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クメール語に引きずられる英語(カンボジア人の書く英語は、なぜ長いのか)
ちょっと前にこんなメッセージが同僚からありました。
I have personal work urgent I am offline this morning and I will back in the afternoon any urgent work you can contact me thank you
(個人的に急用が出来てしまい、午前お休みを頂きます。午後には戻りますが、もし午前中に仕事で緊急の業務があればお知らせください。ありがとうございます)
余裕があるときは、きちんとした英語を書く同僚です。よっぽど切羽詰まっていたのでしょう、色々抜けていてパンクチュエーション(句読点)が一つもありません。
自分もそうですが、気持ちや時間に余裕がない時の外国語は母語に引きずられます。
クメール語に引きずられる英語ライティング
母語クメール語から考えるカンボジア英語ライティングの特徴としては、
Punctuation(コンマとピリオド)が抜ける
SVCでCが形容詞の時に、be動詞が抜ける
修飾・被修飾の位置が逆になる
2と3はベトナム語が母語の人にも当てはまります。
1.Punctuation(コンマとピリオド)がない
クメール語でピリオドに当たる ។ はありますが、コンマに当たる記号がありません。クメール語には分かち書きもないので、どわーっとクメール文字が溢れる文章になります。これをそのまま英語に当てはめると、複文もコンマがなく、どこで息継ぎをすれば良いかわからない非常に長い文ができます。
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ところどころスペースは入っていますが、単語や文節単位で分けているのではなく、数字などを読みやすくするためのようです。
2.SVCでCが形容詞の時に、be動詞を忘れる
"I happy" とか "I not late" のような感じです。ベトナム英語も同じ現象があります。
クメール語(ベトナム語も)は、SVCでCが名詞の場合は英語と同じで、be動詞に当たる語(クメール語はជា、ベトナム語はlà)があるのに、Cが形容詞の場合はbe動詞的な単語を入れないために、英語でも形容詞の前のbe動詞が忘れられることが多いです。
3.修飾・被修飾の位置が逆になる
ベトナム語やフランス語でも共通しています。名詞の後に修飾語が来ます。
これはもう、フランス人もそのように話すからか、カンボジア英語では市民権を得てしまっていて、例えばPassword Wifi(本来はWifi password)など後ろから修飾しています。
日本語に引きずられる英語ライティング
さて、カンボジア英語について色々書いてみましたが、我が身も振り返ってみます。余裕がない・時間がない時の母語日本語に引きずられる英語は
SOV(日本語)をSVO(英語)に変換しているため、Vが来た時点で終わったーと安心してOを忘れる(特に代名詞の入れ忘れ)
原因→結論の順で長文を書いてしまう
1.SVOでOを忘れる
こう書いてみると、文法で決定的なミスのある1は致命傷です。相手がヨーロッパ言語が第一言語だと「何が言いたいのかわからない」として「英語できない人」の印象を与えてしまいます。
ただ、アジア系の言葉の方が背景が近いため、この場合、カンボジア人やベトナム人は結構察してくれたり見逃してくれます。
同じく母語がSOVの韓国人も英語で同じミスをよくしているので親近感があり「わかるよー、Oを脳内で補ってあげるよ」と思います笑。
2.原因→結論の順で長文を書いてしまう
「結論を最初に短く、そして詳細情報は後から付け足す」は英語の鉄則で、日本語は残念ながら完全に逆です。
焦っていると日本人の感覚の「まず原因を詳しく話し、周りから固めて最後に結論を言う。結論から言うと自己主張が強すぎて敬遠される」が出てしまい、長ーい文章を原因から書いてしまいます。
これ、東南アジアの人は読んでくれません…
ヨーロッパ系言語が母語の人は、読んでくれますが、イライラするようです。
気をつけなくては。
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