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王様大好き!ブガンダ王国の人々

ガンダとかキノコ族の話は、もうお腹いっぱいだったらすみません。私は好きなので、もう少しお付き合いください。

見出し画像は、ブガンダ王国の36代国王、ロナルド・ムテビ2世(1955~)です。allAfrica.comよりお借りしました。この方、ガンダ人にとっては、超美男子な上、誰もが尊敬する存在なのです。王様はガンダ語で「カバカ」。カバカ無しでは、王国の事は語れません。

現カバカは、ウガンダ共和国の独立後の政争の影響で国外追放され、1969年にイギリスで客死したエドワード・ムテサ2世の後を継ぎ、1993年にウガンダで即位しました。そして1999年の8月に結婚しました。当時、キノコ族の夫と交際中だった私、ナントンゴは、その挙式のビデオを見せて貰いました。それが、私にとって初めてガンダ王国を認識した機会だったかも知れません。

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この頃はまだ、「カバカのお母上はナントンゴと同じモンキー族だよ」等と言われても「へぇー。」という薄い反応しかできませんでした。

20年後の私は、ブガンダのロイヤルウェディング動画を、とっても見たいのですが、残念ながら、その頃の動画は見つかりませんでした。王様を肩車する人とか、ダンサーとか、沿道を埋め尽くす群衆とかを断片的に覚えている20年前の映像は「熱狂」という言葉がぴったりでした。

代わりに、ガンダ人の熱狂を感じられる素敵な動画を見つけました!11分位の動画です。お時間のある方は、是非ガンダ文化を堪能してください。ナレーションが無いので、何のセレモニーかわからないのですが、戴冠20周年式典か何かのようです。

https://youtu.be/nGQXPwAjan4

ガンダ社会の秩序はカバカを中心に作られているそうですが、どのクランの人がどの役割を行うか、700年前から決められているそうです。例えば、夫のクランのキノコ族はカバカの前で踊るダンサーです。動画の中で白いローブみたいな衣装をまとい、ピョンピョン飛び跳ねている人たちはキノコ族だそうです。

では、他のクランの人達はどんな役割があったのでしょうか?夫に聞いても、あまりわからなかったのですが、わざわざウガンダのお友達に電話をして聞いてくれたので、折角ですのでご紹介しましょう。

バッファロー族 → 王様を肩車したり、周りを警護する

肺魚族 → 王様の椅子を作る

ライオン族 → 王様の太鼓をチューニングする

犬族 → 王様の太鼓の周りに薬を撒いて消毒する

リードバック族 → 王様の為にゾウを狩る

ゾウ族 → 王様の牛の世話をする

イナゴ族 → 王様の牛からミルクを絞る

心臓族 → 漁師

シベットキャット族 → 裁判長

パンゴリン族 → 王様の跡継ぎ選び

アフリカオニネズミ族 → 王様のトイレ掃除

流石に52種類すべてのお仕事を電話で教えて貰うのは大変だったので、ここまでにしました。どのクランのお仕事を聞いてもスラスラ答えてくれるので、すっかり感心して、研究者ですか?と聞いたら、「プリンス」だからって言われて驚きました。どうやら、王族の一員なので、伝統文化に詳しいようです。因みに、王族には、トーテム(シンボルとする動植物)がないそうです。お母様と同じクランの人以外ならどのクランの人とも結婚できるそうです。

職業の伝統は、現在は引き継がれていませんので、誰でも好きな職業につけるそうですが、戴冠式等の伝統的なセレモニーでの役割は今でも厳重に守られているそうです。動画を見て、「肩車をしている人は、バッファローなんですね」等と言えると、ガンダ通になれたような気がします。

興味深いのは、クランに与えられた仕事の大変さとか、重大さに差があるように見えても、クランの間では、身分の上下はないという事です。分かりやすい例として、画像のお妃様は、アフリカオニネズミ族です。トイレ掃除係出身のお妃様って、なんだかシンデレラみたいなお伽話のようですが、ガンダ人にとっては、どこかのクランに属してさえいれば、即ちガンダ人でさえあれば、めでたしだそうです。

そして、「どうしてゾウ族が牛の世話で、リードバックがゾウを狩るの?」と、クランにそれぞれの仕事が与えられたいきさつを知りたくなりますが、口承でわかっているところもあり、わからないところもある様です。イナゴ族がミルクの係になったいきさつ等は、Buganda.comで紹介されていますが、最も知りたい、キノコ族がキノコ・ダンスを踊るようになったいきさつは謎です。この次にウガンダに行ったら、キノコ族のお年寄りに尋ねてみたいものです。

そして、プリンスに確認できた事がもう一つ。

やはり、「○○を食べて病気になったから○○族を名乗り始めた」という説は大方、正しかったようです。

義母のクランが心臓族なのですが、人間の心臓をイメージしていた私は、心臓を食べてみて心臓族になった義母の祖先て、どんな心臓をしていたんでしょう?と恐怖だったのです。プリンスに聞いてみたら「牛の心臓」を食べて吐き戻したから心臓クランとなったそうです。安心しました。




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