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わたしのことが大嫌いの感情でいっぱいだったわたしに、愛情を込めて料理をしよう

すべてが嫌になる日。
仙台から、浪江へ終電で帰る。
喉の奥には、自分の悲しみがこびりついているような感覚が広がった。
こみ上げてくる感情を押し殺そうとしたけれど、ついに涙がこぼれ落ちる。

昨日は大学時代の友人と再会し、なんと素晴らしい時間を過ごしたのに。思わず、あれは果たして幻だったのだろうかと思う。

仙台、一品一品に作り手の丁寧さが伝わる。

昨夜はほぼ不眠に近く、体はまるで山を登りきったかのように重い。
どっと疲れが押し寄せる。

今日の朝一はカフェ探しから始まった。駅周辺は、相変わらずマック、スタバは人で溢れかえっている。

虐殺に加担するところは買い物しないと決めているけれど、昨日からカフェ代でゆっくりとお金が消えている。まるで砂漠の水がじわりじわりと減るように。マックはドリンク120円だし、スタバはコーヒーがお得…。まやかしの言葉がちらりと頭をよぎってしまう。

自分が思う正しいことをしているはずなのに、どうしてこんな感情を抱くのだろう。あぁ、今日は自分を大っ嫌いになってしまいそうだ。
そんなこんなでコメダ珈琲に入り、あるYoutubeを見て、勇気をもらう。社会に絶望してしまいそうな時はあるけれど、希望をみつける瞬間はいつだって楽しい。

***

時はすぎ、15時になる。16時のミーティングまで、あと1時間。
用事でお昼をとる時間がなく、腹ペコの状態がどんどん悪くなっていく。本当は、冷たいうどんを食べたい。でも今店を出たら、また入り直さないといけない。結局我慢できず、一番安いチーズトーストを注文する。ただ虚しい空虚感に襲われる。
沢山食べてもお腹はグーグーなっているし、もしかして…と思いルナルナを確認する。あぁやっぱり。

帰り道。たった1日なのに、まるで長い旅の終わりに体が疲れ果てるような感覚だった。涙か頬をつたう。

でもふと、これから料理をしたいと思ったのだ。え、、、疲れている中料理?となるかもしれない。

しかし疲れがたまる中、ただ一つ欲しいものは新鮮な野菜だった。今日はパンや甘いものばかりで、自然と体が栄養をほしがっていたんだと思う。

冷蔵庫には、トマトとナスが余っている。帰ったらトマトを湯むきして、茄子を焼いて、氷水で締めた蕎麦と一緒に食べよう。

蕎麦をそっと口へ運ぶ。蕎麦の香りとつゆの旨味が口の中に広がり、わたしの心をほっとさせるだろう。想像するだけで胸が躍る。

その時間があれば別のことができるのに、と思うことだってあるけれど。食べものは、心を映し出す鏡だから。今日の夜は、わたしのことが大嫌いの感情でいっぱいだったわたしに、愛情を込めて料理をしよう。

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