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ネタバレは犯罪である。

ネタバレは犯罪である。
と仰々しくタイトルにしたのだけど、
そもそもまず、皆さんはどう感じていますか?

半年以上前、とある映画のネタバレを喰らい、思うところがあったので、ここに持論を展開させます。
賛否あるでしょうが、お付き合い願いたい。
ここでいうネタバレとは映画、あるいは漫画、アニメなど、あらゆるコンテンツにも当てはまるかもしれないけれど、私の場合は映画だったので、基本は映画ベースで進行していきます。


・ネタバレって何でダメなの?

まず一番最初に話しておきたいのがこちら。

A.体験の強奪行為だからです。

人間はあらゆる手法を用いて何かを表現することが出来ます。
その人間という生き物に産まれた我々は、
何かに触れたときに、感情が動かされます。
文字通りの感動です。
その中でも最も大きく感情が動くのは「初体験」の時です。

初体験って大事ですよね。
何事に置いても、「初めて」とは最初の一度きりだけです。
それ以外には存在しません。

そんな大事な「初めて」を奪ってしまうからです。

本来、得るはずだった「感情」は、
ネタバレを喰らえば
「ネタバレをされた上で得た感情」にしかなりません。絶対に。

「あの人としたキスはノーカンだからあなたとしたキスがファーストキスなんだ」

とか言われたら「はあ?何言ってんだこいつ?」となりますね?

ネタバレをされると、
ネタバレをされた世界のルートへ分岐して
されなかったルートへの道は閉ざされるわけです。

大げさに言えば、
純粋な映画体験というのは、もう二度と、金輪際、この先の人生では絶対に得る事ができないのです。

あなたのそのネタバレ1つが、
他人の人生を変えてしまうのです。

私は純粋な映画体験を得て、
得たい感情があるのに。
あなたのゴミみたいな感想とか、ネタバレで汚されたくないんです。

だからネタバレをしてはいけませんよ、と言いたいのです。

・ネタバレ許容派の生態を知る

では、なぜネタバレをするのか、
あるいはネタバレを許容出来る人間がいるのか。
敵を討つためにはまず敵を知らないといけない。
虚空を殴りつけても何も起こりませんので。

かくいう私も「分からなくはない部分」というのがあります。
映画が好きなのですが、唯一ホラー映画が苦手なんです。
あれって演出で「くるぞくるぞ~~……ドン!」みたいな、
要するに緩急をつけて観客を驚かせてるだけですよね。
そんなことない映画もありますけど。

映画見に行って、驚かされてビクッ!!ってなってるところを、
隣の知らない人に見られるの恥ずかしくて、それで嫌なんですよ。
理由をちゃんと文字にして書くとしょうもないですね。

そこでこう思うわけですよ。
「いっそのこと、どこで驚かせてくるのか分かればいいのになぁ~。驚かせポイントを右下にカウントダウン表示してくれ」、と。

この感情って、つまりネタバレを許容してる気持ちですよね。だいぶガバガバな判定なのは置いておくとしても。

最近だと、色んなものに配慮した結果、
「出てくる動物は無事です」とか、見ますけど、
これは「動物が無事かどうかネタバレしてくれ!」
という需要がある結果、誕生した文言でしょう。

もう一つ、大きなネタバレのジャンルがあります。
「予告編」です。

大きなジャンルで括ったら、「予告編ってネタバレ」です。
映像使って、セリフを聞けて、あらすじが紹介されて……。
前述の「純粋な映画体験」というものからは、かけ離れています。

でも、予告編に文句言ってる人なんていないです。
予告編に対してあれはネタバレだ!って怒ってる文章ここだけですよ。

ただ、まあ……これは別にいいでしょ。って思うでしょう?
私もそう思いますので、ちゃんとフォローします、というか新しいルールにしますが、
アレは映画製作に係わるプロによる編集のされた映像なので、ノーカンとします!

