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【ライブレポ】 雨のオオサカナクション 2024 “turn” 大阪城ホール



2024.5.28(火)

「その日」は、何日も前から雨の予報だった。
「水を得た魚」…… なんて言葉が頭の中にチラついて、雨とサカナクションはある意味最高のコンディションだよね!なんて思っていたのも束の間。
当日の朝には大雨警報が発表されるほどの雨量となってしまっていた。
待ちに待ったライブの日に、もし電車が止まったり遅れたりしたら……。特に仕事終わりにそのまま会場へ向かう人や、他県から遠征してくる人たちが無事に会場にたどり着けるのかと気を揉むことに。


私にとってサカナクションのライブは今回が2度目で、はじめては3年前の11月22日『SAKANAAQUARIUM アダプト TOUR』大阪城ホール2日目

今回のツアー名は“turn
「サカナクション完全復活」をうたった今ツアーの背景には、サカナクションのギター・ボーカルである山口一郎さん(以下、一郎さん)の病気と、それに伴う約2年間の事実上の活動休止がある。


5月5日に放送されたHNKの特番は、サカナクションのファンにとどまらず多くの反響があったのを記憶している。誰もがなり得る病だからこそ、人々の関心も強いのだろうなと思ったり。

番組内でも言及されていたように、一郎さんが患った「うつ病」は、完全に元どおり“治る”ということはない病で。
それでも、適切な治療や休養、周辺の人たちの支えと本人の努力(という言葉が適切なのか分からないけれど)もあり、揺り戻しはあれど少しずつ調子は良くなってきているとのこと。

そんなこんなを経ての今ツアー“turn”
「帰ってきたサカナクション」の姿を見届けたいのと、単純にもう一度ライブを観たい思いでチケットをとった。


家のことや準備など一通り済ませて出発する。電車が動いていることホッとしながら会場に着くと、雨の中すでにたくさんのファンが集まっていた。

サカナクションのライブは、ドレスコードが黒なんですか?と思うほど黒い服装の人が多いという噂を聞いたことはあるけれど、今回のライブはテーマカラーが青なのもあり、青色のアイテムを身につけた人たちも多く見かけた。
この時点でライブまではまだ時間があるので、グッズを買ったり、友人と合流したりしてしばらく過ごすことに。


17:30、会場入り。
アリーナの友人とは入り口から別なため、ここで一旦お別れ。お互いの健闘を祈りつつそれぞれの場所へ。

今回の私の席は、「スタンド注釈A」
ステージの斜め横に位置するため、一部の演出や演者が見えない可能性のある席(その分、チケット代は少し安くなっている)
実は前回がたまたま似たような席で、正面からは見られずともステージが近く、演者もフロアの様子も一望できて個人的にはとても見やすい席だった。ので、今回は会場レイアウトを見てあえてそれに近い「スタンド注釈A」で申し込んでいた。


席に座り、ホール内を見渡しながら開演の時を待つ。
ステージには幕がかかっている。ただ、その幕は斜めに切れ目が入った特殊なもの。期待が高まる。


開演予定時刻を10分ほど過ぎたころだったかな。

以上をもちまして、本日の…… っ

そう告げる女性の声に会場は一瞬の「?」という雰囲気のあと、あたたかい笑いと拍手でドッと沸いた。
開演のアナウンスと終演のアナウンスを間違えてしまうという、なんとも可愛いハプニング。
間違えたご本人は真っ青だったかもしれないけれど、会場からの“大丈夫だよー!”というかのようなあたたかい拍手に迎えられ仕切り直し。
無事に、本来のアナウンスを届けてくれたお姉さんなのでした(若干笑いをこらえているように聞こえたのは気のせい?)
忘れられない貴重な体験となりました。


その後、客電が落ちてほぼ真っ暗に。
ライブがいよいよ始まるこの瞬間。どんな音が、光が飛び出すのかと固唾を飲んで待つこの緊張感がたまらない。

間もなくして、会場に響く雨の音。
ステージにかかった幕には雨の映像。
それはまるで先ほどまでの外の天気のつづきを見ているようで、偶然の一致とはいえ鳥肌が立った。
やがて青白い稲妻まで出現して、激しい雷雨に……


アメ フルヨル


歌声が押し寄せ、歓声が上がる。
トップバッターは『Ame(B)』!

