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小説新人賞の一次選考を通過しました。/7月11日

いやあ、マジでびっくりした。
昨日深夜に結果を見て、デカい声をあげてしまった。

今年の3月31日、僕は人生ではじめて長編小説を書き上げて、新人賞に投じたことを報告した。

大学生のころから「小説を書きたい」と思い筆をとってみるも、けっきょくは途中で投げ出すということをくり返してきた。しかしそれでも「夢は叶う」と何度も何度も何度も何度も背中を張り倒してくれた水樹奈々。

勘弁してくれと思った。「夢を叶えた側の人間」が簡単に言うなよ。推しに対して逆恨みに近い感情を抱きかけたこともあった。しかしそれでも一貫して、それが水樹奈々の人生哲学とでも言うかのように、夢のために努力することの素晴らしさを、彼女は歌のなかで語りつづけてきた。

オタクとして彼女のメッセージを””にしたくないという妄念に駆られた僕は、もう何度目になるかわからない決意をあらたにして、30歳してようやく処女作を脱稿したというわけだ。

そして完成した小説に対して、僕は上の記事で自作に対して以下のとおりの評価をくだした。

完成した長編小説、自己採点をすると、3点である。
おそらく──いや、絶対に一次選考すら通らない。

ななし「長編小説が完成した。/2023年3月31日」より

この言葉にそれこそ嘘はない。
新人賞に投稿して以降、その原稿をいちども読み返していない。
下手すぎて辛いからだ。自分の才能のなさをこれ以上ないくらい雄弁に突きつけられ、「夢の達成は不可能である」と証明されてしまうからだ。

その処女作が小説新人賞の一次選考を突破した
マジか。

実は選考結果自体はけっこう前に発表されていたのであるが、「どうせ無理や」と思った僕はろくに確認すらしていなかった。

昨夜ふと思い立ち、通過タイトルが並ぶリストの中に自作を発見した僕は、さすがになにかの間違いではないかと思った。見間違いだろと思った。なかば封印していたペンネームとタイトルが通過リストのなかに並んでいるのを見て、「これ俺だよな……?」と原稿のワードファイルと何度も見比べた。間違いなく僕の原稿が一次選考通過リストに掲載されていた。

とはいえ、まだまだ一次選考である。いちおう名前は伏せておくが、僕が応募したのは某大手ライトノベルレーベルの新人賞である。これまでの流れを見るに、そこでは選考が合計で4回行われる。どの新人賞でもそうだが、つぎの二次選考でガツッと絞り込まれるので、さすがにここまでだろうとも予感している。

しかし、しかしだ──。

僕はついにやったのだ。水樹奈々との”約束”の第一歩を履行したのだ。向こうは交わした覚えはないかもしれないが、大学生で小説執筆を志したときに、僕のなかにその”約束”はたしかに根を張ったのだ。

まずは、まずは第一歩だ。わずかなわずかなストライドかもしれないが、僕にとってめちゃくちゃ偉大な一歩だ。踏みしめたい。喜びを噛み締めたい。

僕はいま第2作の小説を執筆中である。
毎日の文字数のノルマ「1298文字」を達成したり達成できなかったりしながら、少しずつ執筆の歩を進めている。

そして同時に、7月2日から開催されている水樹奈々夏のライブツアー「LIVE PARADE」に参加中の僕は、各地の遠征先で観光するでもなくオタクと交流を深めるでもなく、喫茶店で黙々と小説を書いている。これが僕にとってなによりの”推し事”だからだ。

水樹奈々のライブは基本は土日祝日に行われる。今週末の土日のおやすみを挟んで、つぎのライブは7月22日・23日に福島県いわき市の「いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール」で開催される。

その頃にはもしかしたら二次選考以降の結果が出ており、とっくに落選しているかもしれない。それでも僕は胸を張ってステージで輝きを放つ水樹奈々を観られる。心のなかでこう報告できる。

僕は『夢を叶える』ために前に進んでいます。すべてあなたのおかげです

さて、今日も小説を書こう。

(終わり)

(つづき)


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