見出し画像

「営業嫌だマーケティングやりたい」とか簡単に言う学生に現実を叩き込みたい


先日こういう記事を書いた。


Webメディア(BtoB)法人営業→転職して別のWebメディア(BtoC)法人営業→社内異動してBtoBマーケ、というキャリアに結果的になった自分の実感も込めて、「マーケをやりたい」という学生にこのルートの良さを説く自己肯定気味な記事だが、この記事にわかりやすく書けなかった想いをもう少しはっきり書こうと思う。

今回とりあえず言いたいことは

「お前らが思ってるよりずっと泥臭いし人を選ぶ仕事だ一旦考え直せ」

である。
その主な理由を簡単に5項目にまとめていく。
(BtoBに寄っている部分も多々あるし業種によって実態が違うところは多々あると思うので、あくまで個人の意見として聞いてほしい)

①そもそもめちゃくちゃ定義が曖昧な言葉


まず問いたい。


『あなたの言う「マーケティング」って何ですか?』

パッと答えられる人けっこう少ないじゃないかなと思う。
これは僕も営業として現職に入ってすぐ部長に言われたのだが、
その時は僕も答えに窮してしまった。
「マーケティング」という言葉には、業種や職種、立場によって捉えられ方に大きく差がある。
学生だと「イケてる広告コピーを作ること」「商品戦略を練ること」みたいなイメージを持ってる人が多いかもしれないが、
「市場調査」や「販促ツール作り」がそこに当たる会社もある。
それを理解せずに「やりたい!」と言うのは

「400mメドレー泳ぎたい!犬かきしかできんけど!」

みたいなものだ。本当にやりたいなら、全ての泳ぎ方を理解してからでも遅くはない。

②営業以上に「完璧な御用聞き」になってこその仕事


「マーケをやりたい」がイコール「営業やりたくない」に変換できる人も多数いると思う(認めないと思うが)。
なぜやりたくないかというと「クライアントに振り回され、時には接待をし、言いなりになる」
という位の低いイメージが(誰が悪いのかわからないが)勝手に染み付いてるからだと思う。

わざわざ書かなくてもなことではあるが、
事業モデルとして営業がいらない業態を除けば、
少なくとも社内では営業は圧倒的に位が高い。

会社は「自社サービス/製品を売る」ために存在しており、
買ってくれる顧客、もしくは代わりに売ってくれるパートナー・流通チャネルがもちろん最も大切なので、それと最も密接にやり取りをする営業組織のために、社内体制は整えられる。

マーケティングというポジションはその中の一つに過ぎない。
仮に生み出したコンテンツで受注に繋がる商談が作れたとしても、営業が動かないと何もならない。
「ウチは上手くやってるのに営業が動かないから上手く行かない…」みたいなことは起こりうるが、
「営業に動いてもらえるような仕組みを作る&仕掛けにする」までがマーケの仕事だ。
そのためにはどうすれば営業が取り組みやすく協力してくれるものになるか、彼らの身になってとことん考えられる「御用聞き」になる必要がある。

③自分の仕事の評価は最終的に人任せ

ほぼ先ほどと同じことなのだが、「自分が出した成果」だけで評価される仕事ではない。
もちろん数字指標や施策ごとのKPIは存在するが、最終的には「売れること」がゴール=KGIだ。
時には自分がどうしようもない要因で評価されなくなることだってあるし、
自らの渾身の頑張りが虚無に終わることだってある。

④自分の仕事が社内にとっての「タスク」「コストセンター」になる

マーケは、さらなる売上向上のために先回りをするのが仕事だ。
1年先に優良顧客になりそうな見込み顧客を拾ってきたり、
なんとなく想起してもらえるイメージを作るために、合間を縫って広告を売ったり、バズるか炎上するかギリギリのコピーを考えたりする。

直近の売り上げにわかりやすく貢献するのは皆無で、
結果を上げて最終的に称賛されるものでも、
立ち上げる際はただの「コスト」である。
そのタイミングで営業に意見を聞いたり、顧客への案内可否のお伺いを立てたり、社内の関係部署に仁義を通したり、周りを巻き込まざるを得なくなる。
その時にあなたの周囲の人にとってはそれはただの「リターンの見えにくいタスク」だ。
そんなタスクを如何にやってもらうか、というところに大変なカロリーを割かないと自分のやるべきことが完遂しない、
凄くややこしい職種である。


⑤立ち回り力と社内外の深い理解が必須

①〜④までの項目をつつがなくやりきるためには、
目的達成のために必要なリソースを必要なタイミングで必要な精度で取り込み、指揮し、使って/使われるための「立ち回り力」が必要だ。
キャラもあるし経験もあるし、一朝一夕で身につくものではないと思う。
さらに、「今の状況に必要な施策、仕組み、メッセージ」を考えるためには、社内の課題、改良すべきポイントや社外(業界)動向を正確に掴み、
理解し、噛み砕いてアウトプットを提示する必要がある。
前線にでていない状態でこれを出来るはずが無いので、
「まずは営業で業務の全般を把握して」という常套句は真理だ。


その上で言いたいこと

ここまで書いて読み返すと、敢えてなところはありつつ、めちゃくちゃ偉そうで嫌になってしまった。
(noteにマーケティングのこと書くと5倍増しくらいで偉そうになるのはなんでなのか)
まだまだ未熟なところは棚に上げていますごめんなさい。

色々書いたが、僕自身はこの仕事が今めっちゃ楽しい。すこぶる楽しい。「わりと天職では?」と思っている。
没頭型でこだわりが強くていい意味で(?)偽善者な人にはとっても良い仕事だ。
ただ、例えば新卒でマーケに配属されてさぁどうぞ、となったらどうだったかわからない(気分はよかったかもしれないが)

営業になったことで持たざるを得なかった広い視野と体感した課題感があったからこそ、いまこうやって元々の性質にそうした経験を乗っけることができてるんだと思っている。(人によるだろうけども)

なので改めて言う。


「悪いことは言わない、一旦考え直せ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?