深夜の3時26分に、ICレコーダーが勝手に録音を開始した話
怖さ:★★☆
ある商業施設に入っているテナントで働いている女性に伺った話です。
彼女の職場では、各種セミナーなどを開催していますが、講師の質の向上やほかの社員の勉強のために、セミナーの内容を録音することがあります。
録音した音声をICレコーダーからパソコンに移して、整理する業務は、彼女の仕事です。
さて、ある日、セミナーが終わって彼女が録音したデータを整理していた時のことです。
どういうわけか、録音された音声のデータが2つあることに気が付きました。
その日のセミナーは1つだけのはずだし、しかも通常のセミナーは60分から長くても90分程度なのに、2つある音声データうち、ひとつは8時間近く録音されていました。
不思議に思って調べると、その長い音声データは、深夜の3時26分に録音が開始されています。
試しに長時間の音声を聞いてみると、冒頭の一瞬だけ男性の声が入っていて、あとはシャーという無音の状態がただ、続いていました。
男性の声も特におかしなことはなく、ごく普通に誰かと会話しているだけ。商業施設なので、深夜に工事が入ることもあるとは思うものの、彼女の勤務先では、長いこと工事の発注はしていません。
また、同じフロアの他店で工事をしていた可能性はありますが、録音データに作業の音が入っているわけでもありません(さすがに8時間分、すべての音声を聞いたわけではないそうですが……)。
音に反応して勝手に録音が始まるようなレコーダーも世にはあるそうですが、そのICレコーダーは1年以上使っていますが、過去にそのようなケースは一度もありません。確認しても、職場の誰かが設定を変えたということもありませんでした。
そもそも、スイッチを切って受付の引き出しにしまい、鍵もかけているのに「勝手にスイッチが入っているってヤバくないですか?」と言っていました。
気になったので、勝手に録音が始まっていたICレコーダーは、いつ、誰がスイッチを切ったのか?と尋ねてみると、勝手に録音が始まっていた翌朝、男性社員が自分の講演を録音しようと準備していた時に電源が入っていたので、一度スイッチを切って使ったとのことでした。
その男性社員は、スイッチを切った時には、特に不思議とも何とも思わなかったそうです。
話し手:20代 女性
採取時期:2023年10月
採取場所:東京都内
職場でのなんか怖い話
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