古今東西の「愛してる」:屋上

「話があるので放課後屋上に来て下さい」

下駄箱で手紙を見つけたのは今朝のこと。

友人の誘いをぎこちなく躱し、屋上へ向かう。

だが扉の先には、高い青空しかいなかった。

イタズラかぁ。

がっかりしながら校庭に視線を落とすと、地面に巨大な文字を見つける。

「愛してる」

直接言ってよ。

でも嬉しいです。

===後記===

たとえば、テスト期間中の放課後。

ふだんは賑やかな部活動も、一切の活動を休んでいて、嘘みたいに静かだ。

学校にながれる時間も、幾分ゆっくりになる。

今思い返せば一瞬だったあの時間たちも、当時は永遠に続くように思えた。

青い空の下に広がるだだっ広い校庭も、勇気ある学生には想いを伝えるキャンバスになるんだろうなぁ。

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