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「ハロウィン・キラー」の感想(ネタバレあり)

あんまりどういう設定のホラー映画かよく分からず観始めたので、数分でいきなり伝説の殺人鬼が主人公の母親を殺す展開にビックリした。
この辺が割とあっさりしていたので、この後どうなるのかと思ったら、そのあと主人公であるジェイミーも殺人鬼に狙われ、逃げ場が無くなった彼女が友人の催し物の出し物として作ったタイムマシンで、殺人鬼が最初の殺人を行う1987年にタイムスリップしてして、母親に殺される前に事件を阻止すべく奔走するというお話しでここでタイムスリップ要素のホラーというのが分かったのだけど、この方向性が掴めた時点でめちゃくちゃツッコミどころ満載で笑う。

そしてタイムスリップルールで面白いと思ったのが、主人公が過去に戻って何かをするまでの時間と現在の時間が同時並行で進む点だと思う。
彼女が過去で影響を与えて未来を変えると、彼女が過去で過ごした時間と同じタイミングで未来も書き換えられる。
だから未来の人も「あれ?さっきまでこうだった気がするけどこうなってるな」と、書き換えられた未来を認知出来る。
だからタイムマシンを作った主人公の親友は「今ジェイミーが何かした」というのをリアルタイムで理解できる感じなので彼女が未来からタイムマシンをもう一つ作って主人公を助ける為に奔走するというお話が同時並行で進んでいく。
ちなみにこの親友のタイムマシンが母親と親子二代で研究し続けていて、過去に戻って母親の方とも友情を深めていくのが面白い。

この過去に行った主人公と、主人公がいなくなった現在のパートが同時に描かれるタイムスリップモノって結構珍しい気がする。
大体過去にタイムスリップしたら、過去のパートだけ描いて未来に戻ってくるパターンが多いと思うし。

あと面白いのが彼女が母親と父親など親世代の若い時代の人々との交流要素。
最初にそれぞれの中年になった姿を見せられているからこそ、80年代という時代の粗さもあり、主人公が今の感覚で観るとこいつらの若い時のロクでも無さが凄く笑える。
優等生だと思っていた母親が学年でもトップクラスの性悪女だったり、父親のヤバい位のチャラさや、現在パートの教師の連中など揃いも揃って最悪の若者になっているのがキャラがいちいち濃い。

そして主人公のジェイミーは殺人を阻止しようと奔走するのだけど、彼女自身かなり抜けているのも良いバランス。どう考えても殺人を阻止するのに頭が悪すぎる。殺人事件今から怒るので捕まえて!と警察に言いにいくシーンとか、アプローチが不器用すぎて笑う。
あといちいち80年代の乱暴な若者文化というか人種差別的な要素を見つける度に「それないわー」ってツッコミ入れるのも観ていて楽しい。

あとラストの過去に戻って変わってしまった現代パートがどうなっているのか?という変更点とかも見所だと思うのだけど、親がイチャイチャするのを止められなかった結果、知らない兄貴が増えているのとかめちゃくちゃ笑った。しかしこういうのいつも思うのだけど、大体同じ時期に性交渉したら全く同じ子供が当たり前に生まれる設定乱暴すぎないかな、、、。

ただタイムスリップ要素とかは面白いと思う所は沢山あったけど、犯人側のキャラクターの動機の部分はかなり弱い印象がした。

犯人が明かされてその動機が語られるのだけど、あくまで周りの人達から説明されるのと、その殺人に至る過程でかなりの重要人物がいるのだけど、その人物も劇中で登場せず、それも説明台詞だけなので非常に飲み込みづらい。
犯人である人物が自ら語らないのも、事件の顛末としてとても不完全燃焼。
そこから更に母親を殺した真犯人の動機とかもめちゃくちゃ記号的でそんなんでピュリツァー賞取れる訳ないじゃん。馬鹿なのか。

という感じで別に細かい所まで考え抜いたタイムスリップモノじゃないし、設定もめちゃくちゃ緩いけど、ツッコミを入れながら観るのには楽しい映画だと思う。

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