この辺を勘違いしたクソ素人達が「俺の紹介でもっと映画に興味を持ってくれるはず!」と思って
ネタバレしたり余計なことをやらかすんですよ。本当に気をつけましょう。過去の自戒をこめて。
オタクも何か作品を布教したい!という熱量で知らない人に喋ることありますけど、たいてい下手くそなので辞めた方が無難。
求められた解説以上の説明は苦痛、みたいなことどっかの漫画で言ってた気がします。おっと、これはネタバレか?

ネタバレ無しで他人に紹介するときの魔法の言葉は「〇〇(作品名)はいいぞ」だけです。
これだけ。マジで。
それ以外の言葉は付け足さずに。黙って「ガルパンはいいぞ」って言ってればいいんです。
ただし、言い続けてください。一生言っててください。

話は戻るけれど、
さすがに予告編だってダメだ!という方は、まあその、なんだろう、がんばってください。生きるの大変そう~。

でもご安心を、ネタバレ絶許民ども。ネタバレされた時の考え方を伝授します。

そのためにまずは、許容派の連中のことを知る必要があります。

先にも書いたようにネタバレ許容派っていうのは、先に安心を得たいんです。
感情のジェットコースターに乗れない腰抜けのチキン野郎です。でも、それでいいんですよ。
誰にも腰抜けとは言わせないぞ、なんて突っかかる必要もないです。

例えば、落ち込んでいるから気分的にハッピーな映画が見たいなと思って、ネットで作品を探すとします。
もうこの時点で映画の内容が「ハッピー」である担保が取れるわけです。
もしハッピーな映画で検索してバッドエンドで陰鬱な展開したら、
紹介者または紹介記事がクソ野郎なのでぶん殴っていいです。

例えば、AAA級のゲームタイトルをプレイするとき、たまに存在するのが、「取り返しのつかない要素」……。
あの時のあのタイミングでしか手に入らないアイテムとか、厄介ですよね。
アイテムコンプリートしたいとかなると、余計にクリアまで時間かかるのに、取りそこねたらやり直さないといけない。
そうなると、どこでそういう要素があるのか、先に調べてしまう、など。
これもある意味ではネタバレを許容した上での行為だと言えます。

ネタバレ許容派の人たちは、先の展開を知った上で、そこに到達するまでの道のりを楽しむことが出来るのです。
これはある意味で羨ましい能力です。

ネタバレされたとしても、「〇〇に書いてあった通りで最高!」みたいになれるんですよ。
ネタバレ絶許民は「〇〇の言ってた通りじゃねえか!クソが!」ってなるんですよ。これだけ書くとどっちが陰陽かはっきりしますね。
この陽キャ的マインドには勝てないです。何やったって。

色々許容派の生態を書きたいのですが。
なにせ私が許容派じゃないもんで、知らない事が多いです。
ネタバレ許容派のみなさんはどういう原理で許容しているのか、気になりますので教えてください。

こういったある意味での未来への担保が欲しいのがネタバレ許容派たち……。
ということに一旦仮定させてください。
まあ未来予知できたらみんな嬉しいし人生余裕ですからね。

・迫るネタバレへの徹底対策

じゃあネタバレ絶許民たちの思考も分かってきたところで、彼ら(私)がどんな苦労をしているのか、許容派の方々にも知ってもらいたい。

これを知った上で「アホちゃう?」と思っても、
こっちは真剣にやってるんだ、ということを知ってもらいたい。

「Twitter等SNSはとにかくあらゆる思いつく関連ワードをミュート」
序の口ですね。当然です。一週間以上前から構えておきましょう。
敵はどこにいるか分かりませんから。公開日前でも先行試写会組に喰らわされることもあります。
私のような、この手の映画オタクは映画見すぎて、ちょっとした関連ワードや感想でも「あの展開か……?」と絞り込みが始まってしまう訳です。
感想でも「王道シンデレラストーリー!」とか言われると、映画視聴数が膨大すぎて脳内に大量の書庫があって、且つ勘もいいとなると、自ずとストーリー幅が絞られてきます。
話が脱線したけれど、思いつく限りの関連ワードをミュートしましょう。
MCU(アベンジャーズ系)は本当に毎回大変です。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー公開してましたけど、ありとあらゆる関連作品もミュートにしていかないと……。何が起きるか分からないですから。

