ゴールに向かって最短距離で進むことを考える
先日、拝読させていただいた「僕は君の「熱」に投資しよう」が、今の自分が抱えているモヤモヤをさっと解消してくれる素敵なエッセンスが盛り込まれている本だったので、後で見返すためにも内容をまとめておこうと思います。ぜひ読者の皆さんも機会があれば、読んでいただけると幸いです。
「やったほうがいいこと」と「やらなければいけないこと」
ゴールにたどり着くために、
「やったほうがいいこと」と「今やらなければいけないこと」
の区別が付けられているか。
この問いにこの本で言いたいことの全てが集約されているように感じました。
著者の佐俣アンリさんが伝えたいこととしては、何かをやりたいという「熱」があるんだったら、廻り道しないで最短距離でぶつけようぜ!
ということだと思うのですが、やりたいことを実現する為に意外と遠回りしている人が多く、その遠回りに気付いていない人が多いという現実を突きつけられた気がしました。
現に今の自分も「今やらなければいけないこと」を後回しにして、「やったほうがよいこと」に明け暮れているので、急所をひと突きされたような気持ちになりました。
具体的には、仕事では今開発しているプロダクトを成功させたい、また、将来的に、起業して社会を変えるサービスを作りたいという想いがあるのですが、その夢を達成するためのアプローチとして、本を読んで自己研鑽したりMBAに通うことを考えたりと、、
やってマイナスになることではないのだが、絶対にやらないといけないことなのかというと、疑問符が残る内容にひたすら向き合っておりました。
もっと言うと、起業をするにあたっては、会社運営の全般(経営戦略、マーケット、ファイナンス、総務、法務、人事、PR、広報、プロダクト開発、営業、新規事業の立案など)の知識が必要になると思いますが、これらの基礎知識を一から全て学んでから起業をしてたのでは、いつまで経ってもその時は来ない、ということに対して、何ら疑問を感じていなかった自分に気づかされた感じです。
※もちろん、勉強すること自体は本当に素晴らしいことなので、それは全く否定してません。
正直、怖いしリスクが大きいかもしれないですが、「これをやりたい!」、もしくは「世の中を変えたい!」という思いがあるのであれば、起業をしながら会社運営に必要な知識は学んでいく、そして、どうしても難しい領域がもしあれば、そこは詳しい仲間に協力してもらう、というように、ある意味、会社の成長=自らの成長と捉えて目標に向けて最短距離で進むことを考えることをこの本で気付かされた気がしました。
事業を立ち上げる為のエッセンス
起業をするためのプロセスを端的に述べると、自分のイメージは以下のような形です。(※あくまで自分の見解)
①事業アイデアの洗い出し
↓
②アイデアの絞り込み、具体化
↓
③アイデアのブラッシュアップ
↓
④MVP(Minimum Variable Product)の構築
↓
⑤Web公開
↓
⑥事業展開するかの判断
↓
これでやるとなった場合は、事業計画策定、法人設立準備などを進める
ざっくりこのような流れかと思うのですが、各々の過程で、この本に書かれているエッセンスが生きてくるような気がしました。
①〜②事業アイデアの洗い出し、絞り込み
起業するにあたり「何の事業に挑戦するのか」
これが最大のポイントになると思うのですが、あまり堅苦しく考えず、とりあえずは思いつく限り50個くらい洗い出してみて、本当にやりたいもの(10個くらい)に絞るという作業をやってみるのかな、と私は感じました。
事業アイデアを絞るプロセスの中で、誰も取り組んでいない新規性のあるものか、これでビジネスが成り立つのか、など色々頭を駆け巡ると思うのですが、そんなことよりも一番は、
その事業アイデアに「熱」を注ぎ続けられるか
が大事であると本では書かれています。
事業を立ち上げてから上手くいくのかどうかわかるのは早くても3年以上はかかると思うので、それくらいのスパンで夢を見続けられる事業アイデアかが重要なポイントだと思います。
③アイデアのブラッシュアップ
事業アイデアのブラッシュアップという過程では、とにかく自分がよいと思ったアイデアを色々な人に会って話すということが重要なのかなと思います。
ここでのフィードバックで事業アイデアが修正されることもあると思いますし、逆によいアイデアであれば、協力したいと名乗り出てくる人が出てくるのではないか、と思います。
また、事業を成長させる「場所」についてもアンリさんの本では1つの章を設けて語られていたので、それについてもここで認(したため)ておきたいと思います。
成功の9割りは「場所」で決まる
本書では、こんなことが書かれてます。
場所というのは、2つの意味があると理解してますが、1つは「どの事業で挑戦するか」、もう1つが「どの環境で挑戦するか」です。
「どの事業で挑戦するか」
