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作品

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吉田恭大(1989〜)の短歌。出したり引っ込めたりします。
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2021年8月の記事一覧

夏の連作を置いておきます

夏の連作を置いておきます

皆様いかがお過ごしですか。わたしは、稼業はいよいよ末期だし、精神もいっぱいいっぱいになってきました。ポンポさんとレヴュースタァライトに救われている。

色々の書き物を整理しました。
未発表原稿は惜しいので既発表原稿を貼っときます。

〇夏の連作。昨年『文學界』に掲載されたもの。
『アーカイブ2020/2008-2018』に収録しています。

〇夏の連作その2。
『天気の子』を観た勢いで編んだ奴。

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「六月が七月を迎えて、あらゆる朝に」

「六月が七月を迎えて、あらゆる朝に」

目がさめて耳で測った体温が(わたしたちには体温がある)

早朝のニュースですこし触れられる夜中の地震 気付かなかった

鈴の音がするのは鈴をつけた猫 見たことはないけどたぶん白

妹と妹の飼うねずみとの間くらいのふかいわかりみ

十二時から二時までの荷物を待って、一時に届いてから部屋を出る

かるがもの池から雛が少しずつ減ってゆく日々、日々の出来事

三桁をこえる見込みのその中にまた含まれてい

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