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【カンボジア格安英語学校レポ】ついて行くのに必死、IELTSコース(が、日常生活は楽勝に!)

先日、野本響子さんのVoicyにお邪魔させていただき、カンボジアの英語学校ACEについて話しました。(すみません、有料放送内です)

(アラフィフの私、野本さんのこの本も何度も読みました!)

学校自体に日本人が一人ということから、今まで私の主観しかなく、こんなものかと思っていたのですが、野本さんとお話しさせて頂いた中で客観的にこのACEでの英語学校生活を見ることができ、実は相当恵まれた環境で英語を勉強しているということがわかりました。

また、この学校のIELTSコースが合う人はどのような学習者かという話もしました。結果、

1.フィリピン留学などを経て、概ね会話は問題なく自分のことは話せるが、海外大学準備などでフォーマルな話し方や論文の書き方が必要な人(実際クラスメイトの中国人学生がこれにあたります)
2.既にインターに通っていて、IGCSEでアカデミックに書く練習が必要な高校生(クラスメイトのインター高校生がこれにあたります)

とのことで、特に2は、私は気づかず大きな発見となりました。

また、TOEIC高得点だけど話せない、中級から上級へ行けないなどの方にも参考になる気がします。

上の投稿に、このコースを取った経緯を載せています。


恵まれた学校生活

1-4は上記の投稿に詳しく書きましたので、そちらもどうぞ。

1.学費が安い

1時間半の授業×45回で、トータル 230 USドルです。あまりに安いので、教育が脆弱なカンボジアへの国際協力のような形で、オーストラリアからの補助があるのかもしれないと思っています。
外国人が通学することは問題ありません。

2.公的機関に近い学校でのしっかりしたカリキュラム

IELTSの運営団体idpが、直接運営する英語学校です。idpは株式会社のようですが、株主はオーストラリアの大学数十校らしいので、半分公的機関と思っています。
学費が安いのとグループレッスン主体のため、学生に合わせたフレキシブルな対応は望めませんが、システムに合えば非常にコスパの良い学びになると思います。

3.先生がプロフェッショナル、生徒もめちゃくちゃ勉強している

(クラスによりますが)今受講しているコースの先生はスウェーデン生まれ、子供の頃にスイス生活も経験した、アメリカ育ちのスウェーデン人の先生で、スウェーデン語・フランス語・英語のトリリンガルです。ボストンでTESOLの修士号を取得したとのことです。

生徒はカンボジア人・中国人・そして私日本人で、奨学金申請を考えている人が多く、かなり勉強しているようです。カフェで宿題していたら、クラスメイトがいて「私はその宿題はもう終わって、自分の勉強をしている」と言っていたこともありました。

4.日本人が少ない・いない

シェムリアップ校では日本人生徒は学校全体で私一人であり、他の校舎(プノンペンの5校)でもクラスメイトに日本人がいることはないようです。強制的に英語を使わなければならない環境です。

授業内容を公開します(ACE Advanced IELTS course)

クラスの人数が多いため(登録17人、参加はいつも15人くらい)グループワークが多いです。大抵は2人あるいは3人がランダムに組になり、4技能のどの技能の授業でも、話し合いながら授業が進みます。

ちなみに私の今の英語の状況は、資格試験だとTOEIC920、英検準一級、TEFLレベル3(120時間)、アジア非英語圏に11年住んでいます。同英語レベルの外国人と比べると、比較的リーディングが強くスピーキングが弱いと思っています。
東南アジアでの日常生活には問題ありませんが、自己流ライティングを矯正したい、英語コンテンツをもっと理解したい、込み入った会話をしたい、と思っているところでした。

基本的には上記のテキストブックを使っています。
とはいえ、先生が用意する副教材の方が勉強になっています。

リーディング(まあ難しい。仕方ない)

