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ドイツの虫

ドイツで生活をして一年半ほどが過ぎた。
いろんなことに慣れてきた中で、最も慣れたものが“虫“かもしれない。

ドイツには大量に虫がいる。
例えば、ハエ。
ハエはその辺りをブンブンしているだけではなく、気づくと家の中にいる。
キムチとか、匂いの強い料理を作ると3匹くらいのハエがやってくるので、調理の前に窓を閉めないと大変なことになる。
ちなみに、ドイツには殺虫剤は売っていないので、基本的には丁重に外に出て行ってもらうか、家の中でひっそりとご臨終させるしかない(一応、虫は殺してはいけないことになっているそうだ)。

大前提だが、ドイツの家には網戸がないので、窓を開けて換気をすると漏れなく虫が入ってくるのだ。
一応自分で取り付けられる網戸も売ってはいるのだが、適当なものを付けてしまうと、もう一度取り付ける気持ちごと子どもに剥がされて終わる。
買って付けるからには、丈夫なものをきちんと調べて買うことをお勧めする。

それから、ハチ。
ドイツは本当にどこでもハチがたくさんいて、ちょっと公園でピクニックしようとお弁当を開けるとハチがやってくる。
甘い物を食べて口に付けたままにしていると、ハチがやってきて刺される。
何もしてなくても刺されることもある。
綺麗な色の物を持っていると、もれなくハチにたかられる。

そして、ハチも家にやってくる。
こちらは甘い匂いと綺麗な色に誘われるようで、ケチャップ料理とか、ジャムを作ると大抵やってくる。
さすがにハチに攻撃されるのは嫌なので、こちらも丁重に帰っていただくほかない。

雨が降った後には、道に大量のカタツムリが出てくる。
道に点々といるので、10匹に1匹くらいは踏まれている。
人生でこんなに大きいカタツムリをこんなにたくさん見たことがなかったので、最初は「うおーーー!」と思った。
しかし、子どもが夢中になって20匹くらい集めてきた時には、さすがにかわいいとも思えず、公園で放流して自然に戻っていただいた。

あとは、てんとう虫もバッタも公園に行けば大体いる。
蜘蛛もシミも家の中にたくさんいる。
おかげで、昆虫観察はし放題だ。
最初はハエにすら慣れていなくて「ぎゃー!」と騒いでいたが、最近ではハエやハチが家に来ようが料理は続行できるようになった。
蜘蛛だって、そんなに好きではないが、外に放してあげようという気持ちも芽生えている。

慣れって本当にすごい。
だけど、蜂の“ブーン“を耳元で聞くのはまだ慣れていない。
刺されないまま、日本へ戻りたい。

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