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「なんとなくマーケティングがやりたい!」という手に職がない系学生の就職先に「BtoBWebメディアの営業」をオススメする5つの理由

僕自身「BtoBWebメディアの営業」という職種に新卒で就けてとてもよかったなと思っているのだが、世間的な/就活界隈での知名度もきっとあんまりなので、書いてみようと思う。

別にマーケ志望の人以外でも興味を持ってくれたら良いのだが、
どんな志向の人に刺さりやすいかな、を考えて、というのと、
結果的に自分がマーケになるルートを辿っているから自らの振り返り&少しは説得力もあるかな、と思いこのタイトルにした。

「手に職がない系」としたのも、大学で美学を隠れ蓑に耽美美術とか球体関節人形の研究をして、資本主義社会にわかりやすく役に立つことを何一つ会得しなかった自分を重ねつつ書いているが、そういう人たちが「無形の力」的なものを身につけるならぴったりだな、と思っているのは確かだ。

ちなみに僕は別になにか明確にやりたかったわけでもなく、「メディア入りてぇな」と思って就職しただけなので、「なんとなくマーケティングがやりたい!」と思っているだけで(もしかしたら見てくれているかもしれない学生の)君は凄い。


●「BtoBWebメディアの営業」

がっつり書いておきながら、このくくり方をするのは正解かどうかわからないけれど、BtoBWebメディアは、「読者が仕事のことを考えてる時に読むWebメディア」のことだと思ってくれればいい。
仕事中に自分のデスクでちょろっと読んでも怒られないヤツ。

例えばエンジニアなら「TechCrunch」「@IT」、IT系なら「日経xTech」「ITmedia」「ZdNET」、マーケなら「宣伝会議」「Markezine」など、
「特定の仕事をしている人がその仕事をするための情報を取りに行くメディア」
というものがどの業界もそれなりにある。

その中の営業というポジションだが、
言わずもがな、メディアを続けていくためのお金を稼ぐ人たちである。
どのメディアも何で稼ぐかと言うと「ユーザー(有料課金)」か「ユーザーにアプローチするために企業が出す広告」のどちらかで、
殆どのBtoBメディアは後者がほぼほぼメインで、営業はそちらを売っている。簡単に言うと法人に対しての広告営業だ。

BtoBでは、広告活動の中で、
「取引先となる見込み顧客の情報を得る」という目的があるので、
単純なバナー、タイアップ記事の他に、
「コンテンツに触れた読者の個人情報を販売する」=「リードジェネレーション」のサービスを行っているところが特にIT系のWebメディアでは多い。

これを書いたところで学生がどの程度読むのかわからないが、
どうなんだろう、この説明でどのくらいわかるんだろうか。
僕も入ってから半年くらいでやっと何をしているかちゃんとわかったくらいだから、
ほんと雰囲気だけわかって貰えればよい。

さっさと「5つの理由」にいったほうがわかりやすいと思うので、
オススメする理由上位から順に書いていく(ちょっと長いすみません…)。


●早い段階でレベルの高い人と仕事ができる

個人的に「何をやるか」より「誰と仕事をするか」が大事だと思っているが、この「誰と」は社外の人、つまりやりとりするお客さんのことを指す。

つまり先生なら生徒、八百屋なら主婦、ベンツのディラーなら金持ち、みたいな感じ。
で、この仕事の相手は「企業のマーケター」になる。
営業の立場で数年だけではあるがいろいろな企業のマーケ担当を見てきたが、「この人全然イケてねぇな…」ということはほぼなかった。

僕は特に企業向けプロダクトを売っている大手IT企業担当だったので、その印象が強いのかもしれない。
敢えて「BtoB」と絞っている理由はここにあって、
「BtoB」と「BtoC」の違いを簡単に言うと顧客の財布が「自分のもの」か「会社のもの」かだが、これで「モノ」を売る営業の難易度は凄まじく変わる。

言わずもがな後者の方が色んな人が監視している分凄く硬いし受注までに越えるべきハードルは凄く増える。
同じようにマーケ/広告施策で受注につながる成果を出すのも難しくなるし、見る数字もシビアになる。
そういう仕事をずっとしている熟練BtoBマーケターは、めちゃくちゃ賢いし厳しいしイケている。
(BtoCはBtoCでまた仮説を立てる力だったり、別の凄いスキルがあることを現職の顧客のマーケを見て気付かされたので、どっちも凄い)

「マーケティングやりたい」という方はズバリこういう人が目指す姿だろうし、僕も仕事している中で、こっちになりたいなぁ、という気持ちになって今こうしている。


●「世の中」の仕組みがシンプルに体感できる

もちろんメディアにいれば関連業界を広く見る視点が勝手に身につくのでそれもあるが、主に「BtoBの広告営業」あとは「Webメディア」をオススメする理由にもなると思う。

