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怪奇現象の起こる火葬場で、お坊さんだけは何も感じない話

怖さ:★☆☆

亡くなった方の遺体を火葬する火葬場。多くの火葬場では、火葬施設だけでなくお葬式を行える葬儀式場が併設されています。

火葬場併設の葬儀式場でお葬式をあげると、お葬式の後、車に乗って火葬場に移動する必要がなく、遺族にとっても負担は少ないというメリットがあります。

さて、今回はお葬式の仕事でよく火葬場に行くお坊さんに聞いたお話を2つご紹介します。

埼玉県の火葬場での話

ある日、そのお坊さんが葬儀で導師を務めるため、埼玉県にある火葬場を訪れました。時間が空いていたので控室にいると、やはり同じ控室で休憩していた葬儀の司会者(女性)が「実は……」と話してくれたそうです。

公営の火葬場では、夜間は比較的早めに施設が閉まるので、お通夜の後など、葬儀社の担当者が戸締まりをして帰るということもあるそうです。

その司会者が以前、その火葬場でお通夜の司会を担当した時、最後になったので葬儀の担当者と一緒に灯りを全部消して、戸締りをしました。

ところが火葬場を出ると、式場と控室の窓が灯りが付いているように明るいのです。しかも、中で何かが動いているように灯りが揺らいで見えたそうです。

「何か感じません?」と聞かれたけれど、お坊さんは件の火葬場にいても何も感じなかったので、「わかりません」と答えたそうです。

千葉県の火葬場の話

また別のある日、そのお坊さんがやはり葬儀のために千葉県にある火葬場を訪れました。

その日も、お坊さんが空き時間に控室にいると、同じ部屋にいた50代くらいの女性司会者(埼玉県の火葬場であった人とは別の方)から、「こんなことがあったんだけど」と話しかけられました。

その司会者が控室に一人でいると、誰もいないのに窓にかかったカーテンがまるで誰か人が通ったときのようにふわっと揺れたのだそうです。

その火葬場は「不思議なことが起こる」と関係者の間でも有名な場所で、控室のほかにも、例えば2階のトイレでは誰もいないのに水が流れる音がしたり。

司会者だけでなく葬儀関係者の中には、2階のトイレに入ることを怖がって、わざわざ1階のトイレまで行く人もいるそうです。

しかし、お話をしてくださったお坊さんは幸か不幸か、そうした不思議な経験は全くないそうです。

「話を聞かせてくれたのはどちらもベテランの葬儀司会者で、とてもお元気な女性の方です。『お坊さんなのに幽霊を感じないの?』といわれるんですが、本当に全く感じないんです。鈍くて申し訳ないです」とおっしゃっていました。

話し手:お坊さん
採取時期:2022年8月
採取場所:Google Meet

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