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#008 リサーチ本まとめ①

こんにちは!

現在『Tokyo Scope』プロジェクトでは2023年の制作を進めています。

今回は、1,2月に実施した
初期の文献リサーチのうち3冊をまとめてご紹介します!


【1冊目】
マイケル・ボンド著
『失われゆく我々の内なる地図ー空間認知の隠れた役割』白揚社[2022]

私たちはどのように空間を認知しているのか。

人類の長い進化を経て培われたナビゲーション能力。
この能力は空間を把握する以外にも、人間関係やメンタルヘルスなど心理的な領域にまで影響しています。

ナビゲーション能力を通して、空間と認知の結びつきを知ることができる一冊です。

心理学、神経科学、社会学など様々な視点から空間と認知を捉えて分かりやすく書かれています。


【2冊目】
橋本健二著
『東京23区×格差と階級』中公新書ラクレ [2021]

“一億総中流”社会が幻想となり、
収入や職業などの「格差」が明らかになった現代。

東京23区の様々なデータを白地図の上に整理することで、
東京に住む人々がなんとなく感じている格差や特色の違いを実感をもって理解できる一冊です。

また第4章「東京23区のしくみ」では、
役割や地理的な結びつきが強い区ごとに歴史や特徴がまとめられ、東京という都市の多様性や先送りできない課題について考えさせられます。


【3冊目】
大田暁雄著
『世界を1枚の紙の上にー歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』オーム社[2021]

駅構内地図や人口分布図、天気の統計地図など
現代に生きる私たちは、世界のありとあらゆるものを“見て”知ることが出来ます。

この「世界を視覚化する」ことへの挑戦が本格的に始まったのは、19世紀初頭。

様々な職人たちが画期的な表現を生みだすことで、科学的グラフィズムは大きく進歩してきました。

この本は「世界を可視化する」という課題に立ち向かった先人達の150年にわたる軌跡を、実際の図とともに語る一冊です。

科学と芸術が織り交ざった先人たちのアイデアは、現代の私たちにも新鮮な観点を教えてくれます。


以上、リサーチ本3冊を簡単にご紹介させていただきました。

地図と人間との関わりの変遷、そして地図の上に情報を整理することについて知見が深まった文献リサーチでした。

次回の更新もお楽しみに!

記・小林もも(南後ゼミ9期)/澤井雅治(南後ゼミ8期)


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