狐のお守りを放置していたら、狐のお面を被った女の人が出てきた話

怖さ：☆☆☆　

先日、髪を切りに行った時に、美容師さんに聞いたお話です。

美容院に行くたびに「怖い話あります？」と聞いていたのですが、さすがにいつも怖い話ばかりせがんで「厄介な客」と思われてしまうのは不本意なので、今回は黙っていました。

すると、髪を切ってくれた美容師さんが、最後に髪型を整えながら「娘の話なんだけど……」と話してくれました。

ある日、美容師さんのお嬢さんが、恋愛成就で有名な神社に行ってきました。そして恋愛のお守り（？）で、巻物を口にくわえた狐の置物を買ってきたそうです。

置物には小さな器が付いていて、お供えをするようになっていました。

しかし、お嬢さんは何もせずにそのままにしていたので、しばらくは美容師さんが毎日、置物の前に水をお供えしたり、お香を焚いたりしていました。

でも、そのうち器が汚れてきたので捨ててしまい、それからは誰も狐の置物にお供えをすることもなく、置きっぱなしになっていました。

そのまま、しばらくたったある日、美容師さんのお嬢さんが小さな器を買ってきました。そして、水を入れて狐の置物の前にお供えしました。

それを見た美容師さんが「どうしたの？」と尋ねると、「夢に狐が出てきたから」という返事でした。

ある晩、お嬢さんが寝ていると、金縛りにあって体が動かなくなりました。すると狐のお面を被った女の人が現れ、「私はあなたから水が欲しいの」と言ったのだそうです。

その後、お嬢さんは毎日、狐の置物に水をお供えするようになりました。

そのお陰かどうかはわかりませんが、お嬢さんには出会いがあって、最近彼氏ができたそうです。

話し手：女性　美容師
採取時期：2022年9月
採取場所：東京都内

神様と、なんか怖い話