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お酒をつけて柿を干す、保存食をつくる生活

今日は1日、渋柿のお世話をしていました。

去年、渋柿を大量にいただいて、おっかなびっくり干し柿と渋柿酒をつくってみたら、驚くほどの美味しさ!
そのまま食べても、そのまま飲んでも美味しい上に、お料理に使っても風味が良くて一石二鳥。
これに味を占めて、今年も絶対に干し柿と渋柿酒をつくろうと決めていました。柿の季節が始まる前から渋柿をいただけないかと声をかけて周っていました。

すると近所の行きつけのお肉屋さんが電話をくれて、渋柿を見つけたと教えてくれます。「どれくらいいるの?」というので「たくさん!」と答えると、段ボール箱に2箱分、ずっしり重い大量の渋柿を取ってきてくれました。


枝ごと切られた渋柿だから、まずはひとつづつ枝からむしり取ります。ハサミで切るよりも、手でむしった方がヘタに小枝を残すことができます。小枝を残しておくと、あとで干し柿にするときにヒモを巻きやすくて具合が良いです。

枝からむしった渋柿をズラッと机に並べてみると、圧巻。200個以上ありました。


その中から傷んでいるものと、ピカピカのものに仕分けをします。

傷んでいる分は柿酒に、ピカピカの分は干し柿にします。


お酒を漬ける瓶、ホワイトリカー、塊の黒砂糖を買ってきたら始まりです。

瓶を消毒して、お酒用の渋柿を切っていきます。去年、面倒だったので皮付きのまま漬けてみたらそれでも美味しかったので、今年も皮は剥きません。
傷んでいるところだけ切り落として4等分にして瓶に入れます。半分くらい入れたら黒砂糖を1パック。残り半分の柿を入れたら黒砂糖をもう1パック。ホワイトリカーを流し込んで、完成。

砂糖の量は適当です。漬け込んでいる途中で味見をして甘さが足りなかったら継ぎ足し継ぎ足しやっています。
果物酒というと氷砂糖が定番ですが、黒砂糖の深みのある味わいが柿に合いそうなのでこちらにしました。

これだけで、数ヶ月経ったらとっても美味しいお酒ができるのです。そのままでは食べられない渋柿なのに、アルコールの力って不思議です。


お酒の仕込みが終わったら、干し柿作りです。
こちらはヘタの部分だけを残してひたすら皮剥き。黙々と皮剥きをしていると、だんだんと気持ちが良くなってきて止まらなくなります。ランナーズハイでしょうか。集中して同じ作業をやり続けるのって、どこか瞑想的な気持ちになります。

皮が剥けたらヘタを紐で結んで、熱湯に5秒浸して消毒。あとは外で干すだけ。1週間くらい経つと表面が触れるくらいにしっかりとしてくるので、ちょくちょく揉んであげると良い塩梅になります。


柿酒の瓶をしまうために押し入れを開けてみると、今年漬けた8L瓶の梅酒が3本、小さい瓶に鍛高譚で漬けた梅酒が1本、8L瓶の青桃酒が2本並んでいます。

5ヶ月ほど経った梅酒は良い味になってきました。瓶を開けるとブワッと芳香が漂います。もう少し寝かしたらもっと梅の旨みが染み出しそう。

変わり種として梅に合いそうなシソ焼酎・鍛高譚でも1瓶漬けてみたのですが、これが予想を上回る大成功!
一口目はまろやかで厚みがありながら、後味はシソのお陰か驚くほどスッキリさっぱり。甘過ぎる梅酒の後味は、口の中に甘味だけがへばりついてしまうのが気になりますが、鍛高譚梅酒はもう一杯、ついもう一杯と、手が止まらなくなる口当たりの良さです。来年は奮発してもっと鍛高譚で梅酒を漬けたいと思います。

青桃酒は初めて漬けました。
摘果して間引いた青くて小さな硬い桃でお酒を漬けられると、お友達の桃農家さんが教えてくれたので、いただいた青桃で作ってみたのです。

味見をしてみると、遠くの方に、ほのかに知っている味がします。あ!これは杏仁豆腐の香りです。青い桃の種の味が滲み出ているのでしょうか。
漬け始めてまだ3ヶ月しか経っていないので、今は杏仁風味よりもアルコール味が勝っていますが、じっくり寝かしたら面白い味わいになりそうです。


お酒を貯蔵している押し入れには、梅干しの壺も入っています。今年、初めて自分で漬けてみました。本当は干していないから”梅漬け”なのですが、こちらも大成功です。おばあちゃんが作ってくれていたような、冷や汗の出るくらいキーンと酸っぱい梅干しになりました。梅干しは甘いものよりも容赦無く酸っぱいものの方が好きです。


梅干しの横にはキュウリのピクルスの瓶も並んでいます。

格安で譲っていただいたハネだしプルーンでパートナーが作ったジャムの瓶も並んでいます。


これから寒くなっていくけれど、保存食の瓶の中には夏や秋が詰まっています。蓋を開けると良い香りがします。自家製のお酒や保存食が並んでいるのをみると、豊かな生活を送っている気持ちになって、胸の中にじんわりと充実感が広がります。我が人生を自画自賛したくなるくらいです。

お酒を漬けておくのも、梅干しを漬けるのも、ちょっとの手間です。でもそのちょっとの手間のお陰で、押し入れを開ける度に、自分の生活を手放していないという充実感を得ることができるのです。なんてハッピーなことでしょう。

この冬は、キムチを漬けてみようと思います。

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