例の斜めに切れ目が入った幕がゆっくり左右に移動。するとステージ中央に「三角形の穴」が現れる形になり、そこからメンバー5人の姿がお目見え。
再び大きな歓声が上がる。思えば前回(アダプト)はまだライブにおける規制が多かった頃で、コールアンドレスポンスなどの「声出し」はもちろん、感情が昂ったときの歓声や笑い声さえも漏らさぬよう気を遣っていた。
でももう、感情のままに声が漏れたり笑ったりしていいんだ。
この日の天気も相まって、会場内のテンションはすでに爆発状態だった。


つづく『陽炎』では、イントロから一郎さんが「大阪ーー!!ぅいくぞオオオーーーー!!」と大声で焚き付け。
銀テープもパーン!桜の花びらの形のコンフェッティ(紙吹雪)もぶわぁー!と噴射して、アリーナのかなり後方までキラキラひらひらと飛んでいく光景は、スタンド席から見てもとってもきれい(桜、こっちにも飛んでこないかな〜 って思いながら見てた)
ステージ後方の三角形のスクリーンには「ニューサカナクション」という文字や、舞妓さん?や着物を着た人たちが踊る派手目の映像(イメージはマツケンサンバ)も流れ、お祭り状態。
当然観客も大盛り上がり。

一郎さんはステージの前方を上手(かみて)へ下手(しもて)へと練り歩きながら歌い、ファンに手を振ったりとサービス精神満点。

〈いつになく煽る紅ないないなぃなぃなぃ……〉
〈いつになく煽るyeah,Oh!おうおうおぅおぅおぅ……〉
セルフエコーもばっちり決まっていた。


そのまま勢い衰えることなく「みんなアイデンティティ歌える?」と『アイデンティティ』へ。

「どうして?」という今にもはち切れそうな心情を明るめな楽曲にのせて、各々が存在証明するかのように精一杯に叫ぶ。私は叫ぶ代わりにめいっぱい腕を突き上げた(心の中では叫んでた)
「ラララ」のパートではワイパーのようにぶんぶん左右に腕を振って、すっかり一体感の生まれた会場。
みんながそうしているから、というよりも自然に身体が動きたくてそうしてしまう感じ。


そんな「ラララ」の合唱に被せるようにして聴こえてくるのは、〈ミエナイヨルノ ツキノカワリニ ヒッパッテキタ アオイキミ〉のフレーズ…… とくれば、次の曲は『ルーキー

お馴染みの緑色のレーザーがホールの隅々まで伸びる。
そして、ギター岩寺 基晴さん(以下、もっちさん)とベース草刈愛美さん(以下、あみちゃん)による太鼓どんどこタイム!大好き。
バチポイ(バチをポイと下に投げる)からの各々の担当楽器への転換も華麗にこなす(それがハッキリと見える贅沢な席だった)
会場にも力強い手拍子が起こり、緑のレーザーに触れるかのようにたくさんの手が上がっていた。


つづいて、いつかライブで聴きたいと思っていた曲のひとつ、『Aoi


青さ 思い出せばまた見えた また見えた
新しい姿の行く末を 行く末を


サカナクションの魅力のひとつとも言える、男女混声の厚みのあるコーラス。この曲では、美しさの中に少しの恐ろしさも感じる。

痛い 痛い 痛い 痛いほど
本能で 本能で 本能で踊って


青さといえば若さの象徴でもあるけれど、おそらく誰もがいくつになっても抱えている「青さ」ゆえの「危うさ」
そんな衝動や焦燥を駆り立てるように、音と歌声が迫ってくる。
痛いくらいまっすぐな青いレーザーに射抜かれる。
私も負けじと(?)迸る青さを拳に込めてぶつけた。


ここまでアッパーな曲で飛ばしつづけていて、会場の熱気はすごいことに。
開演前は空調が効いてひんやりしていたのもあり上着を着ていた私も、さすがに息が苦しくなってきたのでここで上着を脱いで半袖に。ふぅ。


勢いはまだ衰えることなく『プラトー』へ。
エジこと江島 啓一さん(以下、江島さん)の疾走感あふれるドラムが大好きすぎてテンションが上がる。
しかもそのドラムに照明が当たっては反射して虹色に?ビカビカ光っていたのでカッコ良さ増し増し。
ドラム以外にも、この曲はメンバーそれぞれ見せ場となるパートが目立っていいな。

僕はまだ
多分まだ目を閉じてる
だから今
笑えるのか

この風が
悲しい言葉に聴こえても
いつか
それを変えるから


ただ激しく楽しく盛り上がるだけじゃなく、光に手を伸ばすような、絶対に諦めない何かを見据えるような。そんな気持ちを掻き立てられるのも、サカナクションの楽曲の好きなところ。


ここで、ステージの左右から大小さまざまな大きさの縦長パネルが運び込まれ、都会のビルのように組み合わさる。
そこに投影されたのは、人々が行き交う雑踏の映像。それがおそらく東京のものだろうなと思ったのは、演奏されているのが『ユリイカ』だからで。

サカナクションメンバーが、一郎さんが、地元である北海道から遠く離れた東京へ出て、音楽活動をしながら生活を送ってきた日々に勝手に思いを馳せる。

ここまで激しめの曲がつづいたのもあり、ユリイカのゆったりとしたリズムに心地よく身体を揺らしつつ、サビでは感情の弾けるような一郎さんの歌唱に呼応して腕を挙げる人も多くいた。


