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会食恐怖症を知ってほしい ~私と会食恐怖症~ 【後編】

こんにちは、七瀬川と申します。

これは、先日出した記事「会食恐怖症を知ってほしい ~私と会食恐怖症~」の後編部分となっております。                  前後編あわせてお読みいただけると幸いです。

3.仲の良い友人との食事

前編でもお伝えしたように、会食恐怖症が起こらず、普通に食事ができる場合もありました。

それは、これまで何度か食事を重ねた、気心の知れた友人と食卓を囲む場合です。
そのようなときは吐き気も腹痛もほとんど起こらず、穏やかに食事をとることができました。

慣れるまでが少し大変だが、一度慣れてしまえばもう大丈夫。そう思っていました。

ですが、その考えは間違っていました。


4.自粛生活の弊害

社会情勢の変化により、今年の3月から自粛生活を余儀なくされました。当然、外食や人との食事の機会はゼロになります。  

元々会食恐怖症が理由で飲み会や人との食事を避けていたのですが、仲の良い友人とどこかに食べに行くことができないのは少し寂しかったです。

こうして約半年の間、人と食事をとることはありませんでした。


そして、周辺で状況が少しづつ落ち着いたころ、友人にお茶を誘われました。その友人は、今までも何度か食事を共にし、気心の知れた仲の良い友人でした。

喫茶店に入り、メニューを開く.
ここまでは、会食恐怖症のことなど頭にありませんでした。

だって、以前この子と食事をしたときは大丈夫だったから。  

久しぶりの友人との喫茶店で、少し浮かれ気分になっていたのもあるかもしれません。
どのケーキにしようかと少し迷いつつ、結局イチゴのケーキと紅茶を注文しました。

その時までは良かったのです。


注文をしたケーキと紅茶が運ばれてきた瞬間、気持ち悪さがこみ上げてきました。

きてしまった。直感ですぐわかりました。

気分が悪い。冷や汗を感じる。食べ物を見たくない。
普段なら何個も食べられるイチゴも、今は口に運びたくない。

食べたくないない。呑み込むことができない。

油断をすれば戻してしまいそうな感覚に耐えながら、フォークで出来るだけ小さく切り分け、少しづつ口に運び、紅茶で無理やり流し込む。

久しぶりの喫茶店。
やっとの思いで完食したケーキの味は全く分かりませんでした。

今までに積み上げてきたものが。約半年の空白期間で白紙になってしまった。今まで問題なかったのに、どうして。

家に帰ってから、悔しくて悔しくて泣いてしまいました。


5.白紙に戻ってしまったけれど

気のすむまで泣いたら、なんだかすっきりとした気分になりました。

これは仕方のないことなんだ。
久しぶりの外食だからいつもより緊張していただけ。大丈夫。

期間を開けると、親しい友人でも食事が難しくなってしまう事が分かった。

そのことは悲しくて悔しい。でも自分のことを知ることができた。
また同じようなことが起きるかもしれないから、気を付けよう。

今度からは様子を見て飲み物だけを頼むのもいいかもしれない。

こんな風に対策を考えることができる。
気づけたことは、ある意味ラッキーだったのかも。

会食恐怖症とうまく付き合う方法を、自分なりに見つけたい。
真正面から闘うのではなく、折り合いをつけながらうまく付き合っていきたい。

白紙に戻ってしまったことには変わりありません。
ですが、会食恐怖症との向き合い方が分かった気がしました。


6.おわりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
最後に、私がこの記事を書いた理由を二つお話しようと思います。


一つ目は、会食恐怖症を知らない方に、「こんな人もいるんだよ」とお伝えしたいと思ったからです。

会食恐怖症の方の中には、私のように仲の良い人との食事も困難な場合があります。
また、どうせ誰にも理解されないと思い、孤独感を感じている方もいらっしゃいます。私もそのうちの一人でした。

ご友人やご家族、また周囲の方々の中に会食恐怖症の方がいらしたら、どうか優しく受け止めていただきたいです。
よろしくお願いいたします。


二つ目は、会食恐怖症で悩んでいる方々の力になれたらと思ったからです。               

私は専門家でもカウンセラーでもありません。
知名度が高いわけでもない、ただの一般人の私がこの記事を投稿しても、意味がないのかもしれません。 

                                  でも、ほんの少しだけでも誰かの手助けになる可能性があるのなら。
会食恐怖症に悩む一人として、情報を発信し、会食恐怖症について知るきっかけづくりをしたい。会食恐怖症に悩んでいる方々の孤独感を和らげたい。

かつて自分自身が会食恐怖症について知り、「自分だけが悩んでいるはない」と救われた時のように。

そのような思いで、この記事を投稿いたしました。
少しでも何かのお役に立てれば幸いです。


最初から最後まで拙い文章で申し訳ありません。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

七瀬川



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