「ただの風邪　と　マスクばあさん」ショートショート

とあるウィルスの影響で社会生活は一変した。

「ゲホゲホッ！！」

「おいおい、大丈夫かよ、あれじゃないのか？」

「そうかもしれないな」

「だったらマスクしろよ！」

「はっ！　マスクマスクってあんなのは、ただの風邪の一種なんだよ、それをみんな怖がりやがって！！！　俺はそんな同調圧力に屈しないぞ！！」

「おいおい、そんな風でだいじょうぶかよ」

「こらぁあああああああああああ！　なにマスクしてないじゃああ！！！」

「なんだババァ！！！　マスクしてねぇのがなにが悪いんだこらぁ！！！」

「ゲホゲホッしとったろうがぁ！！　マスクせんといかんとばぃ！！！」

「は！　あのウィルスだとでも思っているのか！？　そうだとしてもあれはただの風邪なんだよ！！　俺もただの風邪だ！！！」

「風邪じゃとぉ！！！！」

「ああそうさ！！　37．5度以上の熱で頭がフラフラさ！！　咳も出るし、喉もいてぇ！！！！」

「お前、そんな状態だったのかよ・・・・」

「そうさ！！　満身創痍さ！　でもそんなの関係ねぇ！　ただの風邪だ！！」

「熱がある！　喉もいてぇか！！」

「ああそうさ！！」

「だったらはよぉ！！　マスクせんかい！！！」

「あああん！？　だからただの風邪だっていってるだろうが！」

「風邪ひいてんだったら、マスクしねといかんだろうがぁ！！！！」

「！？」

「流行病もあるっけえ！　そんな状態でなに外ほっつきあるいてんだぁ！！　人様にうつるだろうが！！！」

「だから、風邪だと・・・」

「風邪は人にうつるったい！！！！　人様に移さんようマスクくらいせなあかん！！！」

「なんだとぅ！！！　マスクでなにが防げるんだよ！」

「そもそも、なんで外出てるんじゃけぇ！！！　風邪ひいてるなら家にいろぉ！！！」

「会社だっつってんだろうが！！」

「体調悪いなら会社休むもんだろう！！！　学校でなにならった！！！」

「大事な仕事なんだっつってんだろうが！！」

「だいじ大事、いうてもなんとかなるのが仕事ったい！！！　どうにもならんときは仕方なか！！！」

「仕方ないって・・おま」

「早う帰って、寝るがよか！！！　飯くうてるんやろうなぁ！！！！」

「・・・・・・・・・食欲がねぇんだよ！！！！ごらぁ！！」

「そっだら、粥でもくって、水たくさん飲んで寝てろぅ！！！　それじゃあ治るもんも治らねぇ！！！！！」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「風邪なら、早く家帰って寝るがよか！！！　睡眠が一番の薬じゃけぇのう！！！　うちの爺様はねてばっかいるから、風邪もひかんず元気たい！

この飴とマスクやるけぇ！！！　さっさと家さけぇれや！！！！」

「・・・・・・」

「おい！　おめぇはこいつのトモダチかえ！？」

「あ、、はい」

「さっさと連れて帰ってやれやぁ！　その辺で食いもんと飲み物くらいわたしてやれやぁ！！！」

「は、、、、はい」

「風邪なら休むがよか！！！！　人様にうつすんじゃなか！！　元気になれぇ！！！！！！」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・帰るか」

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