「当日は最新の注意を払いながら映画館へ潜入」
だいたい耳にイヤホンして音楽流しながら、映画館へ入ります。
絶対に朝イチの回。朝イチの回は朝早くからでも映画見たい映画好きが比較的多いので治安も良いです。(昼過ぎが一番ダメ。お昼食べてそのあと映画ね~っていうデートプランやお遊びプランに組まれることが多いので)
また朝イチの回はその前に映画やってないので、退場客と会わないのも良いところ。
ちなみに私と同じような客が多いのか、大作映画初週の土曜日朝は結構ピリついてませんか?新作映画は大抵金曜日公開なので、金曜夜もピリついてますよね?

こういった様々な、一般人からすると「アホちゃう?」と思われる事も真剣にやっています。
何せ作品ごとが一生モノの体験ですから、それをどこぞの素人どもに奪われてたまるか!と思っている訳です。

余談ですが、YouTubeで作品タイトルで検索するのも良くないです。
クソ素人ユーチューバーどもが、上から目線の御高説をアホヅラ引っ提げてぺちゃくちゃ喋ってるんですが、連中の厄介なのはサムネで見せてくるんですわ。考察とかストーリー予想とか、しょもない動画が散見されるので、チャンネル登録は映画公式チャンネルだけにするのがベター。

ちなみに見終わったあとも、決して検索しないように。
連中のどうしようもない薄っぺらい感想が目に飛び込んできて、せっかく自分で持った大事な感情を上書きされかねないので。

・ネタバレされた時の対処法

これよ。さっきからずっと遠回りしているけれど。
ネタバレ絶許民に大事なもの。
このマインドを持つことが大事だと思っているけど、
まず大前提として

ネタバレをされない
ネタバレをしない
悪意あるネタバレではない

というのがあります。

その上で
ネタバレをされた時に大事なのは
「ネタバレ許容派の考えに切り替える」
です。
あくまで精神的な保ち方ですが。

つまり、先にも書いたようにネタバレ許容派たちの「先を知った上でその過程を楽しむ」というものです。

ただ、これも先に書いたけど、
映画好き達はあまりに膨大な量の映画を見ているのでちょっとしたワードでもストーリーが絞られてしまいます。
なのでこのマインドは本当に難しいのですが、そんなこと出来たら苦労してねえし、こんなにイライラしなくて済むんだよって思うでしょうし、私も思いながら書いてる。
でも、そこを何とか頭空っぽに一回して、映画泥棒の頭カメラの男の半生とか考えたりして、備えてください。
それで答え合わせしながら見て、正解したら及第点、予想を超えて良かったら満点。下回ったら赤点とでも評論するつもりで見るのも一興。
どんな状態だろうと、楽しもう!というマインドがなければ何事も楽しめないものです。

だからと言って、悪意あるネタバレにまで黙る必要はないです。
全力でぶん殴りにいきましょう。

我々は悪意あるネタバレは絶対に許さない。
という前提をネタバレ許容派の方々は忘れてはいけません。

ちなみに冒頭に書いた、半年以上前にされたネタバレって、「すずめの戸締まり」ですが、
今から私が実際にされたネタバレについて書きます。
(これからするネタバレについては半年以上前の作品なのでセーフとします)
私も「しまった!!」と思いすぐに目をそらしたのですが。

「ドラえもん」

これだけです。
意味わかりますか? 新海誠作品の「すずめ」で、なんでドラえもんというワードをネタバレだと思うのか。ドラえもんというワードだけであらゆるドラえもん映画、原作の設定、タイムマシン系、タイムトラベル系の膨大な資料が頭をよぎるわけです。

それで実際に「すずめ」を見た結果、映画冒頭のシーンで、小さいすずめが母を探して泣きながら雪道を歩くわけです。このシーンだけで、「あ~これ大人になったのが助けに来るな」と分かってしまったので、
心底やっちまったなぁ~と自分にがっかりしました。
まあ、いま考えると、たまたま勘が冴えている日だったらネタバレなしでもこのシーン見た時に気がついたなあ、と思う。

