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【試作品】才/自己死
初出:2021年5月
「天才だ」いったいきみは何者だ?どうせ何にも知らないくせに
ふと聞いて目を輝かせて「すごいね」と分厚いレンズで僕を見るな
ほしかったほしかったんだ光るものいまはかけらをひろうことだけ
ひとからのこえしか聞けぬ存在でみちをひらけるはずはないのに
燃え尽きてそもそも燃えていたのかと聞けば聞くほど湿気てくのさ
涼風に日曜午後に流れゆく「大切なものは目には見えない」
泥沼にもがき
【試作品】大きな梅の木の下で
あーなたーとわーたしー
なーかーよーくー
*****
雨は空から降ってくる
そんなのは知っている
火は降ってくるかい?
そんなことはない
火が降ってくるかい?
そんなことあるわけない
火も降ってくるかい?
そんなことはあるはずがない
火と降ってくるかい?
そんなことあってたまるものか
そんなことあってたまるものか!!!!!
大きな梅の木の下で
I will be bone
「I was born」という詩。
「人間は生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね」
でも「die」も受身の方がしっくりくるかも。
今年もまた死に1歩近づいてしまった、なんて考え方もできる。
でもそれと引き換えに、今年もまた安心できた。
僕の存在は認識されてるみたいだ。
大人数は居心地が悪い。
興味の無いことには興味を持てない。
これで20年間生きてきちゃったので。
「波長が合う」
【試作品】鯨は大腿骨さえ楽にcan't stop
ある朝目覚めると、僕は(あばら骨から)人間だった。しょうがないので人間として生きることにした(むしゃむしゃ)。人間というものは不思議な生き物で、気長に落語も食べられないらしい。僕は川にサケを放流しながら、その残酷な運命を呪った。
「君は皿洗いセンターの梅雨前線だね」
そう話しかけてきたのは、母親役の動画だった。僕はため息混じりにその姿をアンインストールした。とにかく、この場から(卒業したくない)
【試作品】こど7の日
かまぼことなすを炒めてごぼう抜き
腹パンとねこはほとんど同じです
奈良盆地君と僕との歯磨き粉
頭から句読点なら知りません
やまびこの太郎悲しむヤモリ塚
枕元ミトコンドリア死んでるよ
ソクラテス焼肉くさいソクラテス
やかましい私今からお風呂なの
竹やぶにお隣さんのマーケット
【試作品】醒めたパイナップル
心よりバナナワニ園
涅槃のアヒージョ
振り向いていなげや
願わくばビットコイン
サムギョプサル言い値
花魁道中膝栗毛
船酔いのグラニュー糖
意固地なロイロノート
せめてものオカメインコ
呪的な婚姻届
腹筋よりパプアニューギニア
話してもデリダ
この世をば次亜塩素酸
宇宙のレトリック
ザンビアの藤子・F・不二雄
時効成立の南蛮貿易
0点からのイムジン河
暗闇に浮かぶポロネーゼ
湯気の立つ
「面白い」人って何なんだよ
今回はエッセイ的なものです。
僕は昔から人前でボケるという行為が苦手です。なぜならスベって恥をかきたくないからです。なんてちっぽけなプライドなんでしょう。基本的に子供時代から「失敗したくないから挑戦したくない」という消極的な思考に囚われていて、今は大分改善されましたが、それでも嫌なものは嫌なのです。
日常会話でも常にボケを挟んでくる人は、時々話していてしんどいときがあります。本人は楽しませよう
【試作品】Disability
徐々明転
舞台中央に死体が一つ。
徐々暗転
盲導鈴の音が鳴っている。
明転
A、死体を担いで持ってくる。
A:すみません。
B:はい。
A:これ落ちてたんですけど。
B:あ、拾得物ですね。ではこちらでお預かりします。
A:はい。
A、死体を机の上に置く。B、バインダーを取り出す。
B:えーとこれは…男性の死体ですかね。
A:そうですね。
B:……どこで拾われました?
A:そこの、券