その流れのまま、ゆったりゾーンへと誘われ『流線』へ。
先程の縦長パネルにはメンバーの影が投影され、最初は夕暮れのような橙色から曲の熱量が増す後半では燃えるような赤に。影の黒と合わさると怖いくらいのコントラスト。
もっちさんのギターも咽び泣くような音色で、一郎さんの声も揺らぎを含みながら伸びて、哀愁を誘う。どこか別の世界へ迷い込んでしまいそうだった。


流線のアウトロに被せるように遠くから聴こえる波の音……
自分が砂浜にいて、波打ち際に裸足で立っているような感覚に。
次はあの曲かな……?と想像した通りの、『ナイロンの糸』へ。イントロから美しくてとろけそうになる。
最初は浅瀬にいたはずが、曲が進むにつれてどんどん水位が上がっていくような、海の深いところへと進んでいくような怖さ……?それとも安心感……?を覚える。

「この海にいたい」と、すがるように繰り返す歌声に胸がぎゅっとなる頃には、もう引き返せないところまで。


ブクブクブク……
水中に潜るような効果音とともに、さらに深い深い海の底へ。
聴こえた最初の一音に息をのむ。
ネプトゥーヌス』、ここできた……!

いつかライブで聴きたい曲はたくさんあるけれど、その中でも「特に聴きたい3曲」として私の心の中にずっとあったのが『ミュージック』『ボイル』『ネプトゥーヌス』で。
実は、事前に観たNHKの番組で不意打ちのネタバレがあったため、聴けるかもしれないのは分かっていたものの、ついにきた!本当に聴けるんだ!という感動で背筋が伸びる。

嫌なことから、世界から、一時的に自分を切り離したくなったとき。
部屋の床で、起き上がることもできずに虚ろな心で冷たさを撫でていたとき。
そんなとき、ずっと心のそばにあった曲。
この曲を聴いている間は、誰も私の中に入ってこられない。砂に包まれて眠るような安心感を得られた。
そんなことを思い出しながら、ギリギリこぼれない涙が滲む。
後半のコーラスが重なるパートは特に美しくて、こんな海底にも光は差すのだと思った。
ときどき目を閉じながら、やっぱりもったいなくて開けながら、ライブで聴けるしあわせを噛みしめていた。


沈んだら、上がってく。
つづく『さよならはエモーション』では大切な感情を思い出したかのように、暗い暗い海底から光の差す方へ走っていくようなカタルシスに包まれた。

僕は行く
ずっと深い霧の 霧の向こうへ


私がサカナクションを好きになりたての頃、一郎さんやファンが発信していてよく見かけ、その影響もあってか私の中でサカナクションの根幹というイメージのある「夜を乗りこなす」というフレーズ。その発祥の曲。
日常生活でも「乗りこえる」より「乗りこなす」という表現が染み付いたり、配信ライブなどもあって何度も聴いたことのあるような気になっていたけれど、思えば生で聴くのは初めてだった。

さよなら 僕は夜を乗りこなす
ずっと涙こらえ こらえ

特に後半の歌唱は胸に迫るものが……
この日の「さよなら」は、今までの自分に別れを告げて新しい自分になっていくような、ポジティブな覚悟に聴こえた。

ヨルヲヌケ
アスヲシル
ヒカリヲ ヒカリヲヌケ


前曲『ネプトゥーヌス』から夜が明けていくような流れにハッとする。

ちなみに、終演後に知ったのだけど2日目の公演ではここの曲が『ボイル』だったらしい。
ボイルーー!!

光ONLINEの配信で初めて観たときから“ライズ”する演出も含めて大好きな曲。ボイルも私の中で「夜明けの曲」で。
一郎さんが作詞でもがいて、もがいて、終わらないと焦って、それでも何度も言葉の海にもぐって、掴んで。そうやって全てがつながった、報われた朝のことを歌った曲だと解釈していて。

正直 正直  諦めきれないんだ言葉を

私も、文章がなかなか書き上げられないとき。創作におけるいわゆる「難産」のとき、何度も何度も心を重ねてきた曲。本当に大好きで大切な曲。聴きたかった……


【1日目】ユリイカ→ネプトゥーヌス→さよならはエモーション
【2日目】ユリイカ→ネプトゥーヌス→ボイル

とてもストーリーを感じる構成で、ネプトゥーヌスからどっちへ進んでも「光」で。
でもここで枝分かれするのはずるいというか、どっちも良すぎて選べない〜!(2days参加するしかないな)


一部ファンの間で「天国に最も近い曲」と呼ばれているらしい話を見かけたこともあるボイル。
ネプトゥーヌスからの流れでボイルなんて聴いてしまったら生きて帰れなかったかもしれないので、ある意味命を救われたのかも…… いや、天に召されたかったです(あくまで比喩として)
なかなかライブに行けないうちの貴重な1回だったからこそ、ここで聴きたかった……!(荒ぶる情緒)
ボイル…… いつか、聴けるかなぁ。


