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2021年よかった映画10選

せっかく2021ベスト10をツイートしたし去年は人生で一番映画を観たので(2019年も同じこと言ってる)、久しぶりにnoteにまとめることにした。



ベイビーわるきゅーれ

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好きすぎて去年2回観た映画。
高校卒業したて社会不適合殺し屋女子のバディシスターフッド映画。あずまんが大王みたいなゆるっとした日常がかわいくて永遠に観ていられる。それだけでも満点なのにそれだけで終わらないのがこの映画のすごいところで、近年稀に見る大迫力のアクションシーンにびびらされる。CGや効果をガンガンに使ってるわけではなく商業映画みたいな派手さはないが、それを補って余りある俳優陣の生のアクションが凄まじい。これを観てスタントパフォーマー伊澤彩織さん(主人公まひろ役、画像右)のファンになってしまった。かっこかわいすぎる。



偶然と想像

第三話「もう一度」より

「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介監督作品。20代、30代、40代それぞれの年代の女性を主役とした三作の短編集。ありそうでなさそう、でもやっぱりあるかもしれない小さな偶然と、そこから生まれるさまざまな出来事や想像、感情の揺らぎを淡々と映した作品。ザ・会話劇映画で映像に大きな動きはないが、こちらの感情は静かに大きく揺さぶられる。歳を重ね人生経験を積んだ人ほど刺さるものが多くなっていくんだろうなと思う。観終わった後は、ちょっとした偶然を信じてみたくなったりした。



マリグナント

「SAW」「死霊館」「アクアマン」ジェームズ・ワン監督作品。集大成という言葉が相応しいホラーエンターテイメントの最高峰。「詰め込みすぎ」がいい方向に働いており、二転三転するのはストーリーだけでなく映画のジャンルそのものまで変わっていく。ちゃんと怖いし、ちゃんとハラハラするし、ちゃんと楽しい。ホラーとして目新しいことをしているわけではないのに、今までのホラー映画・ホラーゲームで使われてきた要素要素の組み合わせ方がとても新鮮。ホラー好きなら絶対に満足できる一作。



シン・エヴァンゲリオン劇場版

去年2回観た映画そのに。
これに関しては思い出と感情が強すぎてうまく文章にできる自信がない。思春期に初めてエヴァに触れた時の衝撃、親友とテレビシリーズを一気見した夜、なかなか公開されない次回作、色んな人と鑑賞した新劇場版、2020冬のリバイバル上映、そして満を持しての完結。わたしの隣で一生うじうじしていたシンジがいつのまにか先に大人になってしまって、初見の時は悲しすぎて全く受け入れられなかった。でも、きっとこれ以上の終わり方はなかったと今では納得できている。おめでとう、そしてありがとう。



君は永遠にそいつらより若い

まあまあうまくはやれているけど、ちょっと空気が読めなくてコミュニケーションを取るのが苦手な主人公ホリガイ。就活を終え最後のモラトリアムを満喫する中で、イノギという女の子と出会い、付かず離れず関わり、互いが互いの救いとなっていく。他人との関わりに悩んだことのある人、とりわけ悪気なく人を傷つけて後悔したことのある人に観てほしい作品。人との関わり方を考え直すきっかけになった。この映画と出会えて本当に良かったと思う。



サマーフィルムにのって

「お耳に合いましたら。」松本壮史監督、主演伊藤万理華のタッグが贈る爽やかな青春SF(すこし不思議のSF)。「お耳」と同様に好きを好きでいることに貪欲な作品で、仲間と一緒に好きなことを追求する主人公たちを眺めているだけで楽しい。われわれの「こんな高校生活過ごしたかった」を具体的に映像にしたらこうなる。「桐島、部活やめるってよ」「時をかける少女」「映像研には手を出すな!」「映画大好きポンポさん」などの作品に通ずるものがあり、このどれかが好きなら絶対に楽しく鑑賞できるはずだし、そうでなくても映画というコンテンツが好きって人に観てほしい一作。



ドライブ・マイ・カー

先に紹介した「偶然と想像」濱口竜介監督作品。村上春樹の短編小説が原作。喪失体験から逃げずに「正しく傷つく」ために、3時間かけてゆっくりと丁寧に自分の傷と向き合っていく。確かに3時間は長いけど、観終わるとその長さがわたしたちに必要な時間だったことがわかる。演出、小道具の使い方、光の使い方がすごく良くて、映画としての完成度が高すぎる。海外の映画賞を総ナメしているのも納得。タバコを吸う人、運転手として車に乗る人にはとりわけ刺さるんじゃないだろうか。



スパゲティコード・ラブ

東京を舞台にした若者たちのオムニバス映画。物語同士の繋がりは薄いがそこが逆に良くて、わたしの人生は他の誰かにとっては背景で、わたしにとっての背景は他の誰かにとっては大切な物語なのだと改めて気付かされる。だけどそれらは全く関係のない世界というわけではなく、同じ世界の中で絡まり合って存在している。それぞれが抱える「生きていくしんどさ」を、肯定も否定もせずただそこにある東京として捉える。その中で懸命にもがく彼らの物語が、誰かの救いとなることだってきっとある。



アンテベラム

「ゲット・アウト」「アス」のプロデューサーが放つ黒人差別スリラー。上記二作は未視聴だったため、初めて観た時の衝撃が大きかった。テーマがテーマだけに酷い差別表現や性的暴行描写もあり万人に薦められる映画ではないが、脳汁はドバドバに出るし背筋もゾクゾクに震わされる。公式のあらすじすらも読まずに観て欲しい作品。予告も見ないでほしいので載せません。



花束みたいな恋をした

「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」坂元裕二脚本作品。サブカル人間の恋愛あるあるが詰まっていて、当時似たような始まり方の恋をしていたわたしには酷い刺さり方をした。自分の「好き」に対して誠実でいることができているのか自信が持てなくなった。悩みすぎてこんなブログまで書いた。

最近読んでめちゃくちゃ納得した映画評を載せておきます。


まとめ

2021年は(わたしにしては)めちゃくちゃ映画館に足を運んで、良い映画とたくさん出会えた一年だった。2022年は生活も大きく変わって映画館も遠くなっちゃうけど、また好きな作品に出会える一年だといいなあと思う。



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