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「ザ・フラッシュ」の感想(ネタバレあり)

DCエクステンドユニバース最新作。
ウィキペディア読んだら次のアクアマン2が最終作になるらしくて、その後はDCユニバースという名称になるらしい。
人気作は残るかもしれないけど、いよいよザック・スナイダー要素が消えてしまう感じでなんだかんだで寂しい気持ちになってしまう。

楽しい高速移動描写

当たり前だけどフラッシュと言えば「高速で移動する」演出が見せ場のヒーローなのだけど、DCのライバルであるマーベルの方にいるクイックシルバーやエターナルズのマッカリとかで高速移動描写は結構見慣れた感もある。
特にX-MENシリーズの「アポカリプス」のクイックシルバーの、(作品全体としてはかなり言いたい事があるけど)人命救助シーンがかなり素晴らしかったので個人的には高速移動ヒーロー描写としては、あれが決定版かなぁと思っていた。

でも今作のオープニングの人命救助シーンは個人的にはそれ以上に素晴らしくて、特に最初にいる場所からの移動距離の長さのビックリ感とか、それでいて燃料切れの注意が必要というルール設定とか、画面がオレンジがかる彼の見ている超スピードの世界の演出とか、マーベルの方のスピードスターとの差別化がしっかり出来ていた思うし、崩壊するビルから落ちてくる赤ちゃんと看護師と犬を救う見せ場はコミカルさと同時にヒーローが人命救助を行う事の尊さみたいな部分も感動的で、楽し過ぎて涙が出てくる面白さだった。

そしてこのフラッシュがこれまでのマーベルのキャラクターと違う独自の設定で面白いのがあまりに早すぎて時間を戻せるという部分。
そういえば「ジョジョの奇妙な冒険」で早すぎる動き故に覚醒すると時間を追い越して止められるようになる「ザ・ワールド」とかは同じ考え方なのかなぁという気がする。(知らんけど)

このタイムトラベルで「母親を救う」という目的から、マルチバースの話にねじ込んでいく感じが色々欲張りすぎだけど、ちゃんとまとめられていてかなり凄い。
まあスパゲッティとかで分かり易くマルチバースの説明をしているつもりなのだろうけど、正直結構飲み込みづらくもある。
とはいえ今後のDCEUの映画の作り方に関してはどうとでもなる感じだし、一応今後のジェームズ・ガン主導のテコ入れ作品に上手く繋げられている気もする。
あとその説明で今回のタイムトラベルの要である「トマトソース」を使っているのが語り口としても上手い気がした。

そんな感じで、DC初のマルチバースを扱った映画になると思うのだけど、サプライズ要素の数々も楽しめた。
特に既存の映画作品からスーパーヒーローが登場するのではなく、ニコラス・ケイジ版のスーパーマン等のかつて企画されたが実現しなかった作品が出てくるのが、マルチバースの新しい使い方だと思った。頓挫した幻の企画が作られていたかもしれない世界線として、映画の外側にいる僕らともリンクする感動がある。
これならかつての映画企画達を再び違和感なく復活させる事が出来るし夢がある。
贅沢を言えばジョージ・ミラー版のジャスティス・リーグが見たかった。

登場人物

フラッシュ

最後に登場したジャスティスリーグが結構前だったので彼の背景とかかなり忘れていたのだけど、今回ちゃんと一から説明してくれて、問題無く話に入り込めた。

演じたエズラ・ミラーはやはり演技は素晴らしくて、元の挙動不審気味のバリーと母親が生きてる世界の陽気なバリーを見事に演じ分けていて、この2人の掛け合いもかなり面白かった。
しかもその掛け合いの中でこれまで語られなかったフラッシュというヒーローのオリジンも楽しくサラッと説明していく語り口が上手い。

ただエズラ・ミラー自身が起こした暴行事件がかなり悪質だと思っていたし、今作が普通に公開になったのは結構ビックリでもある。
あんまり普通に復帰されてもあれだけど、演者としてはとても上手い人だけに本当モヤモヤするなぁ、、、

バットマン(マイケル・キートン)

ティム・バートン版バットマンは大分前に観てうる覚えだったけど、マイケル・キートンのかつての偉大なヒーローとしての存在感に引き込まれた。
個人的には数々の秘密基地にあるガジェットを観ながらティム・バートン版思い出していく感じで、見せ方が上手いので知識がほぼ抜けた僕でも感動出来たし、直撃世代の人は堪らないだろうなあと思いながら観ていた。

バットマン(ベン・アフレック)

本格的なアクションシーンはこちらも「ジャスティスリーグ」以来だと思うのだけど、かなり見せ場があって嬉しかった。ちゃんと子供守りながら闘ったりして、ヒーローとしての明るさがあるのが良かった。
しかしこの前のシャザムに引き続きワンダーウーマンに助けられ過ぎ問題は感じるし、ほとんどフラッシュに任せてて結構ズルい。
今回登場のバットマンの中ではダメだろ感が一番強いのだけど、それ故に人間味マシマシで改めてベンアフにピッタリ合っている気もした。

バットマン(ジョージ・クルーニー)

結局美味しい所を全部持っていく感じがズルいけど、めちゃくちゃ笑った。
「そっちかー」という、オチとして完璧だったと思う。

スーパーガール

個人的にワンダーウーマンやハーレクイン等でDCEUは女性ヒーローの俳優のチョイスやビジュアルに関してはMCUに圧勝していると思うのだけど、今回のスーパーガールも本当に素晴らしかったと思う。

髪型とかの少年っぽさと色気のバランスが最高で演じた初めて観たけど演じたサッシャ・カジェのファンになった。

気になった所

それで良いのか?と思う所は結構多くて、マイケル・キートン版バットマンや、今回登場のスーパーガールの即席ジャスティス・リーグのメンバーが魅力的だっただけに、結局そこに至る経緯が全部無かった事になってハッピーエンドになるのが、彼等の交流が面白かっただけにちょっと拍子抜け。
つまり今まで観た1時間半くらいのドラマが無かった事になった訳で観た直後はかなりモヤモヤした。
もちろん今回の主役はフラッシュなので彼が運命を受け入れ精神的な成長をする事こそが大事なので、こじんまりとした話として終わっていくのはありなのだけど、マイケル・キートンバットマンやスーパーガールの精神的な変化とかも描いていたのに、それが無になってしまうのが魅力的だっただけにかなり寂しい。

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