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コトリドリルシリーズ、minneで100回販売を達成しました

みなさんこんにちは。
ことばの発達を支える言語聴覚士、てらだななと申します。

言語聴覚士はきこえとことばの専門家で、国家資格です。
わたし、ななさんは「ことばの相談室ことり」という相談室を運営しています。

コトリドリルシリーズ

さて、相談室の運営のかたわら、minneにて細々と販売を続けてきたコトリドリルという教材のシリーズ、こちらがついに注文100件を達成しました。

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これも、みなさまがコトリドリルを見つけてくださったおかげです。ほんとうにありがとうございます。
コトリドリルは2019年の11月末より販売を開始し、現在5か月目になります。

ご存じない方に向けて説明すると、このコトリドリルシリーズは、企画・イラスト・本文・誌面構成・制作・宣伝・販売をすべてわたしが1人で行っている、なんとも大胆な(無謀な)手作り教材です。

11月26日に「ことばの発達を支えることばドリルVol.1」を発売し、翌月12月3日に完売。その後、細かな改訂を重ねつつ、手作業で在庫を補充しながら販売を続けています。

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さらには、翌年1月2日に「ダウンロード版・なぞなぞ出せるよシート&カード」、1月20日に同教材の印刷版を発売。

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2月7日に「ことばの発達を支えることばドリルVol.1 分冊版」を発売。

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どちらの教材もいまでは第1作目に並び売り上げを伸ばしつつあります。

変わり種としては、「がんばったら丸つけようシート」なんてものも3月に発売しています。

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注文100回記念にデータの一部を公開

言語聴覚士として仕事をしながら自分でイラスト描きやデザインをしていて、しかも事業の柱のひとつとして本気で販売しているケースはけっこう珍しいのではと思います。ぶっちゃけ大変なことがとても多かったのですが、それ以上に得るものがたくさんありました。後に続く人の参考になればという気持ちから、データの一部を公開いたします。

月別売上件数・ざっくり売上

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画像の通り、ブルーの棒グラフが件数で、ピンクの折れ線グラフがざっくりと売上です。ふたつのグラフを同時にお示ししたので、件数の変化がすこしわかりづらいでしょうか。

1月と2月で件数が倍以上変化しています。この時期、ちょうどInstagramの運用を本格的に開始したタイミングです。

1月に商品数を増やしたことで、じわじわ2月以降、複数の商品を購入いただくお客さまが増えました。新作がなかなか出ずお待たせしていてごめんなさい。。(キービジュアルのみ、すでにminne に公開済みです。)

地域別の売上

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東京都+関東地方で全体の45%、関東の割合が高めですね。

とはいえ、さまざまな地域の方からご購入いただくことができ、コトリドリルのコンセプト(言語聴覚士の療育が届かないご家庭にも療育のエッセンスを)に近づくことができているのかなあと思っています。いろいろな地域に広がっていくといいな。

それに、海外にお住まいの日本語を話すご家庭からも、2件の売上がありました。minneは海外配送便にも対応してくれます。

商品別売上

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(minneを経由しない手売り販売・noteでのDL販売を含めています)
看板商品である、「ことばドリル」が、全体の過半数を占めています。なぞなぞカードもダウンロード版と印刷版を合わせると、なかなかの健闘をしてくれているのではないでしょうか。

作者の感想

 コトリドリルを出してなによりよかったのは、商品を通してさまざまな方とのご縁が生まれたことです。同業の先生とのお仕事に発展したり、ことばの相談のお問い合わせをいただいたり。

あとは、現物があることのメリットも大きい。伝えたいことがうまく伝わらないとき、「こういう練習をしてほしい!」とさっと出せることで、お互いの共通理解が生まれたりするなあと思いました。

ななさんはプレゼンが超苦手だったんだけど、コトリドリル現物があることで、これから自分がやっていきたい事業の内容を相手に伝えられるようになりました。そうすると、応援してくださる人や、親身になり貴重な助言をくださる人が増えました。みなさんの助力がとても心強いです。

制作大変

とはいえ、制作はめちゃくちゃ大変です。毎晩、夕食の片付けをしたあとは寝る時間までモニターとにらめっこ。プライベートの時間はほとんどコトリドリルの作業に費やしました。

最初はイラストを100点くらい描く必要があったので、ぺジェ曲線を使ったイラストの描き方を本で勉強しました。イラスト制作のときには、タイマーで計測して平均して1カット10分で完成するように心がけました。

製作が終盤に差し掛かると、レイアウトや商品名、コピーを考える必要が出てきます。レイアウトやデザインの参考書、名付けやキャッチコピーの参考書などを友人に勧めてもらい、片っ端から図書館で借りてきて読みました。いまだにここは苦手分野です。

販売大変

SNSでフォロワーがたくさんいるわけではなかったので、ゼロからの宣伝スタートでした。11月〜1月はとても余力がなかったのですが、2月からはInstagramを始めました。Instagramは、起業家のハヤカワ五味さんからおすすめしてもらいました。

はじめは、お客さんがいない空に向かって宣伝しているような状態でしたが、ことばの発達についてお伝えしたり、あまり耳慣れない「音韻」の発達がなぜ大切なのか、コトリドリルはそこを練習できる教材なんだよということをお伝えしていくことで、少しずつ反響が広がっていきました。

趣味を仕事にすると辛い?