リーディングマテリアルがとにかく長く複雑です。難しさは英検1級と同じくらいかな…。

パラグラフはAからEまであります。

上の写真のマテリアルを読みながら、下のⅰ-ⅷのヘッドラインのリストと組み合わせていきます。
だいたい、パラグラフが5つしかないのにヘッドラインが8つあるところとか、ローマ数字使っているところとか(答えを書いたものの自分で読めない)、なんなの!とIELTS形式につっ込みたいです…笑

リーディングの授業でも、ペアで話し合いながら課題を進めていきます。リーディングやライティングで生徒同士で話しながら課題をやるのはとても新鮮で、これはいいと思いました。

スピーキング(思ったほど悪くなかった)

スピーキングの課題の後の先生のフィードバックは、悪くないものでした。「発音はほぼクリアです。主要な単語と機能語 (prepositions, conjunctions, articles, and auxiliary verbs)が同じ大きさで発音されることがあるので、機能語は小さく発音しましょう」とのことでした。

昔、アメリカ人生徒やフランス人生徒に日本語を教えていた時と、全く逆のフィードバックです笑。日本語では抑揚をつけないでくださいね、とよく言っていたのを思い出します。本当に日本語と英語は違いますね。

前回の宿題は、IELTS公式チャンネルから、バンド7の試験サンプルの動画を見て研究する、というものでした。

上のYoutube(ドイツ人の受験者)を見て、下のバンド7の基準をどうやって満たしているか研究するものです。
私にとってはfluentとしか思わなかったのですが、実際の評価を見ると「緊張していて早すぎる」「イディオムが英語で使われるものではない(ドイツ語からの直訳である)」とあって驚きました。特に後者は日本語母語ではあり得ないので、英語に構造が近い言語特有のスピーキングの難しさもあるのだなと思いました。

また、今回の宿題では、ディスコースマーカー(文章の中で話の展開を示す目印)を使いながら、与えられた問題に対して「言い換え・答え・理由」を話していくものでした。

下のスクリーンショットはGoogle Classroomで出された宿題です。トータル4分以内で、6つの質問に対して、「質問の言い換え・答え・理由」を話していきます。実際の授業では生徒がペアになって、一人が質問し、もう一人が「質問の言い換え・答え・理由」を話します。

「あなたの国では、時間通りに到着するということはどのくらい重要ですか?」という、カンボジア人と日本人がディスカッションするにはなかなかに興味深いトピックです笑

私に取っては難しいパートでしたが、準備時間があればできるような気がしてきました。というのも、スピーキングはビッグワード(難しく仰々しい単語)を使ってはいけないからです。

自分の意見を書くライティングが短時間でできるようになると、自動的にスピーキング力も向上するのではないかと思いました。

スピーキング(多様な視点からの気づき)

問題に対して自分の意見を答える、というのは他の生徒の意見を聞けるということで、先生入れて4カ国の国籍のメンバーがいるこのクラスではとても興味深いものでした。グループレッスンの醍醐味かもしれません。

例えば、「高価な美術品を国で購入することは、税金の無駄遣いだと思いますか?」に対して、私は「そうは思わない。価値のある美術品は人の心を動かし、人の将来を左右することもあり得るから」と言いましたが、中国人生徒は「そう思う。国民が働いて納めた税金は、国民の生活向上のための道路や橋などのインフラに使うべきだ」と言い、なるほどなと思いました。

意見が違うからといって関係性にヒビが入ることもなく、バックグラウンドが違うから意見が違うことは当たり前だという雰囲気があります。むしろ話す経験ができたことで、後に休み時間などに気軽に話すこともできて、多国籍のクラスは面白いです。

実際に多国籍メンバーで働く時には、日本語のコミュニケーション(あうんの呼吸)と真逆であるこの「しつこいほどに理由を説明する」が効いてくる気がします。

ライティング(実は好きだった)

