接客辞めようと決めた日(1) みんなが悪い人に見え始めた日

結構こういう方多いんじゃないかな。

接客しているとたくさんの人に会うわけで。普通に生活してれば会わないで済む人種にも会わなきゃいけないのです。

受付って入り口付近にあることが多いので、つまり買い物できる財力がない人でもこれちゃうんです。だから本当にいろいろな目にあいました。

大声で叫ぶおじさん

絶対に私たちが知りえない情報を聞いて「そんなことも分からないのによくデパートの受付に立てるわね。あなた大学出てるの?」ってみんなに言ってまわるおばさん

胸倉つかむふりをするおじさん(たぶんびっくりする顔がみたいんですかね?実際には何も触れられてないから警察は呼んでもらえませんでした。)

こんな感じのひとが時々ではなく、結構な頻度で来るんです。人によっては泣き出します。仕事ができて、まじめな子ほど泣きます。私も泣きたかったことたくさんありましたが、悔しくてたまらなかったのでお客様の前で泣くことはありませんでした。泣いちゃった後輩を見て控室で泣いたことはありましたが…。

こんなことが続くとだんだん、受付に近づいてくる人全員が悪い人に見えてくるんです。そう思っていれば不意を打たれて必要以上に落ち込むことも少なくなりました。

辞めるちょっと前、渡したフロアガイドを投げつけられたので真顔でキャッチして、真顔のまま「こちらはお持ちになりますか。処分いたしますか?」って言って差し出したことがありました。後から思い返したとき、私人の心なくしちゃったみたいだ…って思いました。

だって普通もの投げられたらびっくりしたり、ショックな顔したりしますよね?顔色一つ変えずに投げられたものを突っ返せるようになっちゃったなんて…そんな耐性いらないよこの先なんの役にも立たないよ…って思いました。もう、私はお客様に対して人として最低限のモラルを期待しなくなっているんだなーって。

この仕事続けたいと思うならむしろそのほうが良いかもしれませんが、もともと人の役に立ちたいと思って受付の仕事を始めたので、全ての人が悪い人のように感じてしまったとき、すごく悲しかったです。そんな風に人を見ている自分ってすごく失礼だし、こんな大人になりたくなかったと思いました。

でもこの経験をしたおかげで、「人の役に立ちたい!」だけでは仕事を選ぶ理由として弱いんだということを学びました。

大切なのは、「どんな人の」役に立ちたいかなんだと。


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