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七谷、堆肥を作る。

ある眠れない夜のこと。水槽フィルターの水音を聞きながらぼんやりとしていた私の頭に、唐突にある考えが浮かんだ。

「そうだ、コンポストを置こう。」

いや唐突すぎるだろう。

コンポストとは

生ゴミを堆肥化する機材のことだ。

好気性とか嫌気性とか段ボールで自作とか色々あるけれど、要はコンポストの中に生ゴミを入れて、混ぜたり菌を振りかけたりすると、発酵や分解を経て最終的に堆肥ができる。そしてできた堆肥で美味しい野菜や綺麗な花を育てよう。そんなエコでサスティナブルなアイテムだ。
まあ深夜にコンポストの設置を思い付いた私の脳内には、エコのエの字も無かったが。面白そう。それだけである。

コンポストの種類

枕元のスマホでポチポチ調べてみると、コンポストにもいろいろな種類があった。

まず、底に穴が空いたタイプ。これは庭に埋めて、土に住んでいる微生物の働きで生ゴミを分解するものだ。当然庭がないと使えない。

次に密閉式。フタのぴっちり閉まるバケツ型容器に毎日生ゴミと菌を入れていき、満杯になったらそのまま暫く嫌気性細菌で分解するタイプだ。混ぜる手間が無い代わりに、定期的に容器下部に付いた蛇口から水分を抜く必要があるらしい。

嫌気式があれば好気式もある。容器にハンドルが付いたタイプだ。中身を攪拌し、酸素に触れさせることで発酵を促す。少々大きいのと、お値段がやや張るのがネックか。

段ボールで自作することもできる。ひとつ上のハンドル付きと同じ要領で、毎日中身を自分で攪拌する。段ボールならその辺にあるし手軽でよさそう……。ただ屋内には置きたくないし、ベランダに置くには雨で濡れてしまうので、今回は除外した。

好みは分かれるが、ミミズを利用する方法もある。容器にミミズを入れ、彼らに生ゴミを分解してもらうのだ。発酵の必要がないので臭いも出にくい。分解にかかる時間も短い。もしかすると一番気軽なのではないだろうか。……ミミズが平気ならば。

そのほかに電動生ゴミ処理機というものもあったが、お値段がそこそこなのと、ベランダに置きたかったのでこれも除外した。室内に置きたい人には便利かと思う。

当初検討したもの

まだ眠れそうもないので、amazonあたりで実際の商品を調べてみた。
ある程度小型で、ベランダにも置けて、管理が楽そうなもの……。

これとかが気になった。好気式で、週に一回程度のかき混ぜが必要だが、まあそこまで苦ではないだろう。丈夫に見えるし、持ち運びも楽そうだし、良いのではないだろうか。まあまあのお値段だが。

もうひとつ気になったのはこちら。なんと堆肥にした後、そのまま鉢になる製品だ。種を一緒に送ってくれるプランもある。
見た目も洒落ているし、これならモチベーションも上がりそうだ。単品でも買えるし、定期的に購入することもできる。

この時点ではLFCコンポストでほぼ心は決まっていた。取り回しのしやすさは大事だ。しかし、いよいよ申し込もうかというときに、ふとある情報に気付いた。

コンポストには助成金が出る

お住まいの市区町村によるのだが、なんとコンポストの購入には助成金が出る場合があるのだ。

ただし助成が無い地域もある(東京都中央区など)し、特定の商品に限られている場合もある。

https://www.city.yokohama.lg.jp/sakae/kurashi/sumai_kurashi/recycle/kiero.html

横浜市栄区では、キエーロという商品にのみ助成が出るらしい。

東京都江東区でも、特定の機材に限って斡旋が行われているようだ。

地域によっては、実際に使用している状況の写真を提出すれば、どんな機材でも良い、というところもある。
また、普通のコンポストと電動生ゴミ処理機では別の助成が出る、という自治体もあった。

そして私の住む自治体はというと、「市が指定した店舗で購入した、指定の商品のみ助成対象となる」というルールだった。つまり、残念ながら前述のAmazonやLFCコンポストは助成対象とはならないのである。

勿論、助成対象じゃないから買えないわけではない、お金が出ないだけで。でも折角助成してくれるし、今回は市が指定した店舗で購入することにした。

まずは申し込み

助成の仕組みは各自治体で異なるが、私の住む場所では、まず市に申請を出す必要があった。とはいえ役所に行く必要も無く、ネット上のフォームから氏名や住所を入力するだけで終わった。そして一旦、これ以上やれることはないので、いい加減スマホを置いて寝る努力をすることにした。スヤァ

いよいよ購入

そして数日後、自分が深夜テンションで何を申し込んだかなど忘れた頃に、自治体からの通知が届いた。「申請通ったから、近くのお店で機材を買ってきてね(意訳)」というものだ。そういえばそうだった、私はコンポストを置くんだった、と思い出しつつ、早速ホームセンターに向かった。

結論を言うと、密閉式、つまり嫌気性細菌を利用するタイプの容器を購入した。
というのも、残念ながら訪れたホムセンには、ベランダに置けるタイプのものがこれしか無かったのだ。まあ無いものは仕方がないので、発酵促進剤と併せて購入した。助成のおかげで、支払ったのは180円ほどである。

18Lと11Lがあったが、大きい方にした。11Lは容器内部に網がなく、穴を開けたビニール袋の設置が必要だったりと、ちょっと面倒そうだったからだ。

生ゴミを入れる

明けて翌日、早速昨日出た生ゴミを投入してみることにした。

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コーヒーの粉、茶葉、柿の皮。食生活の乱れを感じる。

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容器内部にはプラスチックの網がある。これで堆肥と水分を分けるようだ。なお出てきた水分は、薄めれば液肥として利用できる。

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ガバっと入れて、ザラっと発酵促進剤を振りかけた。

これでおしまい。あとはフタを閉めて、ベランダで放置。これを毎日繰り返して、いっぱいになるまで待てば良い。まあ一人暮らしだと、満杯まではまあまあかかりそうだ……。

春待ち

このペースだと、多分出来上がるのは来年の春くらいになるのでは。また来年は色々植える予定なので、丁度自分で作った堆肥を使えるだろう。

今は日々寒くなるばかり。もう少しすれば町も雪に閉ざされるが、また暖かな春が来るのを待ちながら、今はいそいそと準備を進めようと思う。

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