々わがままを聞いていただいています。

ベーシックさんの「ferret one」はとにかくめっちゃくちゃ制作しやすいですね。面倒なコーディングがいらない、直感的に編集できる、というのが謳い文句でありつつ、そう言っても…というのは多少覚悟していたのですが、本当に余裕で更新作業ができ、組織内にデザイナーやエンジニアがいない我々としては大変うれしいです。下記よかったらみてやってください。

あとわりと大げさでなく弊社の顧客管理に革命をもたらしたのは企業データベースである「FORCAS」です。

弊社はSalesforceをいくつもの事業にまたいで利用しているので、有象無象の顧客情報が溢れているばかりか、過去の活動履歴が全く入っていない、ヴァージョン移行した数年前のある時点以前の商談記録は残っていないという絶望的な状態で、営業として入社し社会人キャリアの中で初の新規開拓を行った際にかなり頭を抱えており、異動後はできる限りのリストの精緻化をおこなってきましたが、最終的に気合の目視になるので、限界を感じていたところでこの存在を思い出し、検討に入りました。

なかなか安い買い物じゃないので厳しいかな…と思ったのですが、ちょうど社内の体制が変わり新規休眠向けの営業組織が生まれたことで、このツールの必要性がさらにハマり易い状況になり、導入できることになりました。

導入して1ヶ月で「当たるべきポテンシャルがあるところ」と「当たらなくていいところ」をきちんと整理することができ、業種ごとでのアタックリストもスムーズに整えられたことで、営業部門との連携もかなりしっかり取れるようになりました。
今後の課題としては、ターゲットが食品、日用品、消費財メーカーとなかなか狭い中でどのくらい価値を発揮させるか、多岐に渡るシナリオなど豊富なデータのあるFORCASの機能をどのくらい使い込んで効果を最大化するか、かなと思います。

●時間がかかりそうなのでアウトソースしてみる

上記諸々進めていくことで見込み客の獲得効率が上がり、それを受け取る営業のリソースがボトルネックになってきたので、仕組み化の最後の大きな打ち手として、インサイドセールスの導入を決定し、7月から本当にスモールスタートする形で進めました。(ここまで振り返るとけっこう思い描いたとおりに進んでる気はする)

前職時代、ITベンダーがメディア出稿して獲得したリードをインサイドセールスのベンダーさんに回し、ヒアリングの結果パートナーSIに渡すことのできる見込み商談のボリュームをKPIにする、というプロジェクトにがっつり入り、インサイドセールスの実運用の現場にだいぶ触れてきたこともあり、その分自社でインサイドセールスを構築する難しさはわかっています。

教育、採用、評価、等色々なポイントがありますが、それを自社内で整えるのはかなり時間がかかるという判断で、一気に拡大していくために10月からスマートキャンプさんの「Bales」にアウトソースして進めていきました。
(※更新※2021年の頭から内製化に切り替えています)

まとめ

振り返ってみて、やりたかったことはきちんと整えられたなという実感と満足感がありますし、それをそのままやらせてくれた組織と上司に感謝感謝の思いでいっぱいでございますが、やっとスタートラインってところではあるので今後も頑張っていきたいです。少なくとも導入したどこかのベンダーさんの事例になれるようにやっていきたい気持ちです。
あとほぼ一人でここまでの業務やってきたので、組織を大きくしたい、するためにも成果を出していきたい…。

あとは「メディアの売り方」ってどんどん難しくなってくると思うので、その辺り同じように課題を持って頑張ってる人と情報交換とかしたいよなぁと思っています(本当にマーケの知り合いがいない)。
この投稿もそうですが、そのためにできる限りやってきたことややりたいことは発信していければなぁと思っています。

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