夜を抜け、光を抜けて次の曲へ。でも、しばらくタイトルが出てこなかった……。
ほら、あの曲。過去のライブ配信で何度か観たことのある曲!なんだっけ…… と思いながら、一郎さんや周りの人の手の動きを真似して楽しむ。
そのうちサビで〈ホ〜リーダンス♪〉と聴こえてやっと思い出した『ホーリーダンス

だから今を置いて上へ飛びたいな


邁進するような江島さんのドラムのリズムと、「上」を力強く指差す一郎さん。照明。それに呼応して腕を上げる観客。

いろんな不安やしがらみを脱ぎ捨てて、放り投げて、飛んだり踊ったり。
「重いマント」を着たり脱いだり。そんなときがあってもいいんだよね。
今回のライブを経てより好きになった曲のひとつ。


ここで、確か暗転。
ステージには幕がかかっており、そこにビカビカでバチバチの映像が投影される中聴こえてきたのは
〈気まぐれな君の色……♪〉〈壁が鳴り痺れるチェロ……♪〉という『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』のワンフレーズ。察した人々から歓声が上がる。
ただ、音源やアダプトのライブで聴いたそれとは様子が違っていて、ほぼ歌なしの長尺DJタイムへ突入。

しかも、ステージにかかっていた幕が…… ひし形に開いていく!
過去のライブ配信を観て度肝を抜かれたあのアイリス幕が生で拝めるなんて……!

だけど思い出した。ここは注釈席。ステージを斜め横から拝む席。ひし形の穴からは、メンバーの姿が少ししか見えない。
お隣のお兄さんも思わず身を乗り出して覗きこんでいた。
私もステージとスクリーンを交互に見ながら興奮を抑えきれずにいた。
ちなみにメンバーはおそろいのサングラスを装着して5人横並びになっていて、その足元の台はステージのかなり高いところまで上がってしまっている。高いところ苦手だったら怖いだろうなってくらいの。どんな景色が見えるんだろう。


ひし形に開くアイリス幕については、こちらの動画の28秒あたりから少し見られるので、参考になれば。


ちなみに冒頭に記した三角形に開く幕もアイリス幕。
(一郎さんが堂本光一さんのステージでひし形に開く幕を見て衝撃を受けて、自分のライブでもやりたい!と頼んだそうです)

曲は原型をとどめないくらいのダンスミュージックになっていて、照明や映像などの演出も含めてこれでもかと焚き付ける。思い思いに飛び跳ね、踊るファンのうねりも含めてものすごい光景だった。


曲が終わると幕のひし形がさらに大きく開き、メンバーが乗っている台はステージの半分くらいの高さまで下がっていった。先程よりは見えやすくなる。
そして、ここでこの曲がくるのは個人的に意外だった『ネイティブダンサー』へ。会場からも「おお!」と歓声が。

Bメロ名物の難しい手拍子、私は全然わからなかったので雰囲気で叩いていました。
冬のイメージのある曲だけれど、初夏の雨の日に聴くネイティブダンサーもとてもよかったな……。


メンバーの台がさらに下がり、もとのステージの高さまで来たところで、次の曲は待望の『ミュージック』!
例の番組ネタバレで聴けるはずって期待はしていたけれど、やっぱりうれしい!
イントロから、心と身体が跳びはねるのを抑えられなかった。


離ればなれ
鳥は群れの仲間が懐かしくなるのか
高い声で鳴いた


病気で活動を休んでいる間に、忘れられちゃうんじゃないか……。そんな不安をときどき吐露していた一郎さん。
この曲が作られたのはもう10年以上も前のことだけれど、群れからはぐれた鳥の姿に自分を重ねることもあったのだろうかと考える。


変わらないままの夜だって
歌い続けるよ
続けるよ

いつだって僕らを待ってる
まだ見えないままただ待ってる
だらしなくて弱い僕だって
歌い続けるよ
続けるよ


もともと聴きたい曲ではあったけれど、一郎さんの病気やお休みを経て聴くと歌詞が一層沁みて。
サカナクションにとっても、多くのファンにとっても、改めて大切な曲になったんじゃないかなと思ったり。


いつまでも聴いていたい余韻に浸る間もなく、一転して明るい曲調の『ショック!』へ。
またしても練り歩き一郎さんが、ステージ前方を右に左に移動していく。そんな一郎さんに手を振るファン(私も)
くるくる回ったりアップダウンしながら、それでも歌声はブレることなくて相変わらずすごいなと思ったり。

サビでは通称ショックダンス(ワキワキダンス)で会場が沸きに沸く。私も、アダプトのときより大きくワキワキして踊る。
ラスサビでは、たけのこニョッキッキダンスも健在。
両隣のお兄さんも、前のお姉さんも、そして私も全力でニョッキッキしていて楽しくなっちゃう。勢いあまってふらついて、前に倒れそうになったときはドキッとした。あぶないあぶない。