おかげさまで、私の「すずめの戸締まりを見た感想、得た感情」は
「すずめの戸締まりをネタバレされた上で見た感想、得た感情」にしかならなくなりました。
一生モノを自分で傷つけたわけで、猛省しましたね。

・ネタバレ解禁について

まあこんな風にだらだら書いたけれど、
何も言えないじゃん!なんてことになりますよね。
近年で言えばネタバレ配慮が行きすぎてエヴァの映画の感想が見当たらないなんてこともありました。
更に言えば、公式からネタバレ解禁!なんて言われてますけど、これはみんなが配慮するから
口コミが広まっていかない!という公式からの嘆きでもありますよね。
マナーが良いことはとても良いことだけど、
映画が売れなければ我々の戦いは本末転倒です。

映画で言えば、ネタバレ解禁はせいぜい1週間後の土日明けでしょう。
早い人は公開日、その週の土日で見に行きます。
もし行けない人はその翌週の土日に行くでしょう。

ここまでですね。
これ以上待つ必要なんてないです。

週刊漫画雑誌で言えば、更新日になった瞬間が解禁ですよ。特に週刊誌は足が早いので、話題にならないと最悪、連載終わりますから。
どこぞのキ○肉マンが「ネタバレするな!」って訴訟までふりかざして暴れまわった結果、誰も口にすること無くなって今頃になって「ちょっとなら話してもいいのよ?」なんて抜けたことやってるぐらいですから。

上に上げた期間、それ以降はネタバレ解禁していいと思います。あくまで持論ですが。
それまでに見ないのは、ハッキリ言って努力不足が大半ですが、
仕方ない理由もあるでしょう。人生、色んなことがありますから。
なので、そういう時は諦めてください。

努力不足については、
そんなにネタバレ嫌ならなんで早く行かないの?
としか言えないです。本気だせば休みだって取れるし、
休みが取れねえような会社なら、それはまた対策するところの話が変わって来るんじゃないですか?
何にせよ足切りされた足などに思うことなど何もありません。我々の見えないところで情けなく喚いてください。
特に週刊誌は鮮度が命ですから、楽しく騒いでる所に水を差すような真似をする方が野暮ってなもんでしょう。コミック派に配慮?馬鹿言ってんじゃねえやクソマヌケ。そんなに嫌なら週刊誌買いなってんだよ。二度と喋んじゃねえ。インターネットやめて紙とペンで生活しといてくれ。
これくらい言われて然るべきでしょう。いやちょっと言い過ぎましたごめんなさい。こんな文書いてネタバレするなって怒ってるやつの方がさっさとインターネットやめろよってブーメラン刺さってますけど、刺さりながらあと少しだけ続けます。

まとめ

まとめなんですけど、やっぱりネタバレはしないのがいいし、
されないこともまた重要。
自衛が大事です。

相手にどうだった?と聞かれても、
私は中々内容については触れないで
「良かったですよ」「面白かったです」くらいしか
言わないでいたら、すっかり説明下手というキャラになってしまいました。私にはその人の初体験を奪う責任なんて取れないので、それしか話せないのです。
そんな私のコミュニケーションの失敗例もありますが、人は担保がほしい生き物です。
面白いって保証されたいのですよ。映画って、今はもう安い娯楽じゃなくなってしまいましたから。

知ってます? 映画素人たちって、1年に1回~2回くらいしか映画館に行かないらしいですよ。
逆に週末何やってんだ?って感じですよね。
で、その映画素人たちも見に行くような大作映画に、映画好きたちも当然行くわけで、こういう時に揉め事やお気持ち表明が発生したりするわけです。

どっちかが歩み寄れって言ったら、
我々のような映画好きたちが、素人に合わせる方が、
結局早いんですよ。
だって、映画素人たちにこのことを伝えたところで、次に映画館に行くのは当分先なのですから。我々は早ければ今週末には行くわけですが。

ただ、やっぱりネタバレというのは、
されて気持ちのいいものではないんです。
私のような好きが転じて厄介な人種になってしまった人たちは、
それでも真剣にやっているので、
こういう気持ちが少しでも伝わればと思います。

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