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#読書の秋2021

2021年11月に読んだ本まとめ

先月から読んでいた『スター』を読み終わりました。章ごとに止まって自分自身の考えをまとめるというのは思った以上におもしろく、特定の本については、これからもそういった読み方をしてみようと思います。 読み終わった本『スター』 10月に読んで色々と考えながら読んでみたくなったので、11月に章ごとに考えをまとめながら読んでみました。関連の記事を以下に貼っておきます。 『笑いのカイブツ』 華々しく楽しそうに見える笑いの世界、その地獄の面を描きながらも、全く関係ない私でも不思議と心

若林 正恭著『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』キューバを読んで思った、本を読む理由

20代前半ぐらいまでは、本を読む理由といえば物語を楽しむためでした。けれども、20代の中盤ぐらいに、自分がもやっとなんとなく思っていることが、本で言語化されていることがあって、それから本を読む理由の半分ぐらいは、そういった本に出会うためになりました。 そういった本を読むと、変な表現ですが、その概念を応用することができるようになるので、ストックを溜めておくと何かが起こった時に色々な方法で出来事を解釈することができるようになります。 なので、知ることは動悸を鎮めるという表現は

朝井リョウ著『スター』の感想

と言うことで、章ごとに感想を書きだして読んでみました。完全に小説の読み方じゃない気がしますが、自分の中ではこれまで以上に小説を楽しみつつ、色々と考えることが出来て非常に良い読み方だなぁと思いました。特に印象に残った箇所を紹介していこうと思います。 これは、特にクリエイターに限った話ではなくって、正解や正道が無くなった世界で、他人の正解を否定するってのはアホっぽいので気を付けたいところ。ただ、人類が今まで積み上げてきたものの上に成り立っている科学は例外だと思うけど。 モノづ

朝井リョウ著『スター』13の感想

泉曰く、可処分時間をコンテンツの消費に使うのではなく、自分が人生をかけて為したいことなどの、有意義なことに使いたいと考えた人がオンラインサロンに入会して活動しているのだそうだ。 泉は、お金を払って体験を買っていることからコト消費と言う風にオンラインサロンを捉えているんだけど、おそらくそこはメインではなくって、同じ趣味の人と交流が出来るコミュニティーにお金を払っていると捉えたほうが上手くいきそうではある。 私は時間の過ごし方に貴賎は無いと思っているので、そういう風に感じるの

朝井リョウ著『スター』11の感想

Youtuberのマネジメントと、動画配信サービスをやっている会社で働く紘は社長からやらせを持ちかけられる。と言う話。 誰もが発信できる世の中になったということは、発信者目線で語られがちだと思うんですが、この章は消費者目線で考えるきっかけになりました。 消費者目線で考えると、誰もが発信できるようになったことで出会えるコンテンツが豊富になりました。コンテンツが豊富と言うことは自分の好みに合ったコンテンツを見られる時間が増えるという良い面があります。 自分が好きなゲームのプ

朝井リョウ著『スター』8の感想

作品の質を高めることよりも、クリエイターが有名になることの方が、作品を多くの人に届けられるということが書かれています。 これは、インターネットの発展などにより個人の発信力が高まったため、有名になってしまえば、多くの人に作品をおすすめすることが可能になったことと、多くのコンテンツがコンシューマーの可処分時間を奪い合っている現代において定義の安定しない質の高い作品よりも、知っているあの人が作った作品の方がより選ばれることが原因です。 そんなこんなで、現代のクリエイターは作品の