そういえば、テレビでショックダンスを踊っている楽しそうな一郎さんを見て涙が止まらなくなって、自分でもびっくりしたこともあったな、なんて。


ゆったりゾーンから再びアッパーゾーンへ突入したようで、ショック!の勢いのまま次の曲は『モス
イントロから、会場いっぱいにバンザイの花が咲く。

繭を割って、羽を広げて行きたいところへ飛んでいけるように。全力で楽しみつつも祈りをこめる。


お馴染みのシンセサイザーのイントロが聴こえたなら『新宝島
ステージ前方には、ポンポンを持った新宝島ガールズも登場してダンスで盛り上げ。
サビでは私も、首にかけてあるタオルの両端をポンポンのように振りながら楽しく踊った。

ところで、「新ラララ島」みなさん歌ってました……?
新ラララ島というのは、アウトロでザッキーこと岡崎 英美さん(以下、岡崎さん)のシンセサイザーの音に合わせてみんなで「ラララ」で歌おうというもの。
(↓サカナクションのライブレポなども書かれているライターの布施雄一郎さんのツイートより)


そういうのがあると心得ていたつもりだったのですが、すっかり忘れていたことに終わってから気づいたのでした。楽しかったからいっか。


そんな楽しい時間もあっという間……

「みなさん楽しんでいただけたでしょうか。
どうか今夜もみなさんにとって“忘れられない夜”になったことを祈っております。
今日はどうもありがとうございました!サカナクションでした」
という定番の前口上から本編最後は『忘れられないの

メンバーの足元にはスモークが焚かれ、スタンド席から見るとメンバーが雲の上に立っているようで幻想的。

夢みたいなこの日を
千年に一回くらいの日を
永遠にしたいこの日々を
そう今も想っているよ


キラキラの銀吹雪が降りそそぐ。
私には、そのひとつひとつが「☆」の形にきらめいて見えて、見惚れていた。
本当に、こんな時間がずっとずっと続いてほしい。そう思う。
あみちゃんのベースソロも、何度聴いても痺れる。

「今日はどうもありがとうございました!サカナクションでした!」

あぁ、まだまだ終わってほしくないよ〜〜

順々にステージ下手へメンバーがはけていくのですが、岡崎さん(ザッキー)がスキップしながら退場していて可愛らしかった。


拍手はまもなくアンコールの手拍子へ。

ここで余談。私の席からめずらしい?光景が見られたので、記しておきたい。
先ほど降ってきて床に溜まっているキラキラ銀吹雪を、逆掃除機のような風の出る装置でスタッフさんが吹き飛ばして端っこに片付けていて。
暗闇の中そのキラキラの動きだけよく見えて、それがまるで打ち寄せる波のようで……
〈スパンコールな波際で〉という、『白波トップウォーター』の大好きな歌詞が浮かんで、ちょっと嬉しくなったのでした。


ステージライトが点いて、拍手と歓声の中メンバーが再登場。
一郎さんはグッズの黒Tシャツ、江島さんは通称“デステニーターコイズブルーTシャツ”に着替えている。

本編ではMCらしいMCはほとんどなく、曲と曲の合間に何度か一郎さんが「自由に踊ってください。恥ずかしがらず」「踊れる?」「まだまだ踊れる?」など言ったくらいだったけれど、アンコールでは曲と曲の間に長めのおしゃべりタイムあり。
ただ、どのタイミングでどの話をしていたかの記憶が曖昧なので、なんとなく流れで組み立てています。ご容赦ください。


大阪の魚民〜!(※魚民はサカナクションファンの呼び名)って一郎さんが叫んでいたのはこの辺りだったかな?
大阪城ホール2日間ソールドアウトありがとうございます!

そしておもむろに
オオサカナ・ク・ション♪  オオサカナ・ク・ション♪
と手を叩きながら言う一郎さん。
どうやら、「大阪×サカナクション=オオサカナクション」を広めたいらしい。でもなかなか定着しないらしい。
オオサカナクションのポーズも決めるから、あとでストーリー(Instagram)にあげるから、みんな広めてね!と。


※後日、ストーリーではなくYouTubeの配信にて発表されていました。
手とほっぺたで「たこ焼き」を作って、指を魚のヒレのようにヒラヒラさせるんだそう。詳しくは↓の動画の3:01:44辺り(最後の方)へ。



まだ踊り足りないの?と尋ねる一郎さんに腕を上げたり歓声で応えるファン。私もまだまだ踊りたい!

「スタンド席まだまだ踊れる?」 「いぇー!」
「アリーナまだまだ踊れる?」 「わぁー!」
「男ども、まだまだ踊れる?」 「うぉー!」
「女の子ども、まだまだ踊れる?」 「いぇー!」

というやりとりから(だったと思う)、アンコール1曲目は『夜の踊り子』
本編でなかったから、今回は聴けないのかと思ってた。うれしい!

