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基本、いきものが好きです。

 てんとう虫を見るとテンション上がります。てんとう虫は益虫です。害虫のアブラムシを食べてくれます。てんとう虫がいるということはアブラムシもいるということです。自然の生態系の中でバランスが取れていればアブラムシは害になる程増えません。殺虫剤は使わなくても済むのなら使いたくありません。しかし安定生産するためにどうしても殺虫剤を使わざる得ないタイミングがあります。
 

 

私の殺虫剤の使い方


例えば蛾の幼虫がピーマンの葉を食い荒らすのですが、その対策としてBT剤 バチルス・チューリンゲンシス(BT)と呼ばれる菌が産生する毒素を用いた有機農薬を使います。この農薬は葉を食べた蛾の幼虫のみに影響を与えます。
 アブラムシやアザミウマなどの害虫に対してはできるだけ益虫に対応してほしいところですが、シーズン初めは益虫よりも害虫の活動が先に活発になることが多く、野放しにすると壊滅的被害のリスクがあります。そこで化学農薬を使う(残念ながらアブラムシに有効な有機農薬が無いのです)のですが、ここでも食害する害虫のみに影響を与える農薬を選択します。また農薬を使う以前の対策として、アブラムシ等が嫌いな光の反射を利用したシルバーマルチという被覆資材も用います。




殺虫剤の功罪


殺虫剤は何も考えないで使用する場合、そこにいる生物を皆殺しにする可能性があります。一度何もいなくなった場所に、真っ先に戻ってくるのは、その作物が好きで食害する害虫です。一度殺虫剤を使い始めると、シーズン終わりまで定期的に薬剤散布し、徹底的に害虫対策をする必要が出てきます。これが慣行栽培です。こうして虫食いのない、肌の綺麗な作物が作られ、スーパーに並ぶわけです。
もちろん慣行栽培でも農薬基準を守り食べても安全な作物を生産しています。
だから安心して美味しい慣行栽培の野菜をどんどん食べてください。

有機農業でも慣行農業でも最終的に目指すのは
健康的で、安全で、美味しい農産物の生産です。
そこに至る手段やプロセスが違うだけなのです。



考えて農薬を使うだけで農薬を減らせる可能性がある

自分で考えずに農協や行政の指導員の指示通りに農薬を使っている農業者は沢山います。一方で少しでも環境にやさしい農業をしたいという哲学を持っている農業者も沢山いて、流通している農産物はそれらが同じ棚に区別なく並んでいます。少しづつSDGsだとかオーガニックだとか減農薬だとか注目され始めてきましたが、まだまだ消費者はそんなことより安いか高いかに興味があるようです。

話を戻しますが農薬の使用量を減らすためには、益虫の力を借りるのが一番です。
そのためには益虫に影響の出ない農薬を選択する必要があります。益虫が常にいる状態を作り出せれば、結果的に農薬使用量を抑えられるのです。


怖いイメージがあるが 多分一番働いてくれてる信頼の仲間 蜘蛛
いつもひょっこり顔を出すかわいいカエル
最初得体の知れない生物だったが、ヒラタアブの幼虫と判明 益虫は見た目じゃないんです。


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