見出し画像

#028 「説明写真」を撮影しようー美大生による簡単レクチャー

こんにちは! 

今回はDDチームのリーダー 山口遥輝くん(視デB4)により
7月に実施した写真撮影に関するレクチャーをご紹介します

写真撮影にあたっての心得が詰まっているので
永久保存版としてぜひ参考にしてください📷



「芸術写真」と「説明写真」

まず世の中には
「芸術写真」「説明写真」とが存在しています

ざっくり分類するなら、

  • 芸術写真:芸術的感性によって撮られた、美しい、かっこいい、可愛い、面白い写真

  • 説明写真:何らかの伝達・説明を行う助けとなる写真

といった感じです

では、どちらが「説明写真」だと思いますか?

正解は…「伝えたい内容による」です!

左=ゴミネットの素材を伝えたいとき
右=ゴミネットがどのように生活に関わっているかを伝えたい
 です

どちらかが正解ということはなく、
状況によって適切な写真は変わるのです


「説明写真」の役割とは

Tokyo Scopeプロジェクトや一般的な雑誌でメインとなるのは「説明写真」です

その役割について理解を深めていきます

  • 内容の補足:説明文と組み合わせることで、文章だけでは伝えづらい内容を補足します

  • 視覚的な理解の促進:例えばグラフやチャートを使用する際に、それらを説明するための写真を組み合わせることで、瞬時に何のデータ、統計なのか分かります

  • 興味と関心の喚起:長い文章や膨大な情報でも、説明写真を挿入することで、興味や関心を持続させられます

  • 一貫性の確保:全体を通して、写真の色調やスタイル、位置を合わせたり、テーマに合わせた写真を使用したりすることで、統一感がでる。扉に写真を入れることなどの意味はここにもあります

以上の4つを意識しながら、写真を撮影する必要があります


実際の撮影について

役割を理解したところで、実際に撮影に行くときの技法を身につけていきましょう

こと本紙に使う写真については、
実は一眼レフやミラーレスでなくても、スマートフォンでも十分よく写る性能を持っています

しかし構造上、撮像素子(センサー)が小さいため、
どうしても被写界深度の深い(ピントが合っている範囲が広い)写真になります

また手前から遠景まで全てにピントが合って、
確かに精細ですが、煩雑な印象の写真になることもあります


具体的には、左右の写真を比較すると分かります

ミラーレス一眼(左)で撮影すると手前にだけピントが合いますが、
スマートフォン(右)で撮影すると奥までピントが合うのです

紙面をイメージしながら使い分けると、より良い説明写真になります


状況を説明する「説明写真」

撮影する機材だけでなく、
写真を撮る角度や位置によっても状況を物語ることができます

たとえば、冒頭で触れたゴミネットについて

など、どのような意味や役割を与えるかによって、撮影の仕方も工夫が必要です


撮影する時間帯について

加えて、撮影する時間帯についてもかなり重要です

屋外撮影する場合は、太陽の傾きや方向、天気が一番有効な時間を探して撮影すると良いです

必要のない状況説明をしてしまうときも

町並みも、時間と太陽の当たり方により違う表情を見せます
表現したい時間と場面を吟味して撮影できるようにしましょう

特に静物は、時間によってどうしても逆光になってしまうこともあります


写真内に余計なものが入らないように

実は写真撮影するときには、撮影したいもの以外にも気を配る必要が有ります

たとえば景観写真を撮影する場合、
電線がどうしても画面に入ってしまうことが多いですが、
入らないほうがすっきりした写真になります

(プロのカメラマンは、このあたりにかなり配慮します)

もちろん説明写真なので、電線も生活風景も一部ですが、
表現したい被写体によっては不必要なものであり、画面は煩雑になります

適した撮影ポイントや構図を探すことが必要です


より良い写真を撮るために

これまで説明写真を撮影するときに意識すると良いことを説明してきましたが、
そのために最も大切なことは、

とにかく動く!たくさん動く!

です!

必要なアングルや構図を得るために、とにかく自分が動いてみましょう

ただ立ってカメラを構えるのではなく、様々な角度から捉えてみてください

対象の周りを一周してみたり、しゃがんだり、頭上から撮ったり…

何枚でも撮れるのでたくさん撮りましょう

何を説明する写真かを考え、
悩んだらとりあえず何枚もパターンを撮っておくと後悔ないと思います


今回のレクチャーは我々TokyoScopeプロジェクトメンバーだけでなく
写真を使うあらゆる人に伝えたい内容でした!

同じものを撮るにしても、撮り方次第で情報は変わるのですね…!

次回の更新をお楽しみに!

記・澤井雅治(南後ゼミ8期)/伏田茉莉香(南後ゼミ9期)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?