ステージにはなんとリアル舞妓さんが(アダプトのときは映像だった)
舞妓さんの優雅な舞に惚れ惚れしつつ、耳では曲を堪能。
そして、サビのようなBメロで一郎さんの手の動きを真似するのが大好きなので、今回も見よう見まねで思いを込めて腕を上げた。

今泣いて何分か後に言う
今泣いて何年か後の自分

笑っていたいだろう


たとえ今は泣いていても、遠くを、自分が思う方をイメージして。
〈逃げるよ 逃げるよ〉
〈行けるよ 行けるよ〉
やさしく背中を押されるような、そして心の奥底から勇気が湧いてくるような曲。大好き。

曲が終わると舞妓さんは、しゃららん…… と小走りで舞台袖へはけていった。


ここで、先述の通りタイミングは曖昧なもののMCタイム。
大阪のみなさまこんばんは!僕たち私たちサカナクションです!……を言っていたのはこの辺りだったかなぁ。

病気になって、前回のツアーを中止してしまったことについて「本当にすみませんでした」と深く頭を下げる一郎さんと、メンバー一同。
あたたかい拍手で応える会場。

パッと顔を上げた一郎さん、今度は笑顔で
「でも、帰ってきました! ただいまぁーー!!」
と両手を大きく広げてバンザイ。
大きな祝福の拍手で応える会場。


するとどこからか、
「おかえりぃーー!!」
と叫ぶお子さんの声が。

「ただいまぁーー!!」
と子どもの声真似?で応える一郎さんにドッと沸く会場。
ポーズも両手両足を横にまるく膨らませて(説明がむずかしい)頭身を低く?していた一郎さん。

「かわいいね、(一拍おいて) 俺がね」

というたたみかけには声を出して笑っちゃった。
一郎さん自身も気に入ったのか、その後も事あるごとに「ちびっこ郎」さんが登場してはその度に笑いに包まれる和やかな雰囲気に。


つづけて一郎さんはメンバー一人ひとりに話題を投げかけていく。
まずはギターのもっちさんに「ツアーも折り返しですけどどうだった?」と尋ねると
「大阪は声がすごくて。力をもらえました」ともっちさん。
江島さんも「大阪の人は声帯が違うんですか?」と言っていておもしろい。

すると一郎さん、唐突に「俺フェスとかけっこう嫉妬するんだよね」と。
「(他のバンドは)◯◯さーん!とか、ファンから名前呼ばれてたりするじゃん」と。

すかさず、会場の方々からメンバーの名前を叫ぶ声が。

「待てよォ、言わせたみたいじゃんかよォ。自然発生的に起こるのがいいんだって」

と言いつつも嬉しそうな一郎さんに、またしても声を出して笑っちゃいました。
江島さんにも「今日はいろいろ出ますね」と言われるほど、絶好調(絶口調)だった一郎さん。一郎さんが楽しそうで、私もたのしい。


今度はシンセサイザーのザッキーこと岡崎さんに「ツアーにいつも持ってきてるものある?ほら、ザッキー本とか好きじゃん」と投げかける一郎さん。

「本はね…… あっ、でもこれ言ったらみんながドン引きするから言えない」と岡崎さん。
みんながドン引きする本とは……? き、気になる。

「近々で読んだのはワンピース」
とつづけると、ワンピースいいじゃん!と一郎さん(でも一郎さんはインペルダウンで止まっているらしい)
そして、俺最近あれ読んだ。赤と青のガウン!と、興奮気味に話す一郎さん。おもしろいから、読んでみて。とファンにもおすすめ。心にメモ。

岡崎さんは他にも、テニスボールをツアーのお供にしているのだとか(腰とかに当てて、ぐりぐりマッサージする用)
あとはパジャマも(遠征中でも「家感」を出すために)

ベースのあみちゃんにも話を振る一郎さん。
(あちこちから「かわいいー!」と声が上がる)
大阪にはサカナクションが初期の頃から来てるよね、と話すあみちゃん。
でも、そのライブハウスの名前がなかなか出てこない。
「なんだっけ?高架下の……」
なんとかシアター、バナナホールなどなどいろんな名前が出てくるけれどどれもピンとこない。メンバーも、ファンもお手上げ。私も分からない。

結局ナゾのまま、「今はこんな大きなところでね」とホールを見渡すあみちゃん。
一郎さんの「みんなトコジラミくらいだよ」という、笑っていいのか若干戸惑う時事ネタにも、「でもちゃんと顔見えるよ」とフォローするあみちゃんでした。


そんな感じでメンバー一人ひとりとのやりとりに和んだのち、
「サカナクションは今年17周年なんで、17年前の曲をやります」と一郎さんが告げて始まったアンコール2曲目は『三日月サンセット

サカナクションのデビューからずっと一緒に歩んできた曲。私はまだそのほんの一部しか知らないけれど、サカナクションにとってもファンにとっても特別であろうこの曲を復活ライブで聴けてうれしい。

