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「20××年のコンビニ クオリティオブライフレス」ショートショート

世知辛い世の中になったものだ。
かつてのコンビニには、楽しさがあった。

19時くらいに閉店する中、24時間光り続ける店内は、すこしかぶいた店に思えた。

子供の頃に深夜立ち寄ったコンビニはどこか、ワクワクするものがあったのだ。

それがいまではせちらがい。

コンビニで、カップ麺と缶コーヒーを買う。
どちらもコンビニが売っているプライベートブランド商品だ。

メーカー品はいつのまにか値上がりを続け、かつての価格の数倍だ。もはやメーカー品の標準価格など、松竹梅の比較のための松だった。

自らに少しの憐憫を感じつつ、レジに向かう。

かつては勝手にレジ打たれ、価格を告げられ、袋詰めされ、支払いをしただろう。

しかし、いまではすべてタダではない。

「レジ打ちの希望ですか?」

そうきかれ、うなづくと「ではレジ打ち代××円頂戴します」

「ふくろはつけますか? ーー有料になりますので、×円いただきます」

「箸はおつけしますか? ーー有料になりますので、×円です」

「こちらインスタント食品料がかかる商品ですがよろしいでしょうか? また容器が包装税の対象となっています。缶コーヒーは、砂糖税、コーヒー税、アルミ包装税の対象商品となりますので、売価に加算されますのでご了承ください」

やたらと長くなる明細にうんざりしつつ、俺はぴったりの金額を財布から出した。すると

「現金での支払いですね。現金の場合は現金税の対象となりますのでご了承ください」

そして、おれはコンビニを後にする。

せちがらいもんだ。


「ーーご利用ありがとうございました。再入店はできません。入店の際は改めて、店舗利用料金をお支払いください」


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