営業になってマーケターと取り組むことになる「BtoBマーケ」も、運営する「Webメディア」も、指標が凄く明確である。どちらも数字できちんと評価ができる。

BtoBでのマーケ施策の評価ポイントは「売上に貢献できたか」に集約される。
行った施策によってどのくらいの企業と営業機会が持て、受注できたか、が問われる。もちろんブランディングに振りきった施策もあるが、それも最終的な評価は売上への貢献になる。
もちろんtoCもそうなのだが、先述の通りtoBの方が購入障壁が高く、検討に際しての外部要因が少ないことでよりシビアに、わかりやすく施策効果が可視化される。
この貢献度合いや成果を図るためにきちんとした効果測定ができなければならないわけだが、Web施策は他の紙面での施策やイベントに比べて圧倒的に効果が見えやすい。

これによって、
「モノを作って、知らしめて、売る」というプロセスが凄くわかりやすく実感出来る。
そりゃそうだろ、という感じかと思うが、BtoBのプロダクトだと軽く数百万、下手すりゃ億単位の金額が動く様を自分が関わった施策を通して目の当たりにしたりすると、学生時代には知らなかった世界を感じることができると思う。


●「コンテンツを持っている」ことにしばらくは頼れる

要は虎の威を借れる、というところなのだけれど、
何もキャリアのない、さらに特に社会で認められたスキルもない新人が
ロクな武器を持たされないまま社会の荒波で仕事をするのは大変である。
(そんな人達に突然電話番号のリストを渡して不動産投資をお願いする電話をかけ続けさす仕事、とかほんとね、なんなんだろうね)

しかしメディアなら、まともにコンテンツを作っているところであれば、
「コンテンツを信頼してくれてる読者」と「そういう読者を欲している企業」という構図が既に存在する。
BtoBで、ニッチな業界であればあるほど持っているメディアとコンテンツの重要度、信頼度はあがっていく。

初めどれだけ未熟でも、「自分自身」で売る必要は無く、
「持っているメディア/コンテンツ」で勝負することができるし、
そのおかげで、ある程度クライアントや業界と目線を合わせて話すことができる。
しばらく経ったら「自分が売る」ことが必要になるが、しばらくはなんとかなる。


●企画力が否応なしに育まれる

だんだんと売れなくなり始めるので、否応なしに身につけなければいけない技術になる。

「Webメディア」という無形のモノに出す「広告」という無形のコンテンツを売っていくので、決まったパッケージをエイヤと投げつけるだけでは絶対に売れない。
クライアントのプロダクトを、自分達のメディアの読者に、
彼らに違和感なく刺さるような立て付けで届けるためには、
クライアントの要望を聞きすぎてもいけないし、
逆に伝えたいメッセージをぼやかしすぎてもいけない。

様々な視点で、時にクライアントとメディア編集者との板挟みになりつつも、業界のトレンド、読者ニーズを考えながら、
クライアントの課題解決に最適な企画になるよう、進めなければならない。
「モノ売り」ではやっていけないので、「営業」の中でも難易度の高いジャンルの仕事だと思う。
(そういう理由もあってか、転職市場ではけっこう人気である)


●テキスト制作能力が上がる

社会人やってればそれなりに上がるとは思うが、特に身につくスキルだとは思う。
このビジネスの中で一番大事なのは「集客」だ。

読者をメディア/記事に呼び込むのも、クライアントが顧客を自社プロダクトに誘導するのも、如何に「集客」できるかにすべてかかっている。
その最も重要な要素がテキストで如何に相手の興味を引き、読んでもらうか、来てもらうか、である。

そのための仕掛けやノウハウが、メディアにいると山程詰まっているし、
クライアントも、顧客獲得のために手を変え品を変え様々なメッセージを発信している。
営業という立場でいると、タイアップ記事のタイトルや発信するメルマガの文面など、さまざまな場面でそういったテキストを考える場面に遭遇する。

僕も某大手国産メーカーのオウンドメディア記事を紹介するメルマガを2年間作り続けていたが、あの経験で相当実践的なテキスト力が身についたと感じているし、今日本でも有数のイケイケエンジニアの多いTech企業で関数もSQLも叩けずともなんとか生き残っている理由になっているんじゃないかと思っている。


●まとめ

思ったより長くなってしまった…。これを見て学生がどう思うか本当にわからないし(そもそも見るのか)、
社会人が見たら首をひねる部分もあるかもしれないが、
僕がこう思っていることは確かなので、少しでも伝わってくれれば幸いでございます。少なくとも当時の採用担当は凄く喜ぶのではないだろうか。


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