「趣味を仕事にすると辛いので、趣味は趣味で大切にしたほうがいい」というアドバイスがあります。わたしの場合には、イラストを描くことを仕事にしたいという(ぼんやりとした)夢があったのでこのアドバイスには当てはまりません。ですが、イラストを描いてそれを商品にする過程に付随する手続きの煩雑さや雑多なタスク、しかもそれらはすべて、やったことがない「新しいこと」ーーーそうした状態への辛さや連続的な負荷はあるかもしれないな、と初めてわかりました。これを経験できて、「趣味を仕事にすると辛い」の意味がすこしわかった気がします。

仕事の楽しみを失いたくない

わたしの場合、本業はセラピストです(言語聴覚士という国家資格で仕事をしています)。率直にこの仕事がとても好きで、やりがいを感じています。ただ、脇目もふらずセラピスト専業1本でやっていこうとすると、けっこうしんどいです。どちらかというと、セラピスト業のほうが「趣味を仕事に」する辛さを感じていました。それはお給料的な意味でも。

たとえば、多いときは1日に10件のクライアントさんのご予約をいただくことがあります。10件だと、お子さまの場合にはその保護者の方にもお会いするので1日に少なくとも20人以上の方に対しお仕事を提供することになります。誠心誠意務めさせていただきますが、「ああすればよかったな、あそこまで手が回らなかったな、頭の回転が追いつかなかったな…etc」どうしても漏れてしまう仕事が出てきます。

自分自身の力量不足を言い訳するようですが、体力的・認知的な資源が不足した状態でクライアントさんに接しないといけない状況が辛かった。しかも、売上に反比例して提供するサービスの質が下がってしまう後ろめたさ。それが、「仕事の楽しみを失いたくない」の意味するところです。

コトリドリルにメッセージを託し、多くの人、遠くの人に届けば

求められる限りは多くのご予約を入れたいという思いはあるものの、マンツーマンのセラピストとしてはたらく限り、わたしひとりの力では限界があります。

ひょっとして、コトリドリルが、直接お会いできない遠くの人にメッセージを届ける助けになってくれるのでは。

わたしにとっても、セラピスト専業で働いていたころより、多くの違った刺激を受け、多くの仕事やフィードバックを体験(「経験」というほどにはまだ日が浅いですが)できるので、それがゆくゆくはセラピーの質に還元していくのではないだろうか。いまのところその好循環を起こせていると思います。

余談ですが、こうした非常事態下になり、人と会ってサービスを提供するのが難しい状況になってしまいました。セラピストが手売りで教材をお届けするという変わり種の働きかたが、偶然にもうまくハマったことに驚いています。

セラピストのみなさん、教材をつくりましょう

わたしには夢があります。それは、アメリカのTeachers pay Teachers のようなサービスが日本にもできること。

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<Teachers pay Teachers ウェブサイト>

”Theachers pay Theachers(先生が先生の仕事にお金を払う)”というサービスは、教材販売や教材ダウンロード専門のサービスです。

先生が思い思いの教材をつくり、別の先生(や一般のご家庭の方)がお客さんとなりその商品を購入する。互いにレビューをつけ、それがフィードバックとなり、よりよい教材が生まれます。

教材はセラピストや先生の”教える技術“の結晶であり、しかも1回限りの講義とは違い、のちのちにも残り、それが蓄積されると新たな技術が生み出される豊かな土壌となっていきます。

いつかこういうサービスが生まれてくれたら、それには教材を作って販売している先生の数がたくさん増えることがまずは必要です。

それぞれで作ってそれぞれで売る、“教材販売ギルド”みたいなものが広まったら楽しいなと夢想しています。

セラピスト、先生のみなさん、ぜひ教材をつくりませんか。

いただいたレビュー一覧

さいごに、コトリドリルへいただいた感想やレビューの一部をご紹介いたします。個人で販売する嬉しい驚きとしては、ご購入くださったみなさんがメッセージを寄せてくださること。

思い思いに使ってくださっている様子がうかがえて、これからの製作の励みになります。ありがとうございます。

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これからも、どうぞコトリドリルをよろしくお願いいたします。


いただいたサポートは、ことばの相談室ことりの教材・教具の購入に充てさせていただきます。