ちなみに、2日目の公演ではここのポジションが『白波トップウォーター』だったと聞いた。白波ーー!!
(ちなみにアダプト公演ではどっちも聴ける贅沢セットリストだった)


またまたMCタイム。
今回のライブの総合演出は、『新宝島』や『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』のMVなども手掛ける田中裕介監督です、と紹介する一郎さん。

また、音響にも毎回かなり力を入れているサカナクション。
今ツアーでも、スピーカーの数や配置を増やして音響的な死角を減らすオリジナルのサウンドシステム「SPEAKER +(スピーカープラス)」を導入。ということで、PAエンジニアのサニーさんも紹介。

「みんなこの音に慣れちゃってるでしょ?普通はこんなんじゃないからね」
と一郎さんが言うと、なんとここでSPEAKER+と、そうじゃないときのスピーカー比較体験ができることに。おお!

今から『新宝島』をワンコーラス演奏して、途中で普通のスピーカーからSPEAKER+に変えます。変えるタイミングはサニーさんが決めます!どこで変わったか当ててください!と。

会場も、私も、耳をダンボにしてスタンバイ。
結論から言うと私は「分かった……ような気が……したような?」という自信のない感じ。
でも、一郎さんの「分かった?全然ちがったでしょ?」という問いかけに会場は「イェーーイ!!」と沸いていたので、分かった人が多かったのかな……?(私も分かりたかった)

「これがお金の力です!」
と、誇らしげな一郎さんでした。


また、今回のライブは一郎さんも目薬のCM出演などしている「サンテFX」の協賛。そしてここ、大阪は参天製薬のお膝元。
コロナ禍の頃から「文化を大切にしたい」とずっと音楽シーンやサカナクションのライブを支えてくれていた参天製薬さんに感謝を述べる一郎さん。
「二代目織田裕二」を目指しているので、今後もよろしくお願いしますと。


ここで再び病気についての話をしていたんじゃないかと思う。
体調は、波があるけど最近よくなってきている。でも、昔の自分には戻れない。昔のサカナクションには戻れない。じゃあ、新しくなればいいんだ。そんな感じの話。

テレビやインタビューでも言っていた
「元に戻る」んじゃなく、「新しい自分」になる。
新しい自分を受け入れて、病を乗りこなしていく。
病も嫌な自分も、いなくなれ!と思っていてもつらくなるだけだから、だったらいっそ肩を組むくらいの気持ちで。

5人で、楽しみながら、新しいサカナクションになっていく。
新しいサカナクションがどんなふうになっていくのか、それを知りたくて始めたツアー。
折り返しにきて少しずつ見えてきました、と。そんなことも言っていた。

僕たちも分からないから、みんなにも想像つかないかもしれない。
でも、これだけは言えます。変わらずに変わっていく。

1年や2年じゃなく、5年10年と残るようなものを作っていきたい。
そうしてまた、新しいサカナクションが作るものを楽しんでもらえたら。

一郎さんの言葉に耳を傾けるファン。会場は、あたたかな空気で満ちていた。


「2年前にはできなかった曲を5人でやりたいと思います」と一郎さん。
静かに見守る会場に響いたのは、岡崎さんの揺らぎのあるシンセのイントロ。『シャンディガフ』だ。
もっちさんのアコギのブリッジミュート?カッティングの音もやさしく心地良い。

消えた日々は泡の中
それぞれのこと
立ち入らず立ち入れぬまま
だけど


私にはビール(お酒)を飲む習慣はないけれど、この曲に憧れてノンアルコールビールとジンジャーエールでシャンディガフ風の飲みものを作って、レーズンバターも用意して、「シャンディガフごっこ」をしたこともあったな…… なんて。

最後に僕が信じたのは
少しの愛と
少しのだらしなさかな
レーズンバターみたいなこの甘さ
手で触れるだけで溶けてく


『ミュージック』や、おそらく『ネプトゥーヌス』にも通ずるような、“だらしなさの肯定”に安心しながら、しっとりと聴き入る。
スクリーンには今回のライブにかかわった人たちの名前がエンドロールとして流れていた。


演奏を終え、ステージ前方に歩み寄る5人。
ずっと見たかった、5人手を繋いでの深いお辞儀。
アダプトのときは、距離をあけて手は繋がず(エアー握手?)のお辞儀だったので、ようやく叶った。

手を振りながらステージ袖にはけていくメンバーに、あたたかい拍手が送られる。
そうしてturnツアー大阪公演1日目は幕を閉じた。


外に出ると、雨はすっかり上がっていた。
あっという間だった。すごかった。楽しかった。参加できてよかった……。
胸がいっぱいで、今はそれくらいしか感想らしい感想が出てこない。

事前にみたHNKの番組でちょこっと不意打ちのネタバレもあったけれど、気にならないくらい驚きの連続で。
心配していた大雨も、終わってみればライブの序章、舞台装置の一部のようだった。

