カンボジア・アンコール遺跡群|ヒンドゥー教と仏教が融合した寺院たち
こんにちは!夫婦で世界旅行している旅暮らしのナナワッティ・ななみです。
今回はカンボジア・シェムリアップにある「アンコール遺跡群」についてお届けします。このアンコール遺跡群はヒンドゥー教と仏教、2つの宗教が織り成す特別な場所。
この記事を通して、アンコール遺跡について少しでも理解が深まると嬉しいです。
1、アンコール遺跡群とは?
アンコール遺跡群は、9世紀から15世紀にかけてクメール王朝の王都として栄えた場所で、広大な面積にわたり数百の寺院や建造物が点在している世界遺産です。
その中でも「アンコール・ワット」は最も有名な建造物で、圧倒的なスケールと彫刻の美しさで訪れる人々を魅了しています。
多くの遺跡から成り立つアンコール遺跡群ですが、これらの遺跡はクメール王朝の歴代の王様たちが自分の権力の象徴として建てた数々の王宮や寺院です。
建築年代が違うことはもちろん、信仰宗教も違います。
これがアンコール遺跡群の面白いポイントです。
2、王たちが信仰した宗教と寺院の変遷
アンコール遺跡群に関係する宗教は大きく2つあります。
それが、ヒンドゥー教と仏教です。
つまり、アンコール遺跡群のなかには「ヒンドゥー教寺院」と「仏教寺院」の2種類の寺院が存在しています。
なぜ、2つの宗教の寺院が存在するのでしょう?
それは先述した通り、歴代の王によって信仰していた宗教が違ったからです。
前の王と信仰宗教が違った場合、これまでヒンドゥー教寺院として使われていた寺院は仏教寺院として使われ、仏教寺院として使われていた人はヒンドゥー教寺院へと転用されました。
中には、前の王がつくった寺院を破壊する王様もいました。その様子をわかりやすく理解することができるのが、「アンコール・ワット」です。
3、アンコール・ワットとは?
先述した通り、当初アンコール・ワットはヒンドゥー教の寺院として建築されました。
しかし、時代が進み王様が変わると、ある時は仏教寺院になり、そしてまた王が代わってヒンドゥー教寺院に戻ったりしていました。
現在は?というと、現在は『仏教寺院』として使用されています。
カンボジアの国教は「仏教」です。
私たちの訪問日がなんと「ブッダデー(祝祭日?)」でということで、中央祠堂には入ることが出来ませんでした。写真は拝借したものですが、中央祠堂には現在は仏像が安置されているそうです。
ちなみに、現在は仏教寺院として使われていますが、アンコール・ワット内にある多くの仏像が頭部がない状態です。
1970年代のポルポト政権下では宗教の信仰が禁止されていたため、その影響を受けてアンコール・ワット内に安置されていた仏像も破壊されているといわれています。
時代の流れによって変わる宗教観を垣間見ることが出来ます。
4、ヒンドゥー教を理解しよう!
日本人にとって聞き馴染みのないヒンドゥー教。
どのような宗教かご存知でしょうか?
ヒンドゥー教は、インドで生まれた宗教です。そして、今もなおインドで厚く信仰されている宗教です。当時、クメール王朝はインドと交易が盛んに行われており、ヒンドゥー教の教えが浸透していったと推測されています。
ヒンドゥー教の大きな特徴は、多神教であることです。驚くほど沢山の神様がいます。例えば、こんな神様たち。
ブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァはヒンドゥー教の三大神です。
日本で聞き馴染みがある神様だとガネーシャなどがいます。これらの神様の中から「自分が」信じたい神様を信じ崇めるのです。
アンコール・ワットを建築した王様は「ヴィシュヌ神」推しでした。そのため、アンコール・ワット内には巨大な「ヴィシュヌ神」が祀られています。
ヒンドゥー教寺院といっても、その寺院を建てた人が何の神様を推していたかによって、その寺院に祀られている神様は異なります。
5、アンコール・ワットの見どころ
ヒンドゥー教っぽさを感じるポイント①
回廊には巨大な彫刻が彫られています。
その彫刻の内容は、なんとヒンドゥー教の神話です。
全長800mにわたって、様々なヒンドゥー教の神話が描かれています。
ヒンドゥー教っぽさを感じるポイント②
寺院の中には、沐浴をする場所があります。
ガンジス川で沐浴をしているヒンドゥー教徒の姿をテレビなどでみたことがある方もいるかもしれませんが、その沐浴と同様、この沐浴場で身体を清めてから寺院の中に進んでいったと言われています。
6、アンコールワットに関係する近隣諸国の遺跡
プランバナン寺院遺跡とアンコールワットの関係性
インドネシアのジョグジャカルタにあるプランバナン寺院遺跡も、アンコール・ワットと似たヒンドゥー教建築の特徴を持っています。
アンコール・ワットよりも先に、プランバナン寺院は建築されました。
【建築時期】
・プランバナン寺院:9世紀〜10世紀に建築
・アンコール・ワット:12世紀初頭に建築
私たちがプランバナン寺院をお訪れた際のガイドさんの情報によると、アンコール・ワットを建築したスーリヤヴァルマン2世は、このプランバナン寺院を訪れ、嫉妬して帰っていったそうです。
つまり、インドネシアのプランバナン寺院を参考にして、プランバナンよりも大きな寺院をカンボジアに建築したのでしょう。
ちなみに、プランバナン寺院の壁面にも、ラーマーヤナなどのヒンドゥー教の神話が彫刻されています。アンコール・ワットに共通する装飾や神話の表現が多く見られます。
「嫉妬をして帰っていた」とガイドさん話していましたが、確かにアンコール・ワットの方が規模も大きく、彫刻も細かく彫られています。王様の権威の象徴=当時の建造物であるということも、改めて納得することが出来ました。
ちなみに参考までにプランバナン寺院の中央にはシヴァ神が祀られています。
歴史や遺跡が点と点で繋がるのもまた、面白いポイントです。
6、アンコール・ワットへのアクセス方法
アンコール・ワットへは様々なアクセス方法がありますが、一番のおすすめはバイクレンタルです。
シェムリアップ市内からアンコール遺跡群まではバイクで行くのが手軽です。バイクを借りて自分で遺跡群を巡ることがで、周囲の寺院も含めて自由に回ることが可能です。
7、さいごに
これまで世界旅行をしていく中で、各地で独学で勉強をしている内容が様々な遺跡の地で繋がり始めています。
「アンコール・ワット」自体の名前や建物は知っていても、その裏側にある歴史や見どころのポイントまでご存じの方はなかなか少ないのではないでしょうか?
もしも、これからアンコール遺跡群を訪れる方がいらっしゃるのであれば、訪れる際の参考にしていただきたいです。
そして、現状訪れる予定がない方にとっても、面白い記事になっていたら嬉しいです!
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