ライティングは、0から1を生み出すものというイメージがありましたが、特にグラフを文章で表現するこのTask 1は違ったものでした。

同じ状況を違う単語・態(受動態と能動態)・品詞で表現するパラフレーズを徹底的に練習しました。

表現する型を身につけます。

下の課題はミススペルを防ぐために、正しいスペリングを選んでいく練習です。私、accommodation, feasible を間違えました。音で覚えている単語も難しいですね。これ見ているうちに訳がわからなくなってきます…

necessaryも間違えたことになっているけど、今調べたら合っていました。

リスニング(一番練習しなければならないのはこれだった)

リスニングの授業の時、スピーカーから流れる会話が全然わからないので焦りました。

しかし、これも先生によると、IELTSのリスニングの会話の場面は多くの場合で、一人がイギリス標準アクセント、一人がアクセントの強い人の組み合わせであり、聞きやすい話し方の人がいつもヒントを持っている、とのことでした。

先生も「実はこの人の会話は半分くらいしかわからないです。私はアメリカ育ちだし、この人は多分スコティッシュじゃないかな…。実際の英語の会話だと出身が違う人同士で話すことは普通にあるから、こういうシチュエーションで分かる情報から、話の流れを推測していくのは大切ですよ」と言っていて、驚きました。

私は、こりゃダメだと思ってリスニングの途中で半分投げやりになっていたと思うのです。でもネイティブの先生だからといって全てが分かる訳ではないということと、日本語と違って世界共通語としての英語は分からないことが前提であり、「理解しようという気持ち」が大切なことを心底感じました。

ディクテーションはじわじわ効く!

気持ちの問題とは言っても、イギリス英語のリスニングがアメリカ英語に比べて苦手なことはわかったので、先生から紹介があったディクテーションサイト(Daily Dictation IELTS listening) をやっています。

1ヶ月毎日10分ほどやって、IELTSのリスニングはあまり変わらない気がするのですが、日常生活での英語の聞き取りは楽になりました。こんなところで効くなんて!

最初は涙目だったけど…

この学校の最上級コースだったらしい

さて、全くACEの学校システムを知らなかった私は、プレイスメントテストで一般英語レベルが終わったと判断され、ディプロマプログラムの中から興味あるものをどうぞと学校の事務の人に言われ、なんとなくIELTSコースを取ってしまいました。

このコース、入ってみるとIELTSを受けたことがないのは私だけでした。パンフレットにはこのコースでIELTS 6.5を目指すと書いてあったのですが、既に他の生徒の多くがオーバーオール6.5以上を取得済みで、同学校の初級英語の先生、事務職員も数人いました(すみませんちょっと呼び出されて…と途中抜ける人も)

「スピーキング7.0の受験者のスピーチを分析する」課題もやったので、実際には7.0を狙う人が多いコースだったのだと思います。
(全く違うテストなので単純比較できませんが、IELTS 6.5 ≒ 英検1級 / CEFL B2 、 IELTS7.0 ≒ 英検1級 / CEFL C1 、と換算表にありました)

「本物のIELTSはここまで難しくないよ」

隣に座っていた生徒と休み時間に喋っていて、「このコースめちゃくちゃ難しい」とこぼすと、「あなたIELTS受けたことある?」と聞かれて「ない」と言いました。

すると「本物のIELTSはこんなに難しくないよ」とのことです。基本はできている前提で細かいところで点を上げるために、あえて難しい教材を使っていると彼女は言っていて、少しホッとしました。

普段の生活が楽勝に

10代と20代の生徒に囲まれた唯一のアラフィフ生徒、あまりにレスポンスが遅く、スタート時には涙目のIELTSコースでした。

が、2ヶ月経って「非英語圏なんだから誰も気にしていないし、何も気にすることはない!」と突然開き直りました。英語の電話も日々会う人との会話もハードルが一気に低くなったことに気づきました。普段の生活での英語は楽勝です。

大量の英文を毎日読み・書き・聞き・話したことで、メンタル面での効用があったかもしれません!


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