日本三大酷道を体験してしまった日・国道157号
11月下旬、その日は福井県大野市から白川郷へ行きたかった。
しかしながら白川郷へ続く道が冬季通行止めになってしまったとのこと。
諦めて岐阜県本巣市にある「モレラ」というショッピングセンターへ向かうことにした。
ナビで「モレラ岐阜店」を入力し、一番近い道を選びでセットする。
国道157号線。
何も違和感はなかった。
ガソリンも満タンにした。
滝があって、向こうに何か見える。
ダムがあった。
真名川ダムというらしい。
良いものが見れたなぁ。
もうすぐ日が暮れるし、そろそろ岐阜に行こう。
ここから2時間くらいかかるみたい。
そんなことをのんびり考えていた。
このダムを過ぎたあたりに分かれ道があった。
片方はナビが示す道、片方は大きな道。
ナビが示す道へ行ってみた。
木や葉が茂る道の入り口のようなところに看板があった。
「大型車両通行禁止。雨天通行止め」
のようなことが書いてあった。
車はコンパクトカー、今日は晴天。
大丈夫だなと思って進んでいった。
この時になぜ警戒心を抱かなかったのか。
それは国道は安心安全であると思い込んでいたからに違いない。
ここからは生きた心地がしなかった。
車一台しか通れない道幅。
ガードレールのない断崖絶壁。
かといって山側には側溝があり寄りすぎてはいけない。
電波がなくgoogle検索ができない。
この先が岐阜に繋がっているのかもわからない。
Uターンができる場所もない。
進むしかない。
心臓はバクバクし、アクセルを踏む足は震える。
気付けば日が暮れて真っ暗。
崖下が見えない。良いのか悪いのか。
ときどき出てくる「落石注意」の看板。
落石に注意したとしてどう避ければ良いのか。
避けようがないのだから不安を煽るなと憤る。
たまに出てくる道路に川が流れているところ。
ハンドルを取られたら流れのままに落ちてしまうのでは。
決死の覚悟で祈りながら突き進む。
峠と峠の中間あたりで一台の車とすれ違う。
思えば初めての車。森の中の広い道のあたりで良かった。
廃墟が並ぶ道を進んだ頃に気付く「あの車は一体何を…?」
新たな恐怖が襲ってくる。
震えながら2時間ほどで抜けた道。
大きな道に出た時に車を止めた。
「生きてて良かった」
友達に電話してそう伝えた。
※写真を撮る余裕がなかったので「国道157号線」「酷道157号線」を検索してください。
それから酷い国道という意味の「酷道」があることを知り、その中でも有名な酷道157号線だったということ知った。
温水峠は絶景ポイントであることも知った。
もう2度と通らないと決めたから、暗くて見れなかったことは本当に残念。
そしてその数日後にまた酷道439号線を通る私。
写真は助手席の友達が撮った。
VIVAガードレール。
VIVA一人じゃない。
学んだこと:進む道はきちんと調べた方が良い。
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