後期高齢者の見守り 雪国の冬 2
年末年始を神奈川の自宅で過ごし、お天気の具合を見て1月15日に新潟県上越市の実家へ。
今回の滞在は長くなるという覚悟で。
婆さんは今の私くらいの年齢?それより前から、メモ魔だった。
大学ノートだったり、爺さんがちょっと使って放置した残りのメモ帳だったり。
秋に来た際、分別やら断捨離やら整理やらしてたときに、あちこちからたくさんのポケットアルバムやノートが出てきた。
ものすごく細かい文字で、びっしり書いていた。
農作業の予定 段取り 肥料 苗の注文などの記録
冠婚葬祭 香典 お祝い
親戚付き合い お中元 お歳暮電話のやりとり
自分の血圧や体重 検査など
爺さんの通院 体調 薬
テレビを見ながら気になったことをあれこれ
体に良い食べ物や良い習慣
テレビショッピングで気になったもの 電話番号や商品名 値段などびっしり こうやって注文してたんだなあ
2021年 爺さんが亡くなった(4月)。
その年の秋までは定期的に書かれていた。
しかし、年が開けて1月2月・・・
メモを書く日が極端に減った。書いてあっても、中途半端な文章で終わっているものも。
そして、3月以降ほとんど記録が無い。
秋に帰省した時、毎日少しずつでも書くように促したところ、まず今日1日の記憶でつまずき、言葉でつまずき、漢字でつまずく。
そのうち何を書くのか忘れてしまう。
それでも小さな使い古した辞書を片手に拡大鏡を使いながら、漢字を調べ一文字ずつゆっくりと記していく姿。
平仮名で良いよって言ったところで、記憶をたどりながら言葉や文章に繋げていくという行為は難しくなっていた。
雪国の冬は、太陽が当たらない日が多く、寒い暗い冷たい。雪かきなどの作業も身体に堪える。
コロナ禍で、普段ならできる近所の婆さんたちとのお茶飲みも自粛してたんだろうか。
灰色の空、家に閉じこもって炬燵に入ってテレビ見るだけ・・・いつの間に寝てしまう。
雪国の長い冬が認知機能の低下にも関係したのだろうか。
それに私自身、爺さんが亡くなってから婆さんは自分のペースで好きなように生活してると思い込んでいた。
たまに電話をかけて雪の具合を聞くくらいで、毎日何を食べて、どんな1日を過ごしているのかなんて全然気にかけてなかった。
あのメモ帳の空白期間を見た時はショックだった。
だから今年の冬は、腰を据えて婆さんと、そして雪国の冬とじっくり付き合うことにした。
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