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若林正恭『ナナメの夕暮れ』「ベストスコア」に思う

全体的な話はこちらをどうぞ。

大筋紹介

『ナナメの夕暮れ』の中に当時孤独なアラフォーだった筆者が何故ゴルフにハマったのかを紹介している「ベストスコア」という話があります、ざっくりまとめると以下のような理由が挙げられていました。

・孤独な独り身であっても楽しむことができる
・疲労感がちょうどよい(バスケみたいに足をやることもないですしね)
・アラフォーになると上達することは滅多になくなってくるにもかかわらず、上達を感じることができる
・意外に面倒なコミュニケーションが不要

意外といいじゃんゴルフと思いました。ただ、お金と時間がかかるので私はできないですが。

印象に残った箇所

結びの部分が印象に残りました。

ゴルフの帰りに先輩に「大体、自分の能力も分っちゃってて、できることが限られてることが分かっちゃって、スーパースターになれないと分かったらこれから何をすれば良いんですかね?」と聞いたら、その方「ベストスコアを維持するってのも難しくておもしろいんだよ」をおっしゃっていた。
若林正恭著『ナナメの夕暮れ』「ベストスコア」より一部抜粋

私も若い頃はなんでもできるような、何者にも成れるような気がしていたんですが、年齢を重ねるにつれ、どのジャンルでも自分を遥かに超える才能を持つ人がゴロゴロいることがわかり。同じ仕事を長期間続けることで、自分の限界もみえるようになり。自分が少なくとも昔描いていた何者かにはなれないことがわかってきました。

んで、これからの人生楽しくねぇなとか思ってた私には、この先輩の言葉は刺さりました。ちょっと泣きました。「人は緩やかに下降していくことをも楽しむことができる」というのは、これからの人生の当面の指針になりそうです。

これは現在の私の気分も関係しているのかもしれないですが、この『ナナメの夕暮れ』は全体を通して「老い」ってのがテーマな気がします。そう考えると同世代にこそ読んでほしい本ですね。

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