これは、同じ起業というチャレンジでわずかな成功が得られる事業を選択するのか、リスクは高いが大きな成功を得られる事業を選択するのか、です。
本書では、女性向けアクセサリー業界のサービスから、ドローン事業へピボットをした起業家の阿部亮介さんの話が出てきますが、起業家として、VC(ベンチャーキャピタリスト)から投資してもらえるほど優秀なのであれば、成功しても小さなリターンしか得られない市場規模の業界よりも、リスクが多少高くてももっと大きな成功を収められる事業を選択すべきだと語られております。
もちろん、「これをやりたい!」ということが前提とはなると思いますが、その事業に人生の3〜5年以上を掛けるということであれば、数10倍、数100倍の大きな成功が得られる事業を模索するのは良いことであると考えます。
「どの環境で挑戦するか」
これは、端的に言ってしまうと、起業家が集う場所でチャレンジすれば、惰性でも成功を収めてしまうだろうということです。
例えば、東大の中で平均的な成績だとしても、世の中からしたら、同学年の上位1%以内の成績優秀者になるということと似たニュアンスだと思いました。
話を元に戻すと、ここで言いたいのは、アイデアのブラッシュアップ過程では、ある程度「場所」を決めておくことが一つポイントになるのではないかと感じたということです。
⑥以降(事業立ち上げから、スケールまで)
この事業でトライすると決めてからのプロセスはあまり細かく明記していないですが、重要なエッセンスが色々を詰まっており勉強になったので、印象に残ったポイントに絞って記載を残しておこうと思います。
事業の成長 = 起業家の成長
本書では「起業家の成長とは、事業の成長のみ」と語られておりますが、この背景としては、事業がスケールするにあたって、その規模に応じた経営戦略や組織マネジメントが問われてくるので、それを一つ一つ乗り越えていく階段こそが起業家としての成長だと語られております。
相対する社員の数が増えたり、投資家、取引先が大きくなればなるほど、伝えるメッセージや交渉内容が変わってくる為、起業家としての顔色もガラッと変わってくる。
そんなことも書かれています。
頑張っている自分に酔いしれている人は、私自身も含め結構多くいると思いますが、頑張った先に何を達成したいのか、ゴールから逆算して現状を評価する癖をつける必要があると感じました。
1つの事業アイデアに固執しない
①〜⑥のプロセスの中でトライすると決めた事業について、プロダクトの成功を信じて先の見えない藪の中を進む中で、上手くいかないという場面に遭遇することが多々あると思います。というか、ほとんどの事業が一度はそういう経験があるように感じます。
そんな時にこれまでやってきた事業に固執せず、別の事業へとシフトチェンジ(ピボット)するための判断ができるか、という点が本書では問われています。
ここで面白いのが、Twitterの前身である「Odeo(オデオ)」も当初はジョークをアップするブログサービスであったり、Youtubeもデート相手のマッチングサービスが発端であったりと、今インターネット上で当たり前となっているサービスもピボットを繰り返して今の形となってきているという点です。
このような事例を見ると納得できると思いますが、初めに考えた事業アイデアがそのまま成功するとは思わない方がよいと思いました。
怖くても逃げない
本書では、修羅場に直面した時にベンチャーキャピタリストによって3種類の特性(やり過ごすやつ、被害者ぶるやつ、一緒に地獄に落ちるやつ)に分かれるという話が書かれております。
私自身も修羅場をいくつか経験してますが、これほど大きな修羅場はなかなか経験できないなという事例(DeNA、コインチェックなど)がいくつか語られてます。
修羅場に直面した特にその人の本性が出ると言いますが、どんな場に直面しても当事者意識を持って逃げないでいられる自分になるためには、修羅場をたくさん経験する必要があると考えます。
(あまり経験したくはないものですが)
修羅場をたくさん経験することで、その時に自分はどのような立ち振る舞いをするのか、どんな人間になってしまうのか、を俯瞰できるようになれば、いざ修羅場を迎えた時も冷静に正しい判断ができるのではないかと考えます。
まとめ
今回、佐俣アンリさんの「僕は君の「熱」に投資しよう」を読んで、今後、自らが事業を立ち上げることに一念発起した際の参考となるエッセンスについてまとめてみました。
人生のピーク年齢が26〜30歳と語られてましたが、本当にチャレンジするなら早いに越したことはないと思うので、個人的には、今からでもやりたいと思っていることにトライする準備を進めようかと考えております。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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