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4月7日(火) Stay Home 14日目

今日は、久しぶりに夫に仕事が入っている。こんな時に発注してくださり、大変ありがたい。夫も朝から生き生きとしている。そんな様子を見ると、私もうれしくなる。私は久々のワンオペ育児。

夫がお昼前に仕事にでかけた後、子どもの機嫌を取りながら一緒に遊ぶが、ずっと家の中にいるので遊びにもネタが尽きてくる。外に出かけられれば、思いっきり公園を走り回らせてあげられるのに。そこまで気にしなくていいのだろうか? 公園はたくさんの子どもたちであふれているため、逆に気にしてしまう自分がいる。

音楽を聴こうとApple Musicを開き、スクロールしていると、子どもに合わせて目まぐるしく過ごしている普段なら目にも止まらない、MVジャンルが目についた。いつもはMVなんてゆっくり見ている時間はない。だが、今なら気分転換に、子どもに見せてもいいかもしれない。この状況なので、目立つところに「おうちで踊ろう」なる特集がされている。家から出ていない自分の運動不足を気にしてその特集をタッチすると、一番にDA PUMPの「USA」が出てきた。この曲が流行した時、私は妊娠中で、すでにだいぶお腹が大きくなっていたので、例の有名なサビの振り付けの真似は夫から禁止されていたのであった。遅ればせながら、これを踊りたい……!

テンション上がるイントロを聴いて一気に頭に血が上り、準備運動もなく踊り始めてしまった。た、楽しい。みんなが真似をしていた気持ちが今更よくわかる。私が踊っているのを確認して、子どもが近づいてくる。ただご機嫌が斜めで足にまとわりついて離れようとしない。そこで、派手なMVを見せて機嫌をとろうと、テーブルの上に置いてあるi Padを見せるために、子どもを抱っこをして踊り始めた。しかし、揺れが気に入らないようで泣き始めてしまった。「USA」ダンス体験、2再生で終了。

昼過ぎ、子どもが昼寝をしている間に、子どもを眺める以外に何も楽しみがないこの日々の無為な時間を生かして、生まれて初めて前向きに、お菓子をつくってみよう、という考えに至った。大雑把にでもおいしくできる料理は好きだが、分量に正確さが求められるお菓子作りは大変苦手。プロに任せるに限る。しかし、子どもがいると、携帯電話を触っていると、それに触らせろ!と泣きわめき、かまってやらないと怒るので、読書や雑誌を読むこともままならない。もちろんPCも開けず、なにもできないに近いため、短い時間でお菓子作りをするなどして発散するしかない。

子どもの離乳食用に、小麦粉やホットケーキミックスだけは幸いたくさんある。ホットケーキミックスの裏面に印刷されていた、マフィンのようなカップケーキを作ることにした。うちにはオーブンがないため、オーブンレンジで代用。ただ、この機能を使用したことがなく、ちょっと心配。20分ほど焼いて取り出してみると、ふんわりとは程遠い、多少膨らんだなんだかカチカチの物体が完成している。見た目も、なんだか真っ平らでパンのよう……。味はまあまあだが、おいしい!というほどではない。またつくろうという気が失せていく。

夫から「仕事終了」の連絡。「寄り道せず、真っ直ぐ帰るように」と返信。あっという間に帰宅する。追い立てるように、すぐシャワーを浴びるように促し、着ていた洋服はすぐに洗濯機へ。その間に、失敗お菓子を食べていたら、近所に住む友人から突然「今家にいる?」と連絡が。「外を見てみて」と言うのですぐに窓を開けてみると、その友人が佇んでいる! びっくりしてニヤニヤと笑ってしまう。私と子どもの誕生日、そして結婚記念日を祝いに馳せ参じてくださったのだ。道路を挟んで、クラッカーを鳴らしてくれるのを、2階の窓から子どもを抱えて眺める。夫がシャワーを浴びているのが悔やまれる。その友人のお祝い一部始終を携帯で動画撮影しながら、またニヤニヤとしてしまう。こんな状況だけど、自分は幸せ者だと噛みしめる。子どもはわけがわからないようで、始終難しい表情でみつめていた。

晩ごはんはカルディの温めるだけハンバーグに目玉焼きを乗せたもの。ソースはフライパンでつくった。食べながら観ていた「世紀の大事件」のようなテレビ番組が陳腐に感じてしまい、チャンネルを変える。だって、世紀の大事件って、まさしく今のことじゃないのか。このタイトルで番組をやるなら、今のこの状況を特集すればいいだけの話なのでは。こんなことを話し、「テレビ局に電話してやろうか」とすごんでいて、夫に止められる。

都の会見が開かれるが、特に目立った情報なし。百合子が「ご趣旨」という言葉を発するのに、「おしゅし」(という実在する寿司のキャラクター名)と聞き間違えてしまい、そんなわけないよなとすぐ自分に突っ込む。私の中の勘違いと即ツッコミに自分でも笑ってしまう。こういうユーモアが自分の中に復活したことを実感。こういうものを大切にして、笑って生きていかねば。

その後に見た首相の会見の「医療チームを支えるために、クラウドファンディングをしてくださった人が、います」という発言に顎が外れそうになる。困っている医療チームを見かねてファンドを始めた民間の善意をのんきにたたえている場合ではなくて、本来はそれよりも早く国が補償をせねばならないのでは? 他人任せばかりが見える為政者に、またいらだちが隠せない。 

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