一郎さんも雨のおかげか絶好調(絶口調)に見えたし、無事に開催できたから言えるものの、総じて最高の一夜だったんじゃないかなと思う。


何度かあちこちで話してきたけれど、私は今年に入ってからあまり音楽を聴けない日々がつづいていた。
好きなアーティストさんたちの新譜も聴けなくて、サカナクションの曲もほとんど聴き込めないままライブを迎えてしまった。
だけど、ライブへの参加を終えたいま、私の中にもまた音楽が “turn”=帰ってきた。そんな感覚が確かにある。
ありがとうチームサカナクション。
絶対に絶対にまたライブに行きたい。


【セットリスト】

Ame(B)
陽炎
アイデンティティ
ルーキー
Aoi
プラトー
ユリイカ
流線
ナイロンの糸
ネプトゥーヌス
さよならはエモーション(2日目は『ボイル』)
ホーリーダンス
『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(Rimix version)
ネイティブダンサー
ミュージック
ショック!
モス
新宝島
忘れられないの

〈アンコール〉

夜の踊り子
三日月サンセット(2日目は『白波トップウォーター』)
シャンディガフ



【番外編】

ここからは番外編。
ライブ本編とはやや関係のない、開演までの時間やグッズの話、フォロワーさんの話、こぼれ話など。よければお付き合いください。


これは、ライブ前に友人と食べたごはん。

大阪城公園駅の改札から階段を降りてまっすぐ進んだところにある、「さち福や」さん。
とてもおいしかった。



購入したグッズ。
ステッカーと、その奥に見える浅瀬色のメッシュバッグ。


ステッカーの類いはもったいなくてなかなか貼れない民なので、以前見かけたアイデアを参考にしてキーホルダーに。

ダイソーの透明キーホルダー(写真とか入れられるやつ)に、挟むだけ。
こうなりました(オモテ)
(ウラ)


このお魚は鮭なのか?ニジマスなのか?(虹色だし)それとも別の魚なのか?分からないけれどかわいいな。
個人的には、以前どこかで見かけた「鮭の遡上=turn」説が好き。


ライブのとき首にかけていたタオル(アダプトのときのだけど)も、ステッカーも、メッシュバッグも、ぜんぶ愛おしい。
ステッカーで作ったキーホルダーは、お守りのように毎日持ち歩いて眺めている。

友人は、『陽炎』のときの桜のコンフェッティがずっとどこかにくっついていたようで、帰宅後に1枚ひらひらと落ちてきたんだって。素敵すぎる。



終演後の撮影OKタイム。席からの景色。
(少し拡大とトリミングしています)

スタンド注釈Aはこんな感じ。いい席でした。



また、今回はじめて耳栓を携えてのライブで。
つけたり外したり調整しながら最終的に私が落ち着いたバランスは〈片耳だけつける〉でした。
ステージ・スピーカーから遠い方の耳(左耳)だけつけてた。
耳栓のおかげかアミノバイタル(魚民さんのおすすめ)のおかげか、いつもあるライブ後の頭痛がなかったのうれしい。


会場にて、フォロワーさんにも何人かお会いすることができました。
1人はアダプト大阪城公演のとき同じ会場にいて、その後私が書いたライブレポを見つけて読んでくださったのをきっかけに繋がった方。

もう1人は、そのアダプトのライブが無料配信されるときに「いいライブなのでぜひ!」と私がツイートしたのをきっかけに配信を観て好きになって、今回ライブにまで足を運んだ方。
そんなきっかけも含めて、お会いできてうれしかった。

私ももとはフォロワーさんのライブレポを読んだり、光ONLINEの無料配信あるからぜひ!というツイートをきっかけに観て、衝撃を受けて、どんどん好きになってライブに行った。
その方は今回2日目だったのでご挨拶は叶わなかったけれど、またいつか。

アダプトのときに一緒に申し込んでいっしょにスタンド席で参加した友人は、今回ファンクラブ加入でアリーナでした。
ツアーが発表されたとき、その友人が「どうする?」って声をかけてくれなかったら、きっといつもみたいに「行きたいけど無理だよなぁ」って見送ってたと思う。だから友人にも感謝。

こんなふうに好きが深まったり、誰かの好きが別の誰かに伝わって広がって、繋がって。
やっぱり音楽っていいな、ライブっていいなとあらためて思ったのでした。


ライブ後の私は、自分でもびっくりするくらいSNSでのつぶやきが多くなった。
普段、つぶやくだけでもエネルギーを消耗するからなるべく省エネしているのだけど、人が変わったように喋りだして引かれるんじゃないかと思ったほど。

でも、それくらい…… 人が変わるくらいの力が、音楽やライブにはあるんだなぁって。

あきらめなきゃいけないことも多いなか行けたライブだったから、うれしかった。
そしてそれを一緒になってよろこんでくださる人がいるのも、あったかくてありがたかった。


サカナクションにも、かかわってくださる方にも、そしてこの文章を読んでくださったあなたにも。
本当にありがとう。

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