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朝井リョウ著『スター』8の感想

作品の質を高めることよりも、クリエイターが有名になることの方が、作品を多くの人に届けられるということが書かれています。

これは、インターネットの発展などにより個人の発信力が高まったため、有名になってしまえば、多くの人に作品をおすすめすることが可能になったことと、多くのコンテンツがコンシューマーの可処分時間を奪い合っている現代において定義の安定しない質の高い作品よりも、知っているあの人が作った作品の方がより選ばれることが原因です。

そんなこんなで、現代のクリエイターは作品の質だけでは不十分で、コンシューマーにまず興味を持ってもらえるように、自身の影響力でも勝負する必要があります

私は、クリエイターが倫理的な問題を起こした際に、作品が叩かれる様を見て、作品と作者は切り離して考えるべきだと思っていたのですが、上記の様に作品と作者が不可分であることを考えると、クリエイターに対する正の感情から作品を選択している人が、負の感情を持った際に作品の評価を下げるというのも、不条理とは言えないなと思った次第です。


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