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朝井リョウ著『スター』11の感想

Youtuberのマネジメントと、動画配信サービスをやっている会社で働く紘は社長からやらせを持ちかけられる。と言う話。

誰もが発信できる世の中になったということは、発信者目線で語られがちだと思うんですが、この章は消費者目線で考えるきっかけになりました。

消費者目線で考えると、誰もが発信できるようになったことで出会えるコンテンツが豊富になりました。コンテンツが豊富と言うことは自分の好みに合ったコンテンツを見られる時間が増えるという良い面があります。

自分が好きなゲームのプレイ動画を飽きるほど見たり、自分と価値観がそれほどズレていない人の考えを読んだり、あまり一般的じゃない趣味について発信している漫画を見たりすることも出来るようになりました。

では、逆にデメリットにはどんなものがあるのかと言うと、上記のツイートに書いたようにコンテンツの精査を自分でしなくてはならなくなったという点があります。以前は、発信元が絞られていたため、そこである程度の精査が行われ、最低限の倫理観やクオリティは担保されていたのですが、現代のコンテンツは本当に玉石混交です。

また、これを押さえておけば、明日の職場や学校で話のネタになるというコンテンツが無くなったというのも、ある一定の層の人にとっては問題になっているのではないかと思います。好みがはっきりしている人はいいのですが、そうでもない人からするとスタンダードが無いというのはそれはそれで困ることだろうと想像します。

その辺りの話